バックギャモンにも王位ってタイトルあるのか・・・
2021年2月28日 9時0分
史上初の東大卒将棋棋士として知られる片上大輔七段(39)は今月、ボードゲーム「バックギャモン」でグランドマスターの称号を獲得した。世界で3億人以上の人口を誇る盤上競技で日本人8人目の快挙を達成。日頃、勝負の世界に生きている片上七段は、趣味として楽しむバックギャモンについて「面白さでギャモンを超えるゲームはありません!」と断言する。魅力を聞いた。
日曜の昼下がり。愛好家が集う「赤坂バックギャモン道場」のドアの向こうには、対局室では絶対に見られない笑顔を浮かべる片上がいた。「ようこそいらっしゃいました~」。視線の先には、長細い三角形が計24本も描かれたスタイリッシュなボード。慣れた手つきでサイコロを振り、時には鋭い眼光を放ちながらゲームを楽しんでいた。
片上大輔さん、Grand Master獲得おめでとうございます! https://t.co/5XEfBze4gy
— 日本バックギャモン協会 (@JBS_Backgammon) February 8, 2021
Congratulations to Daisuke Katagami for earning the GM3 title! Newcomer Kengo Nakasuka achieves M1 title. Hiromichi Sugimoto upgraded to the M2 title. And Mochy… just being Mochy. pic.twitter.com/7HRL60hsA1
— Backgammon Masters Awarding Body (@bmab_official) February 8, 2021
片上が獲得したのはバックギャモンの世界団体「BMAB」が認定するグランドマスターの称号。大会の優勝など勝利によって得られるものではなく、複数の公式戦記録をコンピューターソフトで解析させ「最善手をいかに逃さなかったか」という技術で一定の数値をクリアした者にのみ贈られる指標である。「過去2年くらい目標にして取り組んできたので、うれしいですね。系統立てて勉強すれば成果を得られることが分かりました」。東大卒棋士らしい感想を口にした。
運の要素のない将棋という勝負に生涯をささげている男にとって、運の要素に運命を委ねられるゲームは愉悦以外の何ものでもない。奨励会三段時代の2003年頃に始め、06年と19年には「王位」のタイトルを得た。「正直言って面白さでギャモンを超えるゲームはないと思いますよ。将棋とは別もので、質が違いますよね。偶然性と実力のバランスが絶妙なんです。プレーすれば誰にでも勝てるチャンスはあります。常に最善を尽くせること、強くなるための道筋が明確に存在するのも魅力です」
プレーヤーを虜(とりこ)にし、数千年の伝来に導いた魔力は一発逆転のドラマである。「とにかく形勢が目まぐるしく動きます。将棋のAIの評価値で言うなら、一手ごとに揺れているような。みんな逆転劇の魅力に取りつかれますね」。そして、ふと実感のこもった声で言う。「勝敗に言い訳が利きますからね。将棋とは違って…やさしいですよ」
道場の片隅には、柔和なスマイルでプレーに興じる人がもう一人。将棋の十八世名人資格保持者である森内俊之九段(50)だった。実は世界選手権で4強入りしたこともある大棋士は「理性に基づいているゲームという意味では将棋と共通していますけど、先行きの見通しが立たないことと計算性の大切さが併存することが面白いですね」と白い歯をのぞかせる。
そして、片上―森内戦は始まる。2人とも笑顔を見せたり、対局時のように真剣になったり。熱戦の末、森内が勝利を飾った。片上は「今のゲーム、実はかなり珍しいことが起きてたんですよ。いや~楽しいですね~」と破顔一笑した。
サイコロの転がる音が続く中、棋士たちの穏やかな午後は過ぎた。(北野 新太)
◆世界ランク1位望月正行さん「運の要素を楽しんで」
現在の世界ランキング1位保持者兼2009年世界選手権優勝者のプロバックギャモンプレーヤー・望月正行さん「グランドマスターは世界に100人くらいしかいませんから、片上さんは将棋だけでなくバックギャモンでも棋士のレベルです。真面目に、かつ楽しんでいただいているのでうれしいですね。バックギャモンにおける最大の魅力は、どんな人にでも勝てること。私が将棋で片上さんに勝つことは絶対にありませんけど、私がバックギャモン初心者の方に5連勝するのはけっこう難しいです。運の要素を楽しんでほしいです!」
◆片上 大輔(かたがみ・だいすけ)1981年8月28日、広島市生まれ。39歳。森信雄七段門下。東大法学部3年時に四段(棋士)昇段。史上初の東大棋士(在学・卒業含む)として話題に。居飛車・振り飛車を指しこなすオールラウンダー。現在、藤井聡太王位への挑戦を目指す王位リーグに参戦中。新刊「令和新手白書【角交換振り飛車編・相振り飛車編】」(マイナビ出版)が発売中。
◆バックギャモン(Backgammon) 古代エジプトでツタンカーメンも好んだとされる「セネト」に原型を持つ世界最古のボードゲーム。日本には飛鳥時代に伝来し「盤双六(すごろく)」として流行。源氏物語や枕草子にも記述がある。1920年代に米国で現在のルールが整備された。競技人口約20万人の日本は強豪国で、今年1月の国別対抗戦でも世界一に。望月正行さん(42)、矢澤亜希子さん(40)ら世界選手権優勝者を輩出。囲碁の元名人・元本因坊の武宮正樹九段(70)も国内タイトル獲得者。
◆バックギャモンの基本ルール 対戦者の2人が自分の駒(チェッカー)15個全てを相手より早くゴールさせれば勝ち。サイコロを2個同時に振り、出た目の数だけ駒を進められる。相手の駒が2個以上ある地点(三角形の一つ)には置けないが、相手の駒が1個の地点に置くと、相手の駒を振り出しに戻せる(ヒット)。サイコロの目という偶然性をベースとしながらも、駆け引きや戦略性に富む。
情報源:【王手報知】東大卒棋士・片上大輔七段がバックギャモンのグランドマスターに「系統立てて勉強すれば成果を…」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:【王手報知】東大卒棋士・片上大輔七段がバックギャモンのグランドマスターに「系統立てて勉強すれば成果を…」 : スポーツ報知
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— スポーツ報知 (@SportsHochi) February 28, 2021
グランドマスター獲得は嬉しい出来事でしたが、記事にしていただけるとは思っておらず、二重の喜びでした。
どうもありがとうございました。— Daisuke Katagami (@shogidaichan) February 28, 2021
片上大輔さん、改めておめでとうございます! 氏は3月にできる一般財団法人 日本バックギャモン協会の評議員でもあります。 https://t.co/bulE2WO78m
— 日本バックギャモン協会 (@JBS_Backgammon) February 28, 2021
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