新春対談・盤上に夢描く 藤井聡太二冠-西山朋佳三段

新春対談・盤上に夢描く 藤井聡太二冠-西山朋佳三段

正月2部に載ってた。



将棋の高校生プロ、藤井聡太王位・棋聖(18)は2020年、最年少で二冠に輝いた。21年は新たなタイトルの獲得を狙う。一方、女流棋戦でも活躍する西山朋佳三段(25)はプロ棋士養成機関の奨励会に在籍、女性初の棋士を目指している。令和の新たな時代にさらなる飛躍を期す2人が、大きな目標へ向かって走りだす。

将棋新時代へ

西山朋佳三段 x 藤井聡太二冠

―2人は206年に奨励会三段リーグの最終戦で対戦。藤井聡太さんが西山朋佳さんに勝ち、最年少でのプロ入りを決めました。

藤井 自分の作戦がうまくいって、よく指せた一局でした。

西山 完敗ではっきり力負けでした。

藤井 終局後、西山さんに「おめでとう」と言っていただいた。うれしかったです。

西山 歴史的なことだったので、最初に祝いしたのを覚えています。

―お互いの活躍をどう思いますか。

藤井 西山さんの将棋は豪快さだけでなく、手厚さ、粘り強さも増している。自分にないものをもっている。

西山 藤井二冠は少年少女のシンボル。すごい存在。他の棋士が見えない手を指して勝つことが多いので、観点が新しいタイプの棋士ですね、

―20年はどういう一年でしたか。

藤井 初めてのタイトル戦となった棋聖戦では精一杯指そうと思って挑んだ。結果が出たのは運が良かったです。

西山 3月に三段リーグで3位の14勝(4敗)でしたが、あと一歩で棋士になれず残念。一番頑張ったので、その時は奨励会を辞めて新しい道を考えていた。でも、今はやらないといけないとと思います。

藤井 最近、自分の将棋は早い段階で形勢を損ねることが少なくなった。いい一年でした。

西山 女流タイトルの防衛戦を経験し、挑戦する側と違うと感じた。学んだことが多い年でした。

さらに実録高め大舞台へ
女流防衛戦で精神的成長

藤井 タイトル戦の防衛で何か、アドバイスがあればお願いします。

西山 あるものがなくなるって怖くないですか。相手は一世一代の戦いなので執念を感じました。

藤井 確かに挑戦者には勢いがある。防衛する側もそれくらいの気迫がないと、ということでしょうね。

西山挑戦者の気持ちですね。

―将棋の勉強法は

藤井 他の棋士とも研究会をしていないので、AI(人工知能)を使って自分の将棋を改めて考え直すことが多いです。

西山 私は逆に研究会を増やすようにしています。実際に指して本番の感覚に慣れることを重視しています。

―息抜きは。

藤井 基本的に息を抜いて生活しているので(笑)。将棋を見る事詰め将棋を解くことは勉強というより、趣味でやっています。

西山 ゲームや(動画投稿サイトの)ユーチューブを見る事です。

藤井 どういうゲームをやるんですか。

西山 ホラーが好きです。対局の終盤に動じなくなります。

藤井 精神力が鍛えられますね(笑)。

―21年の目標は。

藤井 さらに実力を高めて、タイトル戦とか大きな舞台での対局を増やせるようにしたい。

西山 防衛戦は精神的な成長につながりました。目標の棋士に向け(三段リーグで)14勝できた頃の感覚を取り戻して頑張りたい。

女性初の棋士へ勝負の年
「10代三冠」の快挙なるか

歴史的な快進撃を続ける藤井聡太二冠は今年、どのようなドラマを見せてくれるだろうか。「藤井時代」と本格的な幕開けへ向け、一層注目を集めるのは間違いない。

将棋界の顔、羽生善治九段は22歳で三冠となった。7月で19歳を迎える藤井二冠は果たして「10代三冠」の快挙を達成できるのか。そして、タイトルをさらに増やせるか。

以前は序盤に難点があったが、現在はそれを克服。加えて終盤の読みに磨きがかかっている。規制を奪われた渡辺明三冠(名人・棋聖・王将)も「差す手の精度が抜きんでている。タイトル戦で勝てるイメージがわかない」と語る。現役最強といわれる渡辺三冠も脱帽するほどだ。

本人はいつも自然体。「将棋が強くなることが第一」を心掛け、ひたむきに無心で盤に向かう。謙虚な姿勢も大きな財産だ。

西山朋佳三段は夢に挑む年となる。昨年は棋士への最終関門、三段リーグで好成績を挙げながら惜しくもプロ四段を逃した。その悔しさを良き糧にできるか。

振り飛車戦法を得意とし、豪快で鋭く踏み込む棋風が高い評価を得ている。

トップ棋士の指導を仰いで実力を蓄え、男性棋戦でも並み居る棋士を何度も圧倒してきた。

奨励会入会から10年が過ぎた。才能に甘えることなく、研さんを積んできた。女性初の棋士誕生を将棋界は待ち望んでいる。

情報源:新春対談・盤上に夢描く 藤井聡太二冠-西山朋佳三段



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