中原16世名人　藤井最年少タイトル獲得に「令和を代表する棋士になるのは間違いない」

110手 4一桂打まで、△藤井聡七段の勝ち
棋聖奪取成功、藤井聡太棋聖誕生

2020年7月17日 05:30

中原誠16世名人

◇藤井棋聖誕生　史上最年少タイトル獲得（２０２０年７月１６日）

藤井が最年少タイトル獲得記録を更新したことに、昭和のレジェンド・中原誠16世名人（72）は「凄い大記録だ」と喜んだ。今棋聖戦は主にネット中継で観戦しており、藤井の戦いぶりをチェック。「内容もよかったし、落ち着いて指していた。大したものだ」と10代の天才を絶賛した。さらに戦いぶりは「見ていて面白い将棋だった。意外性もあるし、異次元の手もあるので、こちらがへぇと感心させられる場面もあった。かと思えば年齢の割に妙に渋い手を指すこともあるし…」とレジェンドをも魅了する将棋だったことを明かした。

塗り替えられた記録は、90年の棋聖戦挑戦者の屋敷伸之九段（48）のもの。屋敷の相手が当時棋聖の中原だっただけに、30年ぶりの記録更新に感慨深いものがあるようだ。さらに“現役最強”の渡辺からの奪取だけに、藤井が最強かと聞くと「それはちょっと褒めすぎ」と笑い「令和を代表する棋士になるのは間違いない。戦えば戦うほど強くなるので、いろいろな経験をしてほしい」とエールを送った。

情報源：中原16世名人　藤井最年少タイトル獲得に「令和を代表する棋士になるのは間違いない」（スポニチアネックス） – Yahoo!ニュース（コメント）

情報源：中原16世名人　藤井最年少タイトル獲得に「令和を代表する棋士になるのは間違いない」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

2020年7月17日 8時0分

７６年１２月、中原誠名人（左）と対局する長嶋茂雄監督（右）

藤井聡太新棋聖の快挙を受け、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（８４）＝報知新聞社客員＝がお祝いのメッセージを寄せた。ミスターと対局経験のある中原誠十六世名人（７２）は、型にはまらない１７歳の強さを「異名がいらない」と表現した。

新しい後継者の誕生に、中原十六世名人は「驚きましたね」と率直な感想を語る。「実はもっと早くタイトル戦には登場すると思っていて、意外に時間がかかったなあ…という思いもありますけど、実際にタイトル獲得となると驚きます」

５５歳年下の若者が刻む棋譜に関心を寄せている。「藤井さんの将棋は面白いからつい見てしまいますね。ＡＢＥＭＡの中継を全部…じゃないですけど、適当には見ていますよ。引退してますから興味本位ですけど、真剣に見始めてしまうと…くたびれます」。棋士としての魂を刺激される。

主な棋士の異名・代名詞

獲得１６期を重ねた棋聖は縁の深いタイトル。１９６７年度に山田道美棋聖に初挑戦し、敗れた。「私も最初はスーツでした。着付けの練習もできなくて。最初はタイトル戦の雰囲気に慣れるのも大変でしたよ」。翌年、再び山田棋聖に挑んで２０歳で初タイトルを獲得した。「後輩は楽なんです。先輩の棋譜は修業時代から頭に入っているし、ぶつかっていける。初防衛戦は（２４歳上の）大山先生（康晴十五世名人）でしたけど、ものすごくやりにくかったはずですよ」。８９年には逆に２４歳下の屋敷伸之九段（当時１７歳）の挑戦を受けた。「何を考えているか分からないし、闘志が…湧かないんです」。そして、棋聖位は屋敷九段の３０歳下の１７歳へと継承された。

奇をてらわない指し手を重ねる王道の棋風は「自然流」と称された。藤井にふさわしい異名はあるのだろうか。「考えてみたのですが、浮かびませんでした。若くして落ち着きと冷静さがあり、弱点が見当たらない。大山先生や羽生（善治九段）さんにも言えることですが、異名はいらないでしょう」。将棋の歴史においてどのくらいの棋士になるか、と問うと「相当な棋士になる、としか言えません」と語った。

◆中原　誠（なかはら・まこと）１９４７年９月２日、宮城県塩釜市出身。７２歳。６５年、１８歳で四段（棋士）昇段。６７年、当時の史上最年少記録となる２０歳で初タイトルの棋聖を獲得。大山康晴、米長邦雄らと時代を築き、７２年から名人９連覇。歴代３位の通算タイトル６４期、歴代４位の通算１３０８勝。２００９年引退。永世名人、永世十段、永世棋聖、永世王位、名誉王座の５つの永世称号を持つ。異名は「自然流」「棋界の太陽」。