オンライン記者サロンの収録に臨む(右から)木村一基九段、藤井聡太竜王、村瀬信也記者=いずれも瀬戸口翼撮影

力戦派・研究派、16棋士の戦いは 藤井竜王×木村九段 将棋・朝日杯本戦、記者サロンで見どころ対談:朝日新聞デジタル

朝日杯


2022年1月1日 5時00分

第15回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が1月、開幕します。渡辺明名人(37)=棋王・王将と合わせ三冠=や藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・棋聖と合わせ四冠=ら16人が頂点を目指して争います。開幕を前に、オンライン記者サロン「将棋・朝日杯本戦直前! 歴代優勝者が語る勝負どころ・見どころ 藤井聡太竜王VS.木村一基九段」で、優勝経験のある藤井竜王と木村九段(48)が、出場棋士の印象や見どころなどを語りました。進行は朝日新聞文化くらし報道部将棋担当の村瀬信也記者です。

■藤井聡太竜王 4回目Vへ、のびのび指す/木村一基九段 逆転出場、あの棋士に注目

――組み合わせを見ましょう。

木村 まず佐藤天彦九段と青嶋未来六段。青嶋六段は詰む詰まないの見極めが得意です。

藤井 非常に戦型予想が難しい。どちらが飛車を振るのか、あるいは相居飛車になるのかが注目ポイントかなと思います。

木村 朝日杯は持ち時間が短い棋戦(各40分、切れたら1手1分未満)なので、たまに振り飛車をやってみようという棋士もいるようです。藤井さんは飛車を振らないんですか。

藤井 考えたことがないです。

木村 隣の糸谷哲郎八段と三浦弘行九段は、藤井さんから見てどうですか。

藤井 研究派の三浦九段と力戦派の糸谷八段という印象が強い。糸谷八段が研究をはずすのか、あるいは正面から立ち向かうのかがポイントかなと。

木村 前回、藤井さんは三浦九段との決勝でした。こういう作戦家とあたるときは不安感とかありますか。

藤井 朝日杯だと1日2局あるので、事前準備は午前の対局に照準を合わせることになる。午後(にあった決勝)はその場で対応できるかという感じで臨んだと思います。

木村 次は渡辺明名人と菅井竜也八段の対戦です。名人はいうまでもなく第一人者。菅井八段は振り飛車の使い手です。

藤井 2人とも非常に早見えの棋士という印象があります。自分も朝日杯で対戦がありますが、こちらが持ち時間を使い切ったときに菅井八段がまだ20分くらい残っていることがあって、少しびっくりしたというのを覚えています。

木村 次に豊島将之九段と最近成績がいい梶浦宏孝七段。

藤井 とても活躍されている2人ですが、この組み合わせは新鮮です。2人とも居飛車党で最先端の将棋。2人の研究が存分に見られる熱戦になると思います。

木村 稲葉陽(あきら)八段と久保利明九段はともに関西所属です。

藤井 2人とも早指しでも実績がある。戦型としては久保九段が飛車を振って対抗形になると思います。その中で久保九段のさばきがみられるか、稲葉八段が押さえ込むかがポイントかと思います。

木村 AIだと飛車を振った瞬間に評価が下がるようなところがありますが。プロでは流行しています。

藤井 振り飛車でも新しい囲いや戦い方が出てきて、いろいろ眠っている筋もあるのかなと思います。

木村 前回ベスト4の西田拓也五段は振り飛車党(※収録後、1回戦の相手が飯島栄治八段に決定)。

藤井 久保九段とは少し棋風が違って、非常に腰が重い、粘り強いという印象ですね。

木村 藤井竜王の相手は船江恒平六段。公認会計士試験に合格して話題になりました。隣では永瀬拓矢王座と阿久津主税八段。永瀬王座は藤井さんの研究相手として知られています。ふだんはどんな話を?

藤井 棋士になってから長くVS(ブイエス)(1対1の研究会)をやっていただいていますが、あまり将棋以外の話をした記憶はないですね。

――全体を見てどうでしょうか。

木村 どこのブロックも面白い。その中で青嶋六段が逆転(2次予選で羽生善治九段と郷田真隆九段に勝利)で本戦出場の切符を手にした。どのような戦いを見せるか、興味深い。大逆転だったので、運も味方している。ただ佐藤九段も強豪ですから、面白い戦いになると思う。

――藤井竜王は2連覇と4回目の優勝がかかります。抱負を。

藤井 朝日杯は相性のいい棋戦と感じています。今回も本戦1、2回戦は名古屋で公開対局。地元ということでのびのびと指して、いい内容にできたらと思います。

オンライン記者サロンの収録に臨む(右から)木村一基九段、藤井聡太竜王、村瀬信也記者=いずれも瀬戸口翼撮影
オンライン記者サロンの収録に臨む(右から)木村一基九段、藤井聡太竜王、村瀬信也記者=いずれも瀬戸口翼撮影

■20歳、お酒には気をつけます/今年も一局一局大事に

――視聴者から質問が来ています。

木村 早指しと持ち時間の長い対局で戦い方に違いはありますかという質問。

藤井 持ち時間が長いと自分のペースで時間を使って考えられますが、早指しでは難しい。決断よくというのが要求されます。

木村 どっちが好きですか。

藤井 長い持ち時間でじっくり指すのが合っているのかなと思います。

木村 次に、お気に入りの和服はありますか。

藤井 師匠から贈っていただいた紺色の羽織があるんですけど、これまでは冬物を着る機会がなく、(2021年の)竜王戦で初めて着ることができて、うれしかったです。

――2022年をどういう年にしたいですか。

木村 毎年、一局一局を大事に指すという目標は変わりませんので、続けられればいいなと思います。

藤井 1月の王将戦からタイトル戦がしばらく続くので、しっかりコンディションを維持して、いい内容の将棋を指していけるようにしたいと思っています。

――藤井竜王は20歳になる年です。

藤井 あまり意識したことがなかったんですけど、お酒には気をつけたいです。(2021年12月12日収録)

ふじい・そうた 2002年7月生まれ、愛知県瀬戸市出身。20年に「棋聖」「王位」、21年に「叡王」「竜王」を獲得し史上最年少で四冠に。1月から渡辺明王将に挑む。

きむら・かずき 1973年6月生まれ、千葉県四街道市出身。2011年、第4回朝日杯将棋オープン戦で優勝。19年、史上最年長の46歳で初タイトル「王位」を獲得。

■15・16日、藤井竜王の対局など公開

本戦1、2回戦のうち、渡辺名人、藤井竜王らが登場する二つのブロックは1月15、16日、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で公開で行われます。詳細は公式サイト(https://www.asahi.com/ads/asahihai-nagoya/)で。準決勝と決勝は2月23日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールで公開で行われます(詳細は後日、ご案内します)。いずれも新型コロナウイルスの感染状況によって変更される可能性があります。

■15日まで配信中です 記者サロン

オンライン記者サロン「将棋・朝日杯本戦直前! 歴代優勝者が語る勝負どころ・見どころ 藤井聡太竜王VS.木村一基九段」は、1月15日まで配信中です。朝日新聞の購読者と朝日新聞デジタルの有料会員は無料でご視聴いただけます。申し込みは募集ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11006397別ウインドウで開きます)、またはQRコードから。

情報源:力戦派・研究派、16棋士の戦いは 藤井竜王×木村九段 将棋・朝日杯本戦、記者サロンで見どころ対談:朝日新聞デジタル




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