挑戦者は豊島将之九段
2022.8/7 10:00
タイトル戦も、藤井聡太五冠だけが騒がれる印象があるが、藤井の出ない棋戦が3つある。
名人戦、王座戦、棋王戦で、名人戦は今期A級に上がったばかりだから当然だが、残りの王座戦と棋王戦は、新四段の時から毎年出場しているが、一度も挑戦者になったことはない、
この王座戦が今年70期となり、8月31日に第1局が東京・品川の「グランドプリンス新高輪」から始まる。その前日に70周年の式典・レセプションが開催される。
主催は日本経済新聞社。王座戦は50周年の時には、日中国交正常化30周年記念も兼ね、初の囲碁将棋同時タイトル戦を、中国・上海で行ったことがある。
この時のタイトル保持者は、羽生善治王座(当時)。挑戦者の佐藤康光二冠(当時)相手に第3局を勝って、ストレートで防衛。羽生が19期連続で王座を保持していた時代の11期目に当たり、羽生の全盛期だった。私はこの時、新聞掲載の観戦記者として同行した。
現在のタイトル保持者は、永瀬拓矢王座。2019年に斎藤慎太郎八段から奪取して、3期連続保持し、今年が4期目となる。
挑戦者決定戦は、豊島将之九段対大橋貴洸六段の対決となった。大橋は序盤から守りの金を四段目に使って攻める新構想を打ち出し、角金交換の駒得に成功。しかし角の使い方に問題があったようで、豊島に飛車を目標に反撃され、玉の薄さを咎められて、期待の新人は敗退した。
今期は残念だったが、大橋は本戦の1回戦で藤井を破って挑戦者の道を断ったほどの実力者だから、どこかで出てくるかと思っている。
さて今期の五番勝負だが、双方王座のタイトルを争うと共に、藤井への追撃としての五番勝負という意味合いがあると私は考えている。
前から書いているが、永瀬は藤井の一強時代を許せないと、一番強く思う棋士。豊島は王位、叡王、竜王と、3つのタイトルを藤井に奪われ、無冠となったからで、このままでは済まさないという気持ちは強いであろう。
そのためには両者、この王座確保は、打倒藤井を目指すのに、落とせない五番勝負と言える。
今回私は十数年ぶりに、第1局の観戦記を担当するので、是非注目してほしい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】70期になった王座戦 藤井への追撃として落とせない五番勝負(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
【勝負師たちの系譜】70期になった王座戦 藤井への追撃として落とせない五番勝負 https://t.co/1oG8q8ahBH @zakdeskより
— zakzak (@zakdesk) August 7, 2022
開幕局は、8/31 9時から
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防衛か、奪取か。
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