20時34分 終局
72手 5八角まで、△豊島九段 の勝ち
挑戦者決定トーナメント
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▲近藤誠也七段-△豊島将之九段
20時34分 終局
72手 5八角まで、△豊島九段 の勝ち
「いやいやいや、ぎりぎりですけど、後手が勝っていますか。もしかしたら近藤さんは、ここで☗3四金で勝ちと踏んで61手目に☗7二角成を選んだのかもしれないです。それはそれですごい深い読みで、本当にすごいと言えるのですが」(山崎八段) いまいちど整理すると、現局面から☗3四金☖同玉☗3二竜に、(1)☖3三金は☗同金☖3五玉☗2三金☖3三角に☗5九金や☗6九歩で先手十分。(2)☖3三角が正しい合駒で、以下☗同金のときに☖同桂も後手玉が詰むが、☖3五玉で後手が勝ちというのが後手の組み立てと山崎八段は述べる。近藤の仕掛けた網を、唯一のタッチで逃げ切れると豊島が踏んだと見ているわけだ。それにしても、水面下でこれほど壮絶な読み合いが繰り広げられているとは。 遊泳している後手玉に比べ、先手玉は脱出は難しい。仮に上記の順が後手が勝ちだとするなら、粘るには自陣に駒を投資するよりないか。 近藤が40分ほど考えている。残り時間はまもなく10分。ここでの長考は明らかに誤算があったということだろう。近藤は立て直せるか。 豊島は小さく前後に揺れながら着手を待つ。左手で髪をかき上げると、麦茶をグラスに注いだ。一口飲むと、ティッシュで水滴のついた盆を拭く。一つ一つの所作に、余裕が感じられ始めた。 その刹那、「あれ、投了したんじゃないですか」とモニターを見つめる山崎八段から声がした。近藤は46分考えた末、次の手を指さずに投了した。 終局時刻は20時34分、消費時間は☗近藤4時間56分、☖豊島4時間17分(チェスクロック使用)。勝った豊島は挑戦者決定戦2回戦に進出。次戦で丸山九段-飯島八段戦の勝者と対戦する。
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まずは初戦突破
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