対局を振り返る藤井聡太・現棋聖(左)と金井恒太六段。約14時間の熱戦だった=2019年8月、東京都渋谷区

(大志 藤井聡太のいる時代)奮闘編:1 長考、長考で14時間 見事に決めた返し技:朝日新聞デジタル

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2020年8月2日 5時00分

対局を振り返る藤井聡太・現棋聖(左)と金井恒太六段。約14時間の熱戦だった=2019年8月、東京都渋谷区
対局を振り返る藤井聡太・現棋聖(左)と金井恒太六段。約14時間の熱戦だった=2019年8月、東京都渋谷区

将棋の公式戦は通常、午前10時に始まる。持ち時間が長いと1日がかりになることもある。2019年8月6日にあった、第78期将棋名人戦・C級1組順位戦3回戦の一斉対局。持ち時間は、1日制最長の各6時間。東京・将棋会館で行われた藤井聡太・現棋聖(18)の一戦は、14時間近くの熱戦になった。

相手は、18年に叡王戦でタイトル戦に出場した実績を持つ金井恒太六段(34)。金井は事前に先手番と決まっていたため、どうすれば主導権を握れるかを考えた。選んだ戦型は、飛車や角が飛び交って派手な戦いになりやすい「相懸かり」だった。「藤井さんの本命の戦型ではなかったと思います」

一つのミスが命取りになりかねない展開。金井が23手目に1時間47分の長考を記録すると、藤井も26手目に1時間32分考えて、夕食休憩の時点で28手しか進まない超スローペースの戦いになった。リードを奪った藤井が踏み込みを欠き、終盤は金井が押し気味に進めていた。

藤井が72手目を指した局面。共に持ち時間を使い切り、1手1分未満で指す「1分将棋」になっていた。「何か、いい手はないのか」。金井は次の手を必死に考えたが、妙案は浮かばない。腹をくくって攻めたが、見事な返し技を決めた藤井が勝った。終局は午後11時48分。藤井にとって、順位戦では最も決着が遅い対局となった。

対局後の感想戦をするうちに日付が変わったが、2人は熱戦の余韻を楽しむかのように盤面に向かい続けた。退室して、「夏休みの宿題はあるんですか」と金井が尋ねると、藤井は「結構あるんですよ」と苦笑いした。「対局で忙しいのに、まだ高校生なんだなと思いました」と金井は振り返る。

数日後、藤井は福岡で公式戦に臨んだ。=敬称略(村瀬信也)

◆「大志」は2週休みます。次回は8月23日です。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)奮闘編:1 長考、長考で14時間 見事に決めた返し技:朝日新聞デジタル



▲金井恒太六段 vs △藤井聡太七段(棋譜DB


 


へぇ・・・