ふむ・・・
2021.4.4
この3月末を持って、将棋界も2020年度が終わった。これから年度の成績が発表され、数字部門のランキングや、年間の最優秀棋士を始めとする、選考部門での表彰が行われる。
特に強さのバロメーターとされる、勝ち星と勝率は、勝ち星が藤井聡太二冠と永瀬拓矢王座が44勝で同星。勝率1位は藤井が0・846でダントツの1位を決めた。
藤井はこれで、4年連続の8割越えとなる。初年度は藤井の当たった相手が、若手やCクラスが多かったので、一時の勢いと見ていた人も、最近は相手がトップクラスだけだから、価値がある。
歴代の勝率ベスト10の中に、藤井は中原誠16世名人、羽生善治九段と共に、2回入っているのも、本物の証拠だ。
また記録部門と同時に、この年度末、藤井に伝説となる一手が飛び出したことも話題となった。
以前にも触れたことがあるが、将棋界に詳しい人なら、一生の記憶に残る一手、伝説の一手を残せるのは、トップクラスでもほとんど生涯に一手か二手だ。
升田幸三実力制第四代名人の△3五銀、羽生の▲5二銀、中原の▲5七銀と言えば、あの手は感動したとすぐに思い出せる伝説の一手だが、藤井はこの若さでもはや複数持っているのである。
藤井の△7七飛成、△3一銀と言えば、AIを超えた手として有名だが、今回竜王戦で松尾歩八段相手に、相横歩取りのギリギリの終盤戦の中、タダで取れる飛車を取る前に、▲4一銀と王手に捨てる妙手が出た。
これは銀を犠牲に、相手玉を壁型にさせる一手で、いわば銀一枚で一手稼ぐ手なのだが、リアルタイムで見ていた棋士は、「この手を見られる時代に生きていて良かった」と感動したという。
同じプロでも、リアルタイムで見ていた棋士と後で並べて知った棋士では、大きく印象は違ってくる。後で棋譜で知った棋士だと「なるほど良い手だ」くらいにしか感じないが、検討しながら見ている棋士には驚愕の一手と感じるのだろう。
それにしても、藤井の将棋だけに妙手が潜んでいる訳はないので、妙手を発見する能力、すなわちたくさんのガラスの中から、本物のダイヤを瞬時に見分ける能力が、他の人と違っているのかも知れない。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】藤井聡太二冠の伝説の一手 「本物を瞬時に見分ける」他棋士と違う能力 (1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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— zakzak (@zakdesk) April 4, 2021
4一銀の検討は16分35秒あたり~
投了までの10分
https://www.youtube.com/watch?v=2jIdnfcIl6o
初手からの解説
https://www.youtube.com/watch?v=3ckG3aw9bCg
2組
情報源:第34期竜王戦 2組ランキング戦
▲藤井聡太王位・棋聖 vs △松尾歩八段(棋譜DB)
75手 7五桂打まで、△藤井聡二冠 の勝ち
ほぉ・・・
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