【師匠・杉本八段が語る“新三冠”の凄さ】「藤井時代見えてきた」指し回しに変化…攻撃的にリード奪う – サンスポ

杉本昌隆八段

2021/09/14 07:30

激闘を制し最年少３冠を達成した藤井新叡王。感想戦では笑みがみえた＝１３日夜、東京都渋谷区の将棋会館　（日本将棋連盟提供）

第６期叡王戦五番勝負　第５局（１３日、東京都渋谷区・将棋会館）将棋の藤井聡太二冠（１９）＝棋聖・王位＝が豊島将之叡王（３１）＝竜王＝を１１１手で破り、対戦成績を３勝２敗として叡王位を獲得した。１９歳１カ月の史上最年少で３冠も達成した。師匠の杉本昌隆八段（５２）は偉業を果たした１９歳の新三冠を祝福し、弟子がこれまで歩んできた道のりを振り返った。

叡王獲得、そして最年少３冠達成、おめでとうございます。師匠として誇りに思います。

豊島竜王との叡王戦、先月までの王位戦で、藤井新三冠に後手番での指し回しに変化を感じました。オーソドックスな指し方から、攻撃的にリードを奪いにいく作戦に変わっているようです。

苦戦した王位戦第２局では辛抱したことが奏功し、逆転勝ち。これがターニングポイントで、叡王戦にも影響を与えました。叡王戦第４局では後手番で敗れましたが、積極性が裏目に出てしまったからでした。

藤井三冠は、子供の頃から詰将棋が好きで、素早く解く能力は指し将棋以上では？と思うことがありました。小学６年の頃でしょうか。彼のお母さんから「ＡＩを使うのはどうでしょうか」と相談を受け、「まだ早いのでは」と答えました。ＡＩはすぐ正解が分かり、途中経過を考える習慣がなくなる。理解度が全く違う。修業時代に楽をしてはいけないと思っていたからです。

これは杞憂（きゆう）でした。藤井三冠は天才型ですが、秒読みでもギリギリまで考える姿勢は変わらず、執念のある将棋を指します。ＡＩと同じ結論でも自分の頭で考え抜き到達しています。

３冠を達成しましたが、まだ道の途中。ただ藤井時代が見えてきた気はします。竜王戦の初挑戦も決まりました。年内４冠や今年度６冠という声は気が早いですが、そう期待したくなる充実ぶり。将来、８冠制覇も狙えるくらいに成長する。そう断言できます。

昨年に続き、コロナ禍で大変な社会情勢の中でのタイトル挑戦でした。藤井三冠はときに、大リーグで活躍されている大谷翔平選手と同じくらいの評価を受けています。頑張る姿は閉塞（へいそく）感が漂う日々の中で、人々の気持ちを安らかにしているのでしょう。

棋士は将棋を指すことでしか世の中にアピールすることができません。将棋は深く、生涯、正解にたどり着かないかもしれません。それでも彼は考え続けるでしょう。その姿勢が今の時代に、人々に何かを訴えることができているのなら、素晴らしい。それが、コロナ禍の中で将棋の道を探求し続ける彼に与えられた宿命、使命ではないかと思います。（プロ棋士）

情報源：師匠・杉本八段が語る“新三冠”の凄さ　「藤井時代見えてきた」指し回しに変化…攻撃的にリード奪う（サンケイスポーツ） – Yahoo!ニュース（コメント）

情報源：【師匠・杉本八段が語る“新三冠”の凄さ】「藤井時代見えてきた」指し回しに変化…攻撃的にリード奪う – サンスポ

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— 窪田義行🌗初代峰王（51歳11か月、埼玉西武ライオンズの開幕戦を見届けて新年度の幕開けです。） (@YoshiyukiKubota) September 14, 2021