第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負を制し、清麗2連覇を達成した里見香奈清麗=18日、東京・千駄ケ谷の将棋会館(日本将棋連盟提供)

里見清麗が上田女流四段に勝利し清麗を防衛|第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第5局

146手 4八銀打まで、△里見清麗 の勝ち


2020.8.18 19:30

第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負を制し、清麗2連覇を達成した里見香奈清麗=18日、東京・千駄ケ谷の将棋会館(日本将棋連盟提供)
第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負を制し、清麗2連覇を達成した里見香奈清麗=18日、東京・千駄ケ谷の将棋会館(日本将棋連盟提供)

将棋の里見香奈清麗(28)に上田初美女流四段(31)が挑戦していた第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負(ヒューリック主催)の第5局が18日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、後手の里見清麗が146手で勝ち、対戦成績3勝2敗で2連覇を達成した。

里見清麗は島根県出雲市出身。森●二(けいじ)・九段門下で平成16年、中学1年生で女流棋士としてプロデビューした。清麗初防衛で、女流名人、女流王位、倉敷藤花と併せて4冠を維持。獲得タイトルは通算41期となった。上田女流四段の清麗初奪取、通算3期目のタイトル獲得はならなかった。

終局後、里見清麗は「(2連勝から2連敗で)第5局になって流れは悪かったが、結果が残せたのはいい経験になった」と今シリーズを振り返った。

一方の上田女流四段は「2人目の子供が生まれて初めてのタイトル戦で、調整の難しさを感じた。タイトルに挑戦できるコンディションではなかったが、(2勝3敗の惜敗で)やはり悔しいですね」と、絞り出すように語った。

情報源:将棋の清麗戦、里見が2連覇 「流れは悪かったが結果は残せた」(産経新聞) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:将棋の清麗戦、里見が2連覇 「流れは悪かったが結果は残せた」 – 産経ニュース


2020年8月18日 21時17分

里見香奈清麗(日本将棋連盟提供)
里見香奈清麗(日本将棋連盟提供)

将棋の第2期清麗戦5番勝負の最終第5局が18日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、後手の里見香奈清麗(28)=女流名人、女流王位、倉敷藤花=が挑戦者の上田初美女流四段(31)に146手で勝ち、対戦成績3勝2敗で初防衛を果たした。

里見の開幕2連勝の後、上田が2連勝を返して最終局までもつれ込んだシリーズ。再び激闘となったが、最後の最後で正着を続けた里見が白星をさらった。両者は2012年度、16年度の女流名人戦5番勝負でもフルセットの激闘を演じており、いずれも最終第5局は将棋大賞の名局賞特別賞を受賞している。

女流棋界屈指の「激闘カード」を制し、連覇を飾った里見は「(連敗で)流れは悪かったのですが、結果を残したことに関しては、良い経験だったのかな、と思います」とシリーズを振り返った。名勝負を続けている上田については「上田さんは出産を経て大変な中で調整をされていたと思いますが、時間も少ない中ですごく勉強されているんだな、と実感しました」と敬意を口にした。

タイトル獲得は通算41期目。清水市代女流七段(51)が持つ史上最多の43期に残り2期と迫ったが「タイトル数はあまり気にしていないです。もう少し力をつけていかないと」と自然体だった。

会見で、話題豊富な最近の将棋界について聞かれると「藤井(聡太)棋聖はもちろんですが、個人的に(15日に新名人となったばかりの)渡辺(明)先生の将棋が好きで、名人戦も観戦しながら勉強させていただき、自分も少しでも精度の高い将棋を指せればと実感しました」と第一人者に刺激を受けた様子。「感想戦を見るのが好きで、すごく分かりやすいんです。形勢判断がハッキリされているので自分の理想です」

ここまで話した後、偶然にも渡辺新名人が記者室で本局を検討し、里見の終盤の指し手を評価していたことを聞かされると、顔が真っ赤に。「その直前までだいぶひどいことになってしまっていたので、勉強し直したいです」と語っていた。

〇…上田女流四段は惜しくも清麗奪取ならず。8年ぶりのタイトル獲得とはならなかったが、最後の最後まで王者を追いつめた。局後は「2人目(次女)が生まれてから初めてタイトル戦を戦うことになりましたが、調整の難しさを感じました。世の中的にも大変な時期で、きちんと準備するのはなかなか難しかった」と回想。3、4局と連勝して踏みとどまったことについては「ちょっとずつエンジンがかかってきて、今の自分で2連勝したのは上出来かもしれませんが、タイトルに挑戦できるコンディションではなかったです。実力不足は分かっていましたけど、悔しいです」と話していた。

情報源:将棋の里見香奈清麗が防衛、最終局で上田初美女流四段を退ける「渡辺明新名人の将棋が理想です」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュースコメント

情報源:将棋の里見香奈清麗が防衛、最終局で上田初美女流四段を退ける「渡辺明新名人の将棋が理想です」 : スポーツ報知


里見清麗が防衛

146手まで、里見清麗が勝ちました。終局時刻は18時36分。消費時間は両者4時間を使い切りました。五番勝負第5局を里見清麗が制し、対戦成績3勝2敗でタイトルを防衛しました。里見清麗の清麗位獲得は2年連続2期目、通算タイトル獲得数は41期となっています。

情報源:ヒューリック杯清麗戦中継ブログ : 里見清麗が防衛


終局直後

(終局直後)

(里見清麗は最終局を制す。清麗戦の初防衛に成功した)

(敗れた上田女流四段。フルセットに持ち込んだが、奪取はならなかった)

【終局直後インタビュー】

――里見清麗から伺います。本局を振り返ってください。

里見 こちらから変化する形になったんですけど、一手一手が難しくて、結構自分が本線に読んでいた以外の手を指されることが多くて、時間を使う展開になったんですけど。実戦的に難しくは指せていたかなと思います。

――手ごたえはどのあたりで?

里見 飛車を取られたんですけど、小駒を手にできてよくなったのかなと思っていたんですけど。本譜はちょっとなんか危険な順に飛び込んでしまったかなと思うので、そこらへんは逆転されていたのかなと思います。

――△7五飛と馬を取ったあたりがポイントだったんですね。

馬と飛車を刺し違えたあたりはいいのかなと思っていたんですけど、そのあとは間違えてしまって。最後の最後は勝ちになったかなと思いました。△3七歩成でちょっと残しているかなと思いました。

――上田女流四段にも伺います。中飛車に対して、予定通りの作戦でしたか。

上田 そうですね。

――中盤の手ごたえはいかがですか。

上田 難しいですねぇ。やっぱり結構、神経を使う将棋なので。序中盤で明確に指しやすいと思った局面はほとんどなかったですね。途中ははっきりだめかなと思ったんですけど、端の戦いで少し難しくなったかなと思いましたねぇ。

――終盤はどうでしたか。

上田 逆転したと思ったんですけど、あっちの玉は結構広いので。△3三香と打たれて、分からなくなりましたね。

――シリーズ全体を振り返ってください。

里見 1、2局目は割とよい形で連勝できたんですけど、3局目はうまく粘って難しくできたところで自分から崩れてしまって、4局目はちょっと自分のなかで不自然な手を指していたので、調子自体はよくないのかなと感じていたんですけど。ただ今日は、内容的にはたくさんミスをしてしまったんですけど、挑むにあたっては4局目から割と空いていたので、気持ちを切り替えてできたところはあります。

――清麗を2連覇、防衛したことについて。

里見 3局目以降、不出来な将棋が多かったので、もう少し力をつけないといけないなと実感しています。

――よい結果が出たわけですが、プラスに思ったところは?

里見 第5局になって流れは悪かったですけど、結果を残せたことに関しては自分によっていい経験ができたかなと思います。

――上田女流四段にとって、本シリーズはいかがでしたか。

上田 子どもが2人生まれてから初めてタイトル戦を戦うことになったんですけど、調整の難しさを感じましたね。結構世の中も大変な時期で、始まるまでに自分のなかできちんと準備するのがなかなか難しい状態ではあったんですけど、番勝負が始まってちょっとずつエンジンがかかってきた感じですかね。

――結果は残念でしたが、今後に向けての感想をお願いします。

上田 いまの自分の状態を考えれば、2連勝できた時点で上出来だと思うんですが。挑戦できるコンディションではなかったので、実力不足なのは分かっていたんですけども、やっぱり最後、悔しいは悔しいですよね。

情報源:ヒューリック杯清麗戦中継ブログ : 終局直後


記者会見

感想戦終了後、里見清麗による記者会見が行われました。

――改めて、防衛を果たした心境をお願いします。

里見 第5局まで来てしまったのですが、なんとか結果を出せてほっとしています。

――コロナ禍の影響などもあって、日程の変更などもあったと思いますが、そのあたりも含めて、今回はどんな五番勝負でしたか。

里見 五番勝負が開催できるかわからない状況でしたので、開催が決まったときは対局できるという喜びを感じていました。大変な状況ではありましたが、自分にできることを精一杯できたらいいなと思っていました。

――対戦相手が上田女流四段で、これまでもタイトル戦で戦ったことがある相手ですが。改めて今回対戦して、どんな印象を持たれましたか。

里見 後手番のときは同じような形になりましたが、先手番では相振り飛車など新しい形もありました。上田さんは、将棋を指されるときは、自信を持って指されているように実感していました。

――後手番では中飛車が続きましたが、そこにはどのような気持ちがありましたか。

里見 第4局から今日まで少し時間がありましたので、どの戦型にするのか悩んではいたんですが。違う形にもしようかと思いましたが……、最終的には同じ形になって、自分から手を変える形になりました。そんなに深くは研究していなくて、持ち時間の中で考えて、力を出せればと考えていました。

――今回タイトルを防衛して、通算で41期となって、清水市代女流七段の記録にあと2つに迫りました。そのあたり、ご自身では意識されたことはありますか。

里見 自分のタイトル数はあまり気にはしていなかったのですが、それだけの結果を残せたということは嬉しいと思います。ですが、同時にもう少し力をつけて頑張っていかないといけないなということも、強く感じています。

――将棋界では、渡辺明新名人が誕生したり、藤井棋聖の誕生など、話題になることが多かったですが、何か刺激を受けることはありましたか。

里見 藤井棋聖の活躍はもちろんですが、個人的には渡辺名人の将棋が好きで、名人戦も観戦していましたが、ああいった精度の高い将棋が指せるようになれればなと思っています。

――渡辺名人の将棋の魅力というのはどのあたりでしょうか。

里見 渡辺名人の感想戦を見るのが凄く好きで。凄くわかりやすいというか。形勢判断が常にはっきりされているなということを感じます。わからない局面の中でも、自分の方針を決めて、ああいった形勢判断ができるようになりたいと思っています。

――実は、今日は渡辺名人が記者室に来られていて、本局の検討を最後までされていました。△7五角(136手目)が決め手で素晴らしい手だと言っていましたが、ご自身ではいかがですか。

里見 その前がだいぶひどいことになっていまして。はっきりした決め手を逃がして、焦って間違えて逆転されてしまった場面がありましたので。△7五角と出たところで少し残しているのかなとは思いましたけど。時間がなくなってからの終盤があらためて課題だなと思いました。

(渡辺明名人が里見の終盤を「キレてる」と評したことを聞かされて、里見清麗は照れ笑いを浮かべた)

以上で第2期清麗戦の中継を終了します。ご観戦いただき、ありがとうございました。

情報源:ヒューリック杯清麗戦中継ブログ : 記者会見


里見香奈清麗に上田初美女流四段が挑戦する第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第5局が8月18日(火)に東京・将棋会館で行われ、里見清麗が146手で上田女流四段を破り、五番勝負の成績を3勝2敗として、自身初の清麗防衛を決めました。里見の清麗獲得は通算2期となります。

詳しくは、清麗戦中継サイト日本将棋連盟ライブ中継をご覧ください。

情報源:里見清麗が上田女流四段に勝利し清麗を防衛 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負第5局|将棋ニュース|日本将棋連盟





上田初美女流四段 vs △里見香奈清麗(棋譜中継棋譜DB

146手 4八銀打まで、△里見清麗 の勝ち



 



最後はキッチリ防衛成功。