48歳の“千駄ヶ谷の受け師”木村一基九段、永瀬拓矢王座への挑戦権獲得/将棋・王座戦挑決

木村一基九段が勝利し永瀬拓矢王座へ挑戦|第69期王座戦挑戦者決定戦

132手 2二玉まで、△木村九段 の勝ち


2021.07.19 20:38

48歳の“千駄ヶ谷の受け師”木村一基九段、永瀬拓矢王座への挑戦権獲得/将棋・王座戦挑決

将棋の王座戦挑戦者決定戦が7月19日に行われ、木村一基九段(48)が佐藤康光九段(51)に132手で勝利し、永瀬拓矢王座(28)への挑戦権を獲得した。木村九段のタイトル戦出場は昨年、藤井聡太王位・棋聖(19)に敗れた王位戦七番勝負以来。現在の将棋界の“4強”を切り崩すべく“千駄ヶ谷の受け師”が、大舞台に挑む。

タイトル通算13期を誇り独創的な棋風を持つ佐藤九段に対し、受け巧者であることから“千駄ヶ谷の受け師”とも呼ばれる木村九段は、中盤以降の主導権争いからじりじりとリードを奪い始めた。佐藤九段が攻めに転じたところでは、持ち味十分の受けを披露。ぎりぎりのところで耐えながら攻めをつなぐと、最後は残していた時間を確実に寄せ切った。

対局後、木村九段は「難しくてよくわかりませんでした。後手番としては、まあまあかと思っていたんですが、結局攻められることになったので、ちょっとどうかなと思っていました」と静かに語ると、永瀬王座との対戦については「充実している方なので、精一杯体調を整えて頑張りたいと思います」と抱負を述べていた。

木村九段は2019年度の王位戦七番勝負で、史上最年少の46歳3カ月で初のタイトルを獲得。悲願達成に、奪取の直後には涙を見せ「中年の星」として多くのファンから祝福された。現在、渡辺明名人(棋王、王将、37)を筆頭に、豊島将之竜王(叡王、31)、藤井王位・棋聖、永瀬王座という4人で8つのタイトルを保持。40代以上のタイトルホルダーがいない中、アラフィフでもある木村九段の挑戦には、タイトルホルダー同士の戦いとはまた違った注目が集まりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:48歳の“千駄ヶ谷の受け師”木村一基九段、永瀬拓矢王座への挑戦権獲得/将棋・王座戦挑決(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:48歳の“千駄ヶ谷の受け師”木村一基九段、永瀬拓矢王座への挑戦権獲得/将棋・王座戦挑決 【ABEMA TIMES】


2021年7月19日 22時09分

将棋の第69期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が19日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、木村一基九段(48)が佐藤康光九段(51)に勝ち、永瀬拓矢王座(28)への挑戦を決めた。2019年の第60期王位戦七番勝負を制し、史上最年長の46歳3カ月で初タイトルを獲得した「中年の星」が、約1年ぶりにタイトル戦に登場することになる。

この日の対局は午前9時に開始。攻守が度々入れ替わる展開になったが、午後8時32分、最後は木村九段が佐藤九段の攻めをかわして逃げ切った。

対局直後、木村九段は「うれしい。永瀬王座は充実している方なので、精いっぱい体調を整えて頑張りたい」、佐藤九段は「久々に(タイトル戦の)チャンスかなと思ったが。強くなれると思っているので、ミスをなくすことが課題」と語った。

木村九段はその後、記者会見に臨んだ。昨年の王位戦七番勝負では藤井聡太二冠(19)=王位、棋聖=に敗れてタイトルを手放したが、約1年で再びタイトル戦に出ることについて「王位リーグで陥落し、思わしくない時もあった。そういう中で、王座戦に星が偏った。運が良かった」と語った。

木村九段は40代になって以降、タイトル戦で挑戦権を獲得した際に「これがラストチャンス」と度々語っている。それについて問われると、「常に“最後”だと思ってやっている。そのわりにはいい方に結果が出ている。うそをついているわけではないんですけど」と笑みを浮かべながら答えた。

2期目のタイトル獲得を目指す永瀬王座との五番勝負第1局は、9月1日に仙台市で指される。(村瀬信也)

情報源:「中年の星」が再びタイトル戦へ 将棋・木村一基九段(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:「中年の星」が再びタイトル戦へ 将棋・木村一基九段:朝日新聞デジタル


2021年7月19日 23時24分

将棋の木村一基九段(48)が19日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第69期王座戦挑戦者決定戦で佐藤康光九段(51)=日本将棋連盟会長=に後手の132手で勝ち、挑戦権を獲得した。9月1日に開幕する五番勝負で永瀬拓矢王座(28)に挑む。

感想戦終了後に行われた記者会見での質疑応答は以下の通り。

―挑戦を決めた。

「嬉しく思います。相手は非常に強い方ですので、キツい戦いになると感じています」

―挑戦に至った理由。

「(研究)時間は増えましたね。パソコンを見ているだけという感じです。増やさざるを得ません。年々、日々キツくなっていると思います」

―王座への挑戦になって。

「たまたまかなあ、という感じもしないでもないです。王座戦は本戦に入ったのも久しぶりなので。王位の枠で入った(注・今期開幕時に王位のタイトルを保持していたため、本戦からのスタートになった)ので、こういった形になって、私はツイてるな、という感じです」

―敗れた直後の佐藤九段が「齢はいっているけど、強くなれると思っている」と語ったが、年齢についてどのように考えるか。

「現状維持をするのが精一杯ですので、ああいうふうに言えるのはうらやましいですね。でも、年上の先輩がああいうことを言っているので、こちらもだらしないことは言っていられないです」

―昨年、王位戦で藤井聡太現王位にタイトルを奪われて「一から出直す」と言った。一から出直す気持ちが挑戦につながったのか。

「(失冠後も)公式戦は続きますので、一局一局精一杯臨んではいました。ただ、まあ…結果が…。王位リーグも陥落しましたし、思わしくないこともありました。そういう中で王座戦だけは運良く星が偏った感じがします」

―永瀬王座との対戦成績は3勝3敗2千日手。

「あんまりやってないですよね。これほど局数が少ない人とやるのは…昨年の藤井聡太さんもそうでしたけど、少ないのは気になるところで謎な相手というところはあります。ただ、あれだけ勝ってますし、将棋を指すのに熱心な方だなあと思いますので、熱意だけでも負けないように」

―1年でタイトル戦の舞台に戻る。

「昨年の王位戦で4連敗した実力からすると、よく挑戦できたなあ、という感じもします。王位を獲ったことは事実ですけど、王位を獲った後の1年は順位戦も落ちました(A級からB級1組へ)し、成績はよくありませんでした。他の(タイトルホルダーの)方は全て2つ目を狙って、私は絡めませんでしたので、私の実力が劣っていると思っていました。実際に(王位を)取られましたし。なぜ挑戦できたのか、よく分かりませんけど、運が良かったという一言に尽きます」

―挑決進出時に「最後のチャンスになる」と言った。本当に最後のチャンスだと思うのか、常に最後のチャンスだと思って戦っているのか。

「もうそんなには(チャンスは)ないと思っているので、常に最後になると思っています。その割には良い方に結果が向いているので…。ウソをついているわけではないです。私は常に最後のチャンスのつもりでやっています」

―研究量を増やしてタイトル獲得に至った一昨年と今を比べて。

「少し(研究量は)増えている気がします。覚えることが多くて。忘れることも多いので繰り返しやっていくしかないですね。そういう点ではキツくなってきました」

―再びファンの声援を背を受けて戦うことになる。

「声援を受けて戦うことはありがたいことで、実際に力にもなっています。その番勝負を指すに当たって、自分が強くなって、いちばんいい状態で臨まないと勝てる相手ではありませんので、(声援を)意識しながら精一杯の準備もして臨みたいです」

―本局の終盤は「詰む・詰まない」の難解な局面があった。

「(先手玉は)詰んでいたようですけど、私は読み切れてなかったです。どうやって勝ちに持っていくか、正直分からなかった。でもミスをすると逆転するという緊張感がありました。勝っているという安心感はなかったです。詰みを見つけられなかったので、あっという間に時間が過ぎました。持ち時間が残っていて助かりましたね」

―先手玉の詰みは感想戦で知った?

「佐藤さんが詰んでました、と。でも、どうやったら詰むかは教えてくれなかった(笑)。ですので(小学生時代からの盟友で本局の観戦記を担当する)野月(浩貴八段)さんが教えてくれました。詰まさないといけませんね」

―ファンの方々に。

「(永瀬王座は)充実している方で、厳しい番勝負になりますけど、自分なりに精一杯指したいと思います」

情報源:木村一基九段が王座挑戦 会見一問一答「何度も『最後のチャンス』と? ウソついてるわけじゃないです(笑)」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:木村一基九段が王座挑戦 会見一問一答「何度も『最後のチャンス』と? ウソついてるわけじゃないです(笑)」 : スポーツ報知


2021年7月20日 14時00分

7月19日に東京・将棋会館で指された第69期王座戦の挑戦者決定戦に勝ち、前王位の木村一基九段(48)が王座挑戦を決めた。第61期王位戦7番勝負(東京新聞主催)で藤井聡太棋聖(19)に痛恨の4連敗を喫し、「一から出直します」と絞り出した失冠の日から約1年。座右の銘である「百折不撓ひゃくせつふとう(何度失敗してもくじけないこと)」の精神を貫き、大舞台に「受け師」が帰ってきた。 (樋口薫)

◆どんなときも「百折不撓」の心を失わず

「最後のチャンスでしょう」。挑戦者決定戦進出を決めた7月8日、木村九段は取材にそう答えた。弱気な発言にも聞こえるが、木村九段の「最後」は決して当てにならない。これまで何度も手痛い敗戦をしながら、決してあきらめることのなかった棋士である。

プロ入りに苦労し、遅咲きの32歳でタイトル初挑戦。しかし大勝負で勝ちきれなかった。2009年の王位戦では、将棋界で2例目となる3連勝の後の4連敗を喫した。40代で再び王位に挑んだ際には「これでタイトル戦は最後」と思い詰めた。その2年後の王位戦でも惜敗し「本当にタイトルは駄目になった」と絶望の淵に沈んだ。

さらに3年後の19年、7度目のタイトル挑戦を果たすと、豊島将之竜王(31)との激戦の末、ついに王位を獲得。46歳での初タイトル獲得は史上最年長記録を大きく更新し、「中年の星」として話題を呼んだ。しかし昨年の初防衛戦は藤井棋聖にストレート負け。「1局は勝たなくちゃいけなかった。空回りしてしまう部分が多かった」と大いに悔やんだ。

タイトル獲得という年来の夢をかなえ、満足してもおかしくない場面で、木村九段は「百折不撓」の心を失わなかった。王位獲得の前から強化していた研究時間を、失冠後はさらに増やしたという。「覚えることが多くて忘れることも多いので、時間をかけるしかない。年々、日々きつくなっている」

そう語ったのは、王座挑戦を決めた直後の記者会見。「もうそんなに時間はない。常に最後のチャンスのつもりで臨んでいます」。悲壮な覚悟を見せた後、おどけた調子で付け加えた。「その割にはいい方に結果が向いてますが、うそをついているわけじゃないんです」。いかなる時もユーモアを忘れない。それも木村九段の流儀である。

◆木村九段が「幸運」を引き寄せたカギは…

挑戦者決定戦の相手は、日本将棋連盟会長を務める佐藤康光九段(51)だった。現役の会長がタイトルに挑戦すれば、故大山康晴15世名人以来、35年ぶりの快挙となる。人気のベテラン棋士同士の大勝負はファンの注目を集めた。

定跡から外れた力戦型の将棋となり、後手番の木村九段は金銀を押し上げて圧力をかけ、中盤で優勢を築いた。難解な終盤戦で「攻め急いでしまった」という佐藤九段の玉に、難解ながらも即詰みが生じた。しかし、木村九段はそれを逃してしまう。からくも自玉が詰まなかったので勝ちは動かなかったものの、感想戦で佐藤九段に詰みがあったと指摘され、木村九段は驚いた様子で「詰んでたんだ」と繰り返した。

直後の記者会見で「運が良かった。このひと言に尽きます」と強調したのは、その反省があったためだろう。常にギリギリの勝負が繰り広げられるトップ棋士の対局において、詰みを見逃しては普通なら負けとしたものだ。それでもまだ勝ち筋が残っていたのは、確かに幸運だったかもしれない。さらに言うと、王座戦本戦トーナメントでは藤井王位や豊島将之竜王(31)、渡辺明名人(37)の「四強」が木村九段と当たる前に姿を消していた。

しかし今年の木村九段の戦いぶりを見れば、それも天の配剤という気がする。順位戦B級1組では、最後までA級への昇級枠を永瀬拓矢王座(28)と争ったが一歩及ばなかった。王位戦リーグでは強豪のひしめく紅組で勝ち越し、挑戦者となった豊島竜王に唯一の黒星を付けたもののリーグ陥落となった。また非公式戦ながら、早指しの団体戦「ABEMAトーナメント」ではリーダーとしてチームを牽引。若手強豪らを相手に大きく勝ち越している。「思わしくない結果が続く中、王座戦に星が偏った」と木村九段は控えめに語ったが、他棋戦での奮闘が今回の挑戦につながったことは間違いない。

くしくも今回の挑戦決定の直後、木村九段の王位獲得までの軌跡を描いた拙著『受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基』(東京新聞)が「将棋ペンクラブ大賞」の文芸部門大賞に決まったと発表された。その取材の中で、木村九段が19年に王位挑戦を決めた際にも「幸運だった」と繰り返したのを思い出した。その時、筆者が感じた思いをここに引用したい。

〈将棋界に身を置く者は皆知っている。努力を惜しまず、精進を続けた者だけに、幸運の女神はほほ笑むのだ。〉

永瀬王座に木村九段が挑む5番勝負は9月1日、仙台市で開幕する。「四強」の一角として充実著しい永瀬王座は、将棋へのストイックな姿勢から「軍曹」の異名を持ち、すさまじい努力量で知られる。木村九段も「将棋を指すのに熱心だと感じる人」と評し、「熱意だけでも負けないようにしたい。一番いい状態でないと勝てる相手ではないので、精いっぱい準備して臨みたい」と意気込みを語った。タイプは違えど、ともに「受け」に秀でる棋士同士、粘っこく、濃密な棋譜を堪能させてくれるだろう。熱い秋の陣が待っている。

情報源:失冠から1年…大舞台に「中年の星」が帰ってきた 木村一基九段、王座挑戦へ:東京新聞 TOKYO Web


2021.07.20

永瀬拓矢王座との五番勝負は9月1日に開幕

永瀬拓矢王座への挑戦者を決める、第69期王座戦(主催:日本経済新聞社)挑戦者決定戦の▲佐藤康光九段-△木村一基九段が7月19日に東京・将棋会館で行われました。結果は132手で木村九段が勝利。第61期王位戦七番勝負以来となるタイトルの舞台に登場します。

藤井聡太二冠を筆頭に、若手の活躍が目立つ現在の将棋界において、48歳の木村九段と51歳の佐藤九段の対決ということで注目された王座戦挑決。振り駒で先手番になったのは佐藤九段でした。

戦型は矢倉となり、後手の木村九段は急戦模様の駒組み。対する佐藤九段は▲6六歩~▲4六歩と突いて、急戦を警戒します。

この▲4六歩を見て、急戦を断念して△4四歩と突いて持久戦に切り替えたのが木村九段の好判断でした。▲6六歩と▲4六歩を両方突いている先手からは早い仕掛けがなく、後手はのびのびと陣形を発展させることができるのです。

木村九段は雁木に組んだ後、5筋の位を取って銀でそれを支えます。この中央の位が重しとなり、先手は陣形をふくらますことができません。佐藤九段は右玉に組み、玉側の桂を跳ねて交換を挑みました。守りが薄くなるだけに決断の一手ですが、ゆっくりしていては陣形差で勝負所がなくなるという判断でしょう。

桂交換に応じた後の木村九段の指し回しは、まさに「千駄ヶ谷の受け師」の異名通りのものでした。歩を金銀で支えつつ、どんどんディフェンスラインを押し上げていきます。やがて木村陣の金銀は、全て自陣三段目以上に配備されました。

ひとたび防衛線を突破されると、堰を切ったように攻め込まれてしまうギリギリの陣形。これをまとめきる受けの力が木村将棋の真骨頂です。佐藤九段は猛攻を仕掛けますが、木村玉自らも前線の守りに加わる力強い受けで崩れません。そして手にした駒で鋭く反撃に転じます。

右玉は、飛車の下段の利きで自陣を守る戦型です。逆に言えば、飛車の利きを通すために下段はスカスカということです。その右玉の弱点に着目した木村九段は、桂と角で強引に佐藤九段の飛車を入手し、佐藤陣下段に飛車を打ち込みました。これがとても厳しい攻めで、優位を盤石のものとします。

佐藤九段が最後の反撃に出たところで、木村九段が△4五桂と相手の歩の利きに桂を捨てたのが絶妙手でした。これで佐藤玉は寄っています。佐藤玉には詰みがあったようですが、木村九段は自玉の不詰みを読み切って必至をかけました。そして、佐藤九段の王手ラッシュをかわしきり、勝利を収めました。

対局終了後には記者会見が行われました。佐藤玉に詰みがあったことについて、「感想戦で佐藤さんが詰んでるって言っていて。どうやって詰むか教えてくれなかったんですけど(笑)」と記者の笑いを取る一面もあった、木村九段の人柄が出た会見でした。

今回、木村九段が五番勝負で対戦するのは永瀬王座。対戦成績は3勝3敗2千日手と全くの五分です。永瀬王座との対戦について問われると、「あんまりやってないんですよね。昨年の藤井聡太さんもそうでしたけど、対戦数が少ないのはちょっと気になるところではあります。謎の相手といった感じのところがあります。ただ、あれほど勝ってますし、将棋指すのに熱心だなと感じる方ですので、熱意だけでも負けないようにと思います」と意気込みを語りました。

王位戦以来1年ぶりのタイトル挑戦については、「王位戦で4連敗した実力からすれば、よく挑戦できたなという感じもします。王位を取ったことは事実ですけど、その後、王位を取った1年というのはA級からも落ちましたし、成績が良くありませんでした。他の(タイトル保持者の)方がすべて、1つ持っている人は2つ目というように狙っている中では、私はそういうことにからめませんでしたので、実力が劣っていると思っていました。実際、(王位を)その星のまま取られてしまいましたので。なんで挑戦できたのかは分からないですけど、運が良かったです。この一言に尽きます」と謙虚な姿勢で振り返りました。

最後にファンに向けて「充実している方で厳しい番勝負になりますけど、自分なりに精一杯指したいと思います」と抱負のコメントを残して、会見は終了しました。

共に受け将棋が持ち味の永瀬王座と木村九段。ですが、「受け」と言ってもタイプが異なると木村九段は過去に語っています。『令和2年版 将棋年鑑 2020』(発行:日本将棋連盟)の巻頭インタビューより抜粋します。

「私の場合は攻め駒を責める、という感じのことが多いので。それなりの結論は求めてるんですけど、永瀬さんの場合はそういったところにはこだわらず、長引いて長引いて最後は自分が勝つんだという信念に近いものがあるんじゃないでしょうか。『長引けば、最後は自分が勝つ』というような考え方があるのかなと。そこがだいぶ違うということですね」

将棋はどちらかが攻めなければ、勝負がつかないゲームです。どちらが攻め、どちらが受けるのか。また、本当に両者の受けに違いはあるのか。そのようなところに注目して五番勝負を観戦すると面白いかもしれません。

注目の五番勝負第1局は9月1日に宮城県「ホテルメトロポリタン仙台」で行われます。

情報源:王位失冠から1年、48歳木村一基九段がタイトル戦の舞台に再度立つ! 王座戦挑戦者決定戦で佐藤康光九段を破る(マイナビニュース) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:王位失冠から1年、48歳木村一基九段がタイトル戦の舞台に再度立つ! 王座戦挑戦者決定戦で佐藤康光九段を破る|将棋情報局


2021年7月19日 (月)

終局直後

終局直後に両者にインタビューが行われた。

【木村九段の談話】

――本局を振り返ってください。

木村 難しくてよく分かりませんでした。

――形勢の流れはどのようなものでしたか。

木村 後手番としてはまあまあかと思ってたんですけど、結局、攻められることになったので、どうかなあと。

――勝ちになったと思ったのはどこでしょうか。

木村 (自玉が)詰まないかなあ、と思って。
――準決勝のあとには、「ラストチャンスだと思う」と話していました。王座挑戦を決めたいまの感想を教えてください。

木村 うれしいです。

――永瀬王座の印象と、五番勝負の意気込みを教えてください。

木村 充実している方なので、精一杯、体調も整えて頑張りたいです。

【佐藤九段の談話】

――本局を振り返ってください。

佐藤 苦しめの将棋で、ちょっと持ち直したかと思ったんですが、攻め急いでしまったかもしれません。
――持ち直したと思ったのはどの辺りでしょうか。
佐藤 桂を打って金銀を取れる形になったので(83手目▲6五桂打)、難しいかなと。

――1986年の大山康晴十五世名人以来となる現役の将棋連盟会長のタイトル戦登場が懸かっていましたが、届きませんでした。

佐藤 大山先生の記録は畏れ多いので全然意識してなかったんですけど、残念ですね。最後、もうちょっと最善を尽くしたかったです。

――AIでの研究が全盛の時代に、会長職に就きながらここまで勝ち上がったことは素晴らしいことだと思います。ご自身としてはいかがですか。

佐藤 自信はあるんですけど、いつも結果につながらなくて。久々にチャンスがきたと思ったんですけど。年はかなりいってますけど、まだまだ強くなれると思っています。ミスをなくすことが課題ですかね。

情報源:王座戦中継Blog: 終局直後


2021年7月19日 (月)

五番勝負日程

【第69期王座戦五番勝負 日程】
第1局 9月1日(水)宮城県仙台市「ホテルメトロポリタン仙台」
第2局 9月15日(水)愛知県蒲郡市「西浦温泉 旬景浪漫 銀波荘」
第3局 9月22日(水)神奈川県秦野市「元湯 陣屋」
第4局 10月5日(火)兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」
第5局 10月12日(火)新潟県魚沼市「ryugon」

情報源:王座戦中継Blog: 五番勝負日程


第69期王座戦挑戦者決定戦、佐藤康光九段VS木村一基九段の対局が7月19日(月)に行われ、木村九段が132手で佐藤九段に勝ち、挑戦権を獲得しました。

木村九段の王座挑戦は第56期以来の通算2度目となります。

永瀬拓矢王座との五番勝負第1局は9月1日(水)に宮城県仙台市「ホテルメトロポリタン仙台」で行われます。

◆第69期王座戦挑戦者決定トーナメント 対戦表

情報源:佐藤康光九段VS木村一基九段 第69期王座戦挑戦者決定戦 木村一基九段が勝利し永瀬拓矢王座へ挑戦|棋戦トピックス|日本将棋連盟


挑戦者決定トーナメント

情報源:第69期王座戦挑戦者決定トーナメント


投了・インタビュー・感想戦・記者会見

3:45 投了
4:36 終局後のインタビュー
8:45 感想戦
39:00 記者会見




佐藤康光九段-△木村一基九段(棋譜中継

132手 2二玉まで、△木村九段 の勝ち



 

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