将棋・第2期女流順位戦始まる　西山朋佳白玲への挑戦権をつかむのは：朝日新聞デジタル

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2021年11月1日 10時00分

女流順位戦の1回戦を戦った山根ことみ女流二段（左）と鈴木環那女流三段=2021年10月29日午後、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影

将棋の第2期白玲戦・女流順位戦が10月20日に開幕した。初代白玲の座についた西山朋佳女流四冠（26）への挑戦権を争うA級には10人が出場する。来年7月まで総当たりの熾烈（しれつ）な争いが繰り広げられる。

第1期の成績をもとに全女流棋士が4クラスに分かれた。A級は第1期白玲戦七番勝負で西山と戦った渡部愛女流三段（28）を筆頭に10人、次のB級は10人、C級は20人、D級は27人が在籍する。成績によって2～4人が昇・降級する。

A級の顔ぶれを見ると、挑戦権争いの本命は西山とタイトルを二分する里見香奈女流四冠（29）だろう。第1期は順位決定トーナメント準決勝で渡部に敗れたが、勝率も8割台で西山と張り合っている。里見は「長丁場の戦いになりますが、全力を尽くせるよう、体調管理に気をつけて頑張りたいと思います」とコメントした。

清麗戦と倉敷藤花戦で里見に挑む加藤桃子女流三段（26）、勝ち数と対局数で女流棋士の首位を争う伊藤沙恵女流三段（28）も有力候補だ。加藤は「挑戦を狙えるチャンスがありながら、強敵ぞろいで順位的に降級も見える位置。挑戦をめざして、すべての試合で全力を出せるように努めたい」。伊藤は「前期はトーナメントの加藤（圭）戦で不完全燃焼のまま終わってしまった感じで、あの敗戦はかなり後を引きました。A級は当然ながら強豪ぞろいのクラスなので、気が引き締まる思いです。みなさん挑戦をめざしているのは同じだと思いますが、私はあまり先のことを考えず、目の前の一局一局に全力で臨みたいと思います」。

西山に敗れ、初代白玲の座を逃した渡部は「タイトル戦は4連敗という結果になってしまい、残念ですが実力と受け止めてまた一から勉強し直します。タイトル戦に出られて西山女流四冠と指せたことは自分の成長につながる大きな収穫があったと思います。タイトル戦の舞台に戻りたいとは考えていますが、今期の順位戦の目標はまだ具体的なものが思いつかない状況ではあります。目の前の一局一局を大切に良い将棋が指せるように頑張るだけかなと思っています」。

中井広恵女流六段（52）は20、30代中心のリーグを勝ち抜いてただ一人、50代でA級入りした。「将棋の内容はすごくいいというわけではないが、今期は女流名人戦と女流王位戦でリーグに入れた。正直厳しい戦いになると思うが、なんとか降級しないように、この年齢で頑張れることを示せたら」と話す。

他にも、第1期で4強に入った加藤圭女流二段（30）は「A級は全員強豪で苦戦すると思いますが、せっかくA級に所属できたので、降級におびえるのではなく、挑戦をめざしていきたい。持ち時間をしっかり使って、よい勝負を見ていただけるように頑張りたい」。

石本さくら女流二段（22）は「1期目で絶対A級入りしたいと思っていたので、素直にうれしい。そうそうたるメンバーで、厳しい戦いにはなると思いますが、このメンバーの中で戦えることがとても楽しみ。順位戦を通して、さらに強くなることが目標です。その中で、結果も残していけたらと思います」。

鈴木環那女流三段（33）は「A級に入ることを目標にしていたので、それが達成でき、素直にうれしい。A級は1局勝つのが本当に大変な方ばかり。上を目指していないと残留すらできないと思うので、戦うからには挑戦者争いに加われるよう精いっぱいの力を出しきります」。

甲斐智美女流五段（38）は「持ち時間が3時間ということで、ゆっくり指せる棋戦。実力者の方ばかりですが、結果を意識せず、長丁場なので、ぶれをつくらず、大事に指していけたら」。

山根ことみ女流二段（23）は「第1期は負けた2局の内容がひどく、悔いの残る結果となった。A級に滑り込むことができたのは幸運でした。A級はそうそうたる顔ぶれがそろっているので身の引き締まる思いです。せっかくA級に入れたのでもちろん挑戦が目標です。一局一局を大切に指して内容の良い将棋ができればと思います」。

【女流順位戦A級出場者と1回戦の相手】

①渡部　愛女流三段（28）VS.甲斐　11月12日

②里見香奈女流四冠（29）VS.伊藤　11月12日

③加藤　圭女流二段（30）○―●加藤桃

④伊藤沙恵女流三段（28）VS.里見　11月12日

⑤石本さくら女流二段（22）●―○中井

⑥加藤桃子女流三段（26）●―○加藤圭

⑦中井広恵女流六段（52）○―●石本

⑧鈴木環那女流三段（33）●―○山根

⑨甲斐智美女流五段（38）VS.渡部　11月12日

⑩山根ことみ女流二段（23）○―●鈴木

※丸数字は前期成績に基づく順位。○は勝ち、●は負け。VS.は対局前（村上耕司）

情報源：将棋・第2期女流順位戦始まる　西山朋佳白玲への挑戦権をつかむのは：朝日新聞デジタル

女流順位戦A級

情報源：第2期ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦　Ａ級

村）里見香奈女流四冠、渡部愛女流三段らA級10人のコメントがあります。最年長の中井広恵女流六段（52）は「この年齢で頑張れることを示せたら」。B級は10人、C級は20人、D級は27人が戦います。
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— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 1, 2021