ふむ・・・
2020年11月30日 16時30分
将棋のトップ棋士が、ここのところ下火になっていた戦法「横歩取り」を採用するケースが相次いでいる。タイトル戦を始めとする大勝負でも指され、注目が集まっている。なぜ風向きが変わったのか。
7月19日に名古屋市で指された叡王戦第4局。後手の永瀬拓矢叡王(当時)が選んだ作戦は、横歩取りだった。他の棋士も含めて、タイトル戦での登場は約1年ぶり。熱戦の末、永瀬が挑戦者の豊島将之竜王を破った。
9月12日。東京都渋谷区で行われた将棋日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦で、後手の豊島が藤井聡太二冠に横歩取りをぶつけた。豊島が後手で横歩取りを指すのは約2年ぶり。「やられた作戦を自分がやってみる」のは将棋界でしばしばあることだが、これが功を奏し、豊島が勝利を収めた。
■藤井二冠には鬼門
藤井は同22日、東京・将棋会館での王将戦の挑戦者決定リーグ戦で羽生善治九段と対戦。横歩取りに持ち込んだ後手の羽生が勝った。藤井は今年度、横歩取りの戦いで2勝3敗(全て藤井が先手)。鬼門の戦型になっている。
横歩取りは後手が誘導する作戦。先手が2四の飛車で3四の歩を取った時に、後手が3三角型に構える形が一般的だ。飛車や角、桂馬が派手に飛び交う展開になりやすい点が特徴だ。
ただ、青野照市九段が先駆けとなった「青野流」の登場が流れを変えた。従来、先手は3四の飛車を3六~2六と立て直す指し方が多かったが、青野流は、飛車を3四に置いたまま左右の桂馬で速攻を仕掛ける。これが優秀で、横歩取りが減る一因になった。青野流は2018年、優れた新戦法などに贈られる升田幸三賞に選ばれた。
では、横歩取りが最近、また指されているのはなぜか。後手でこの戦法を得意としている飯島栄治七段によると、先手の速攻を封じる手法が認知されるようになったためだという。
ポイントとなるのは、先手が▲5八玉と中住まいに構えた図の局面。ここで△5二玉、△8二飛などの手が考えられるが、今年に入って△4二銀という手が多く指されるようになった。先手が▲3六歩~▲3七桂として▲4五桂の速攻を目指してきても、5三の地点を事前に守っている意味がある。さらに△2二歩と打てば、先手から2二に歩を打たれる隙がなくなる。先手の速攻がなければ、安心して駒組みができるというわけだ。前述の豊島―永瀬戦、藤井―豊島戦、藤井―羽生戦では、全てこの△4二銀が指された。
3月以降、この手を度々指している飯島は「図の局面で選択肢が三つあるのは大きい。相手は事前に研究しづらくなる」と言う。ただ、「相手の速攻を防いでも、消極的になりやすい形なので、その後の駒組みに苦労する。指しこなすのは難しい」。
飯島は、喫茶店でメモを取りながら将棋の作戦を練ることがあるという。常にテーマとなっているのは、「いかに青野流と戦うか」だ。「日々、青野流対策を考えながら生きている。もう15年以上悩まされている。恐ろしい戦法だと思う」
■結論は「先手良し」か
今後、横歩取りはさらに指されるようになるのか。10月の藤井戦(B級2組順位戦)などで、後手番での横歩取りを採用した村山慈明七段は「事前の研究が生きれば、後手が有利に戦えることもある。しかし、研究がさらに進めば、『先手良し』の結論に落ち着くと思う」と分析する。(村瀬信也)
情報源:永瀬も豊島も羽生も、横歩取り トップ棋士が相次ぎ採用、タイトル戦にも:朝日新聞デジタル
村)下火だった横歩取りが、また指されています。後手番で得意としている飯島七段と研究家の村山七段に聞きました。飯島七段がよく指している「ある手」が注目されているようです。
永瀬も豊島も羽生も、横歩取り トップ棋士が相次ぎ採用、タイトル戦にも:朝日新聞デジタル https://t.co/re59a1qmRe— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 30, 2020
村)飯島七段、ありがとうございました。取材の後に竜王戦第4局と、飯島七段自身の対局で横歩取りのこの形になって、タイミングがピッタリでした。 https://t.co/qcXCI8Ji0E
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 30, 2020
今日の朝日新聞夕刊で横歩取りの記事にコメントしています。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/4o2SpZb0WE
— 飯島栄治 (@eijijima) November 30, 2020
ほぉ・・・
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