NHK杯、王将戦1次予選、銀河線の対森内九段戦
2020年7月12日 5時00分
2017年9月3日。「公式戦29連勝」を果たすなど快進撃を続けていた藤井聡太・現七段(17)が、NHK杯テレビ将棋トーナメントで名人獲得8期の森内俊之九段(49)と対戦した。永世名人の資格保持者と公式戦で当たるのは初めてだった。
NHK杯は通常、収録を経て放送に至る。だが、この時は注目度の高さを受けて生放送になった。いつもとは違う相手、環境にもかかわらず、藤井は自然体だった。「普段通り、落ち着いていたのが印象に残っています」と森内。対局は、藤井が的確な攻めで押し切った。
両者は19年と今年にも顔を合わせ、いずれも藤井が勝っている。「3回目の対戦では、羽生さん(善治九段)が指すような『大人の手』を指された。柔軟性という点では、羽生さんに近い面があります」
森内は17年から2年間、日本将棋連盟の専務理事を務めた。組織の運営や対外的な交渉に携わる中で、「藤井フィーバー」の影響を肌で感じたという。「どこの業界の人と話しても、藤井七段の話題になる。そんな棋士は、これまで羽生さんしかいませんでした」。在任中、この追い風を、今後の将棋界にどう生かすかに心を砕いた。
一方、最近はこんなことも感じている。「棋士はライバルとの相乗効果で強くなっていく。ライバルが出てきて欲しい」。一昔前とは違い、今は誰でもプロの公式戦の中継を見たり人工知能(AI)で研究したりできる時代だ。「藤井さんのように若くて強い人は、今後も出てくるはず」と期待をかける。
森内自身はここ数年、不本意な成績が続く。だが、専務理事を退任し、己の将棋を見つめ直す余裕が生まれたという。コロナ禍で在宅の時間が増えた期間は、AIを活用して研究を深めた。「去年の自分に75%勝つのが目標。今後、数字で示さなければと思っています」。藤井との4度目の対戦が実現したら、どんな勝負が繰り広げられるだろうか。=敬称略(村瀬信也)
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情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編 強さと注目度、森内九段は肌で感じた:朝日新聞デジタル
村)今回登場していただいたのは森内九段。自粛期間にAIを活用して研究を深めたそうです。「去年の自分に75%勝つのが目標。今後、数字で示さなければと思っています」
(大志 藤井聡太のいる時代)番外編 強さと注目度、森内九段は肌で感じた:朝日新聞デジタル https://t.co/UVWnsLFuhr— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) July 11, 2020
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