山口恵梨子 撮影/松山勇樹

“攻める大和撫子” 山口恵梨子女流二段「女流棋士になる道以外は考えたことがない」 | ENTAME next – アイドル情報総合ニュースサイト

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2021/01/13

山口恵梨子 撮影/松山勇樹
山口恵梨子 撮影/松山勇樹

「攻める大和撫子」の異名を持つ女流棋士・山口恵梨子女流二段。ネットの将棋番組でのMCや解説の聞き手、自身のYouTubeチャンネルを開設するなど、普及活動に熱心でファンの多い女流棋士である。今回、初となる自身のエッセイコミックを刊行した山口女流二段に、女流棋士の世界や将棋界の話を聞いた。(2回連載の2回目)──山口女流二段は小学校6年生で女流育成会に入り、高校1年生16歳で女流棋士になられましたが、もし別の人生を歩んでいたら何をしていたんでしょうか。

山口 うーん。棋士は普通の職業に比べて、結構自由なんですよね。対局さえこなせば、ダブルワークもありなので、実際にしている棋士もいますし。たとえば、星野良生五段はゲーム会社に就職されていますし、休場されていますけど学者の棋士の方もいます。私は将棋を始めた6歳の頃から女流棋士となると決めていましたし、なろうと思えば女流棋士をしながらでも他の仕事ができるということもあって、女流棋士のほかには考えたことがないかもしれません。

──挫けそうになったことはなかったですか?

山口 6歳という比較的早い年齢から始めたので、いつかは女流棋士なれると当時は思っていて。でもなかなか勝てなくて、なれそうでなれず……。普通にやっているだけではダメで、本当に真剣にやらないとダメなんだと気が付き、自宅にいる時間はもちろん、学校の行き帰りや授業中など、すべての時間を将棋に費やすようになりました。

──やはり、プロの棋士になるには本気の覚悟が必要だったんですね。その後、将棋界に入って、他の女流棋士とのプレイベートでの交流などはありますか。

山口 めちゃくちゃありますよ(笑)。みんな仲良しなので。女流棋士や棋士は基本子どもの頃から一緒にいる人が多く、もう何十年来の仲なんです。私の中で女流棋士はみんな親戚みたいな感じというか。もちろんライバルではあるんですけど。

──気の置けない仲なんですね。

山口 むしろ私の場合、年配の男性棋士の先生に気を遣わなさ過ぎて、周りの人やファンから怒らたりするくらいですね(笑)。子ども教室でお世話になった先生たちはもう親戚みたいなものなので、肩を叩いてしまったり、フランクに話したり。以前、番組の中で深浦康市九段に携帯電話を持たせてしまったことがあったんですけど、放送後に父親から「あれは先生に失礼だろう」って怒られました(笑)。

──特に仲の良い棋士はいますか?

山口 藤田綾さん(女流二段)はすごく尊敬しています。仕事がずっと一緒だった時期があって、人柄もいいですし、将棋番組の収録も全部一発撮りでOKを出されていたんですよ。努力されているんだけど、努力を人に見せないとろこがすごいですね。

──女流棋士ならではの悩み、また喜びなどありますか?

山口 依頼されて受ける仕事なので、仕事がいつなくなるか分からないのが悩みですね。会社員ではないので固定給でもなく、収入面はかなり不安定なんです。逆に楽しいことは、自分のやったことはすべて自分に返ってくること。周りからの評価だったり自分自身の成長だったり。棋士をしている理由はやっぱり将棋が好きだからというのが一番で、将棋の楽しさを人に伝えるスキルを身に付ければ、いくつになっても普及の仕事はできると思っています。30代40代になって、対局でも普及でも今までの経験を活かしていきたいですね。

──これから女流棋士の将棋を観たいと思っている人に、おすすめの棋戦などはありますか。

山口 男性棋士の順位戦に当たるヒューリック杯白玲戦が昨年から始まりました。全女流棋士が参加して順位ごとにランク分けされているので分かりやすいです。また、今年から女流名人戦がYouTube配信する予定なので、そちらも観戦しやすいと思います。

──注目の女流棋士はいますか?

山口 やっぱり、現在トップの里見香奈女流四冠と西山朋佳女流三冠(奨励会三段)のお2人ですね。私個人としては、加藤桃子女流三段、伊藤沙恵女流三段、渡部愛女流三段、鈴木環那女流三段、山根ことみ女流二段の将棋に注目しています。見ていて勉強量が多いなと感じられる将棋が好きなんです。あと個性も違いますし、関東所属の棋士と関西所属で棋風が違うので見比べても面白いかもしれません。

──女流棋士ならではのポイントはありますか?

山口 育児中の女流棋士は他の棋士より勉強時間が取れないので、そういった中でどういう勉強をして勝とうとしているとか、また別の棋士は将棋の終盤に特化しているとか、いろいろな面を見て掘り下げてもらいたいですね。

──女流棋士の将棋も男性棋士に負けない面白さがあるということですね。

山口 男性と女性で男性の方の棋力が高いとなっている以上、男性のトップ棋士が日本のトップになるので、そちらに注目が行くのは当然だと思います。これは将棋ファンの目線になりますが、女流棋士がもっと注目されるには、これから先、女流棋士が男性棋士に勝てるかどうかにかかっていると思います。

──現在、西山朋佳女流三冠が奨励会で男性棋士と戦っていますね。将棋界ではAIソフトを活用が広まっていますが、山口女流二段は将棋の勉強にAIは活用されていますか?

山口 もちろん! 以前の将棋界は、強い人に教わることで強くなっていったので、コミュニケーション能力が必要だったり、エリートである程度強いと認められないと強い人に教えてもらえないケースもありました。しかし、みんながAIソフトを使えるようになるとそういったことも関係なくなりますから。

──それは男女関係なく?

山口 はい、女流棋士としては環境的には強くなれるチャンスだと思います。

──今後の目標などありましたら教えてください。

山口 そうですね。西山朋佳女流三冠や里見香奈女流四冠などのトップ女流棋士に勝つことが目標です。その方たちがすべての時間を将棋に費やしているので、自分も同じくらい将棋に時間を費やさないと一生勝てないなと。そろそろ普及活動をセーブして、対局に専念しなければならないかと思っています。今後は対局でファンの皆さんを楽しませたいですね。

(取材・文/中村佳太)


山口恵梨子(やまぐち・えりこ)
1991年10月12日生まれ、鳥取県出身。堀口弘治七段門下。日本将棋連盟所属の女流二段。激しい攻め将棋の気風から“攻める大和撫子”の異名を持つ。

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