和田あき女流初段
2022/03/25 11:00
将棋界初と言われる「監督制度」は、女流棋士にとっても貴重な体験をもたらした。第2回から団体戦となった「女流ABEMAトーナメント」は、男性棋士と同じく3人1組のチームで戦ったが、新たなシステムとして導入されたのが監督だ。和田あき女流初段(24)はリーダー山根ことみ女流二段(24)に指名され、塚田恵梨花女流初段(23)との3人で「チーム山根」を結成したが、ここに監督して参加したのがレジェンド棋士・森内俊之九段(51)。一緒に戦えたことはもちろんながら、練習対局ができたことに「本当に感謝しかないです」と頭を下げた。
藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)の大活躍もあり、ここ数年でにわかに注目度を高めた将棋界。この影響もあってか、女流棋界にも新たな棋戦が誕生した。とりわけ女流棋士にとって大きかったのが、タイトル「白玲」を目指すリーグ戦、女流順位戦の誕生だ。棋士は、この順位戦がベースになっており、四段に昇段した棋士は、一部の例外を除いてC級2組からスタート、最上位のA級に入り、名人挑戦を目指す。一方、女流棋界は勝ち上がった棋士によるリーグはあったものの、全員がクラス分けされて行うものがなかった。和田女流初段は、第1期の順位決定リーグの結果、第2期はC級からのスタートになった。
和田女流初段 女流順位戦が始まって対局数も増えましたし、すごく充実した一年でした。コンスタントに対局がつくので、常に次の対局に向かって準備している感じです。やっぱり将棋が指したくて女流棋士になったので、戦える楽しみがあるのはうれしいですし、対局が増えたことを負担に思うことはないですね。勉強時間も増えましたけど、女流順位戦に向けてのモチベーションも上がりました。
コロナ禍において棋士、女流棋士は研究をするにもいろいろと工夫をする必要が出てきた。対面で指すものがオンラインになり、感想戦は電話でするようにもなった。
和田女流初段 だいぶ慣れましたね。出かける準備もないので、楽なところもあります(笑)。オンラインなら、どんな格好でやっても見られるわけではないんですけど、さすがに気持ちが入らないので、パジャマのままということはないです(笑)。
今や将棋の研究にソフトは欠かせないとも言われるようになった。和田女流初段も同じく取り入れてはみたものの、まだまだ本格的に使いこなせているという実感はない。
和田女流初段 みなさんソフトを使って研究されているのは、とても感じます。男性棋士のトップの方々は、タイトル戦とかを見ていても、とにかく序盤がすごい。何を指しても研究範囲、という感じじゃないですか。そこまでして「ソフトを使っている」というのであれば、自分は使っているとは言えないレベルです。もう序盤どころか、中盤のかなり深いところまで研究されている方もいます。何が来てもだいたい対応されているし、しかも対局の中で、どの将棋も研究が深い。もう想像がつかないですよね。
将棋界トップクラスの対局が放送となれば、聞き手を務めることも多い。そこで研究の深さをより知る。途方もない作業を繰り返し強くなっている人を見るからこそ、自分もなんとか成長したい。女流棋界は里見香奈女流四冠(30)、西山朋佳女流白玲・女王(26)の2人がタイトルを占めていたところに、加藤桃子清麗(27)、伊藤沙恵女流名人(28)が、それぞれ奪取に成功。現在はタイトルホルダーが4人になった。
和田女流初段 私の立ち位置としてはまだまだ全然ですけど、タイトルホルダーと当たる可能性もあります。もちろんきつい相手ではありますが、そういう方と対局できるのはモチベーションにもなりますし、昨年4月に西山さんと当たって、持ち時間2時間の将棋で対局できたのは、大きな経験だったと思います。
身近なところでも刺激を受けることがある。妹の和田はな女流1級(20)がプロの世界に飛び込んでから、1年半ほどになる。放送対局で聞き手をしているところを初めて見た時は、我が事のように緊張した。
和田女流初段 最初、ちょっとだけ放送を見ていたんですけど、私の方が緊張しちゃって、ほとんど見ていないです(笑)。後で本人に聞いたら、難しかったと言っていましたね。初めてやった時は、私もこんな感じだったのかなと思いました。
女流棋界の姉妹と言えば、里見香奈女流四冠と里見咲紀女流初段(25)もイメージされるところ。和田姉妹の関係性はどうか。
和田女流初段 普及面だと、一緒にいろいろなところにお仕事で呼んでいただけて、情報共有できるのはいいことです。将棋面では、一緒に住んではいるんですが、練習将棋とかは指さないですね。部屋が隣なのですが、駒音が聞こえてきて刺激になります。部屋にいてもパチパチと聞こえてくるんですよね。朝も7時ぐらいに起きた時でも聞こえてくることがあるので、はっとなりますよね。結構プレッシャーです(笑)。
里見姉妹のように、女流ABEMAトーナメントに和田姉妹として出場するのはどうかと聞いたところ、どうやらうまくいかないだろうと笑った。
和田女流初段 あー、どうだろう。同じチームってことですよね。ケンカしそう(笑)。同じチームということは応援しながら将棋を見るんですけど、妹の勝ち負けが自分の勝ち負けに直結するので「その手、何?」とか言っちゃいそう。家族だと余計に厳しくなりそうですよね。逆に妹の前で指すのも、自分にプレッシャーがかかりそうです。
そしてこの一年、最も刺激を受けたのが、女流ABEMAトーナメントに参加し、森内九段に指導をしてもらったことだった。願い出れば、快く引き受けてくれそうな森内九段ではあるが、大先輩には何かきっかけでもないと、唐突に指導を願うことも難しい。この大会で監督と選手になったのは絶好だった。
練習会に参加してくださって、それぞれの特徴を分析してくださっていました。本当にすごく丁寧にというか、いろいろとやってくださって本当に感謝しかないです。自分が課題と思っていた中盤について指摘されたので今後鍛えたいと思います。逆に序盤は褒めていただいたのはすごくうれしくて、自信になりました。
今年度の成績は7勝10敗、勝率.4117。もちろん目指すところはもっと上だ。貴重な経験を無駄にすることなく自分の力とできれば、数字は後からついてくる。研究を重ね、懸命に指すことが、限られた時間でも、真摯に指導をしてくれた森内九段への恩返しだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:和田あき女流初段、レジェンド森内俊之九段と指した貴重な練習対局「本当に感謝しかない」 | ニュース | ABEMA TIMES
和田あき女流初段、レジェンド森内俊之九段と指した貴重な練習対局「本当に感謝しかない」 #将棋 #和田あきhttps://t.co/L3fnhe1385
— ABEMA将棋ch(アベマ) (@Shogi_ABEMA) March 25, 2022
- 将棋 | Abemaビデオ
- 第1回女流AbemaTVトーナメント – 第1回 | 将棋 | 【Abemaビデオ
- 第2回AbemaTVトーナメント – 本戦 | 将棋 | Abemaビデオ
- 第3回AbemaTVトーナメント – 予選 | 将棋 | ABEMAビデオ
- 第4回ABEMAトーナメント | 将棋 | ABEMAビデオ
- 第5回ABEMAトーナメント (将棋) |ABEMA
ほぉ・・・
|
|
|
|
|
|
★