現在の女流四強で最年少は西山さん(26)
2022.6/18 15:00
女流のタイトル戦は男性棋戦と同じく8つある。このうち里見香奈が四冠、西山朋佳が二冠を占め、残りを加藤桃子清麗と、伊藤沙恵女流名人が1つずつ保持している構図だ。
西山は昨年まで、女流王将と女流王座も保持していたから、里見と西山が女流の二強であることに変わりはない。
2人は共に、奨励会から四段を目指した時代がある。先に年齢制限で退会したのが里見だった。里見は三段リーグ時代、在籍期間の半分を体調不良のため休場していた。そのため四段を目指すことは、スパッと諦めきれたのかも知れない。
逆に西山は、リーグを14勝4敗でも上がれなかった(12勝で上がった人もいる)ことが、女流棋士に転向した後でも、尾を引いているのではと思わせるものがある。
三段時代、里見は女流棋士の資格で奨励会に参加。西山は奨励会員で、女流棋戦に特別参加していた。ゆえに西山の出場棋戦は少なく、出場した棋戦ではすべて、西山がタイトルを持っていた。
従って当時は、西山が里見をやや凌駕していると見られていたが、昨年から里見が巻き返し、女流王将と女流王座を取り返した。これも前述のメンタルの問題が大いに関係しているかも知れない。
4月から6月にかけ、この2人が2つのタイトル戦で対決した。最初に始まったのが、西山女王に里見が挑戦する『マイナビ女子オープン』。
第1局は神奈川県秦野市の鶴巻温泉『陣屋』で行われ、里見が中飛車から居飛車に転換し、うまく戦機をとらえて快勝。2局目は里見が居玉のまま攻めてくる急戦を、西山がうまく反撃して勝つという、一進一退の番勝負となった。
その間に始まったのが、今度は里見に西山が挑戦する『女流王位戦』で、兵庫県姫路市『夢乃井』から始まった。
この将棋は相振り飛車から、239手の大激戦となったが、西山が入玉を見せて勝ち切った。しかしその後は里見が巻き返し、3勝1敗で防衛。
マイナビ女子オープンは最終局までもつれ込み、西山が里見陣を一気に追い詰める形で勝利し、こちらも保持者の防衛となった。
結局1勝1敗の痛み分けで双方譲らず、二強の座がどうなるかは、今後の対決に持ち越された。
しかし男性棋士でも、二強が引退まで互角と言うことはまずない。どちらに傾くか、いつまで二強時代が続くのかを注目したい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】里見香奈・西山朋佳の女流二強時代 どちらに傾くか…長くは続かない互角の関係(1/3ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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2022/6/18 現在
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