ほぉ・・・
2020年8月31日 16時30分
第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)は、挑戦者だった渡辺明名人(36)=棋王・王将とあわせ三冠=が、前名人の豊島将之竜王(30)を4勝2敗で破った。2000年のプロデビューから初の名人挑戦でタイトルを奪取したシリーズを、渡辺名人に振り返ってもらった。
■苦しかった第3局
――第1局は後手番角換わりで勝利。第2局は相懸かりの激しい将棋で、劣勢から追い上げましたが、敗れました。1勝1敗で第3局を迎えました。
矢倉風の力戦将棋になりましたが、序盤が軽率でした。仕掛けを与えて、2日制の将棋としては苦しくなるのが早すぎました。その後は終盤までずっと苦しかった。相手が簡単な手を逃したので、逆転直前まで行きましたが、踏みとどまられましたね。ただ中終盤は負けをはっきり読み切れていたので、そこは好材料だとは思いました。
■強気奏功の第4局
――第4局は先手番で矢倉脇システムでした。
互いに玉が入城する定跡形は相手も用意してきているので、1筋の位をとって通常の形からちょっと外すのが作戦でした。先手ペースだと思っていましたが、そうでもなかった。
終盤で△7七銀(82手目、図1)に▲7七同桂の方が正しいと思いますが、▲7七同金で強く勝負にいったのが、結果的に功を奏しました。微妙なあやがある場面でした。
■流れ好転の第5局
――第5局は力戦型。序盤で△4二飛(22手目)と回りました。
前々から考えていた形。ただ、封じ手あたりはきついなと思っていました。▲8二飛に6二の玉を△7三玉(94手目、図2)として流れが傾きました。竜を攻めていればいい展開になり、分かりやすくなった。1日目から苦しかったので、こういう将棋を勝てるのは大きい。七番勝負で決定打になってもおかしくない勝ち方でした。
■勝機捉えた第6局
――第6局は先手が矢倉で後手は急戦矢倉でした。
8四歩型が珍しく、マークしていなかった。序盤で主導権を握られ、一本とられた感じでしたが、封じ手の後に気づいた▲5三歩(73手目)がいいタイミングで、後手が攻めてきたらピッタリではないかと思いました。
――勝利が近づいて、どんな気持ちでしたか。
2日目の午前中から優勢を意識し始めました。でも逆に困ってきた。勝ちの変化しかなく、もし間違えたら「時間があるのになに間違えてんの」となる。普段だったら同じ変化はそんなに読まないけど、何度も確認しました。すっぽ抜けたら一生後悔する。そういう恐怖と戦っていた。
■是が非でも、1期で終われぬ
――改めて名人を獲得しての気持ちを。
キャリアを積み重ねてきて、名人戦には縁がないと思っていました。1回でも名人になれたという事実は自分としては大きい。ただ例年よりも在位期間が2カ月ぐらい減って、余韻に浸っている間がない。是が非でも1期では終われない。1月からは王将戦なので、楽しんでいる場合じゃないなと思っています。(村上耕司)
情報源:「間違える恐怖」と戦った最終局 将棋・渡辺明名人、七番勝負を振り返る:朝日新聞デジタル
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第79期名人戦・順位戦 七番勝負/A級
- 名人戦棋譜速報│将棋・名人戦順位戦棋譜速報サイト
- 名人戦棋譜速報(@meijinsen)さん | Twitter
- 第78期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
へぇ・・・