へぇ・・・
2022.6/26 10:00
ここに来て将棋を指すことはないが、解説会や就位式には行きたいという将棋ファンの「観る将」、また将棋界に興味があり、本やSNSで棋士や将棋界のことを知りたい「知る将」が増えてきた。
名人戦が指されているホテルで、女性だけの行列ができているから、今日は何の会があるのかと思ったら、将棋の解説会だったことを知って、驚いたことがある。
また叡王戦での「見届け人」制度は、立会人と同じように対局の開始や感想戦などを対局室で見られ、別室で棋士の解説や指導対局を受けた上に、色紙や対局した駒がもらえるスペシャルな企画で、金額も高額(3桁)だが、これに多くの女性が応募している。
そういう人のために、私は今まで何冊か出版しているが、今回紹介したいのが『将棋・棋士の素顔――知られざる千駄ヶ谷の魔境』(マイナビ出版)である。過去の本欄から抜粋し、加筆訂正したものが8割程度で、後は静岡新聞や雑誌『将棋世界』に掲載したエッセーを載せている。
私が将棋界に入って50年以上(奨励会から)の間、見聞きした棋士のエピソードや対局の裏側、また大山康晴15世名人、米長邦雄永世棋聖といった大御所から、羽生善治九段の世代まで、A級順位戦で戦っただけに、棋士の勝負観はよくわかっていて、それらを載せている。将棋界に興味のある方には、是非読んでほしい。
また写真にある『プロ棋士という仕事』(創元社)は、5年ほど前に出した本だが、「棋士は長考中、何を考えている?」「棋士は給料制? ボーナスはある?」といった質問を、項目ごとに答えたもので、こちらも合わせて読んでいただくと、将棋界がよくわかるのではないかと思う。
こういう本は現在かなり多くなり、棋士全員やすべての棋戦の情報を見たい、1年間のデータを見たい人には『プロ棋士カラー名鑑』(扶桑社)が毎年発行されている。
また女性の観点から将棋界を紹介する、元女流棋士の山口絵美菜著『観る将のための将棋ガイド』(法研)も評判が良いと聞く。
強くなりたいという将棋ファンだけでなく、多様な将棋ファンが出現したことは、喜ばしいことと思っている。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】棋士や将棋界のことを知りたい「知る将」のための一冊 それぞれのファンに向けた著書続々(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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