西山朋佳白玲
2021.11.7
女流棋界の最高棋戦として誕生したヒューリック杯白玲戦・順位戦は、決勝が女流棋戦初の七番勝負として、9月11日からスタートした。
白玲戦の優勝賞金は1500万円という、男性のタイトル戦並みの金額で、誰が初代の白玲になるかが注目された。
決勝に残ったのは西山朋佳女流三冠と、渡部愛女流三段。西山は里見香奈女流五冠とでタイトルを二分する、大本命の一人だ。
渡部はその里見を破って七番勝負に進出した実力者で、女流王位獲得の実績がある。
第1局は、東京都港区の『グランドニッコー東京 台場』での対局。先手番の西山は、得意の中飛車から穴熊に組み、双方が穴熊に。相手の飛車を目標にして西山が有利な戦いに進めた。終盤に入っても西山は、相手の穴熊を先に攻略し、完勝で勝利した。
第2局以降も、渡部は西山の振り飛車に対抗できず、ズルズルと後退。
第4局も桂得となった渡部にチャンスがあるかと思えたが、一手ひるんだことで、相手に立ち直られて敗戦。
結局西山は、七番勝負を4勝0敗で制し、里見と並んで四冠(当時)となった。正直言って渡部との実力差を見せつけた訳で、渡部が西山を破るには、かなりの努力が必要かと思う。
この白玲戦で西山が優勝したことで、一つ思ったことがある。それは西山に男性と同じ四段を期待するファンの声である。
これから四段の道を目指すには、男性棋戦の公式戦で既定の成績を取れば、プロ棋士との五番勝負で、フリークラス入りできるという制度がある。
この制度で棋士になったのが、今泉健司五段らだ。
西山は公式戦ではかなり勝率が良いから、目指せば十分可能性はあるかと思う。
ただし女流棋戦だけでもこの白玲戦の他、賞金が公表されている棋戦は、大成建設杯清麗戦の700万円、マイナビ女子オープンとリコー杯女流王座戦の500万円があり、非公表の4つの棋戦を合わせると、かなりの金額になる。
それで十分かどうかは別にして、もし女流棋士が男性棋戦もフルで出場したら、タイトル戦だけで16棋戦となり、対局の日程がつかないだけでなく、体を壊す恐れもある。
そう考えると棋戦が増えたことはありがたいが、ファンの期待に応えにくい状況になったのかもしれない。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】初代白玲・西山朋佳女流三冠、ファン期待の男性棋戦への参戦は? (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) November 7, 2021
挑戦権を獲得するのは誰だ?
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