かつて西本馨(にしもとかおる)という、後天的な盲者棋士がいた。
2022/1/19 05:30(最終更新 1/19 05:30)
熊本大工学部の公認サークル「Soleil(ソレイユ)」が視覚障害者も楽しめるボードゲーム「ふれあいどうぶつしょうぎ」を開発した。凹凸のあるマークを駒にあしらい、手触りで駒の種類や進行方向が分かるよう工夫した。1月中旬から全国67の盲学校に計201台を寄贈する。【栗栖由喜】
「目の不自由な人も遊べるボードゲームが少ない」という学生の意見がきっかけで発案。将棋盤は縦29・5センチ、横21センチのアクリル製で、4×3マスの盤面は駒をはめ込めるようになっている。女流棋士の北尾まどかさんが将棋の入門版として考案した「どうぶつしょうぎ」を参考にした。
通常の将棋と同じ五角形の駒の上には凹凸のある4種類のマークを付け、マークの形で進める方向が分かる仕組みだ。弱視でも駒が判別しやすいよう白と黒の2色で色彩のコントラストを明確にした。2020年4月から制作を始め、盲学校の児童や北尾さんに試用してもらいながら改良を重ねた。
制作には熊本大や日本文具財団(東京)からの助成を受けた。サークルの顧問で同大大学院先端科学研究部の小林牧子准教授は「学生たちが一番苦労したのがマークの形。触っただけですぐに種類が判別できる模様を考えるのが難しく、デザイン案は10回以上変えた」という。
ソレイユは12年から、ユニバーサルデザインの教材を開発し、全国の盲学校に届ける奉仕活動を続ける。これまでも各都道府県の形をしたピースを地図にはめ込む音声式パズル「パッチンちずる」などを制作。ふれあいどうぶつしょうぎは21年3月、全国の生徒や学生52チームが参加した電気学会主催の「U-21学生研究発表会」で優秀賞を受賞した。
プロジェクトリーダーを務めた同大学院自然科学教育部1年の陶山(すやま)聡さん(23)は「子供から高齢者まで目が見える人もそうでない人も、みんなに楽しんでもらい、より多くのユニバーサルデザイン製品が生まれるきっかけになってほしい」と話す。今後、一般販売も検討する。問い合わせは小林准教授の研究室(096・342・3628)へ。
情報源:視覚障害者も楽しんで「ふれあいどうぶつしょうぎ」 熊大生が開発 | 毎日新聞
視覚障害者も楽しんで「ふれあいどうぶつしょうぎ」 熊大生が開発https://t.co/oO7e700JCq
熊本大学の陶山聡さんは「子供から高齢者まで目が見える人もそうでない人も、みんなに楽しんでもらいたい」と話しています。
— 毎日新聞 (@mainichi) January 18, 2022
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