ほお・・・
2020.7.8 18:35
6月28日に東京都渋谷区の将棋会館で行われた第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局は、序盤で仕掛けた先手の渡辺明棋聖(36)=棋王・王将=に対し、新手で応じた藤井聡太七段(17)が完勝した。第2局は何が勝因だったのか。大阪商業大学アミューズメント産業研究所の主任研究員、古作登さん(57)が人工知能(AI)搭載将棋ソフトを駆使しながら分析した。
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先手が早めに急戦矢倉の構えにしたのは最近の流行。後手からの速攻を防ぐことができ、先手番が持つ戦形選択権と主導権を最大限に生かした戦略だ。
42手目△5四金が過去になかった藤井七段の急戦矢倉に対する新手法。先手が攻めるため4五に跳ねた桂を目標にする「積極的な受け」で、そのまま桂を取り切ってしまえば後手良しとなるが、守りの金が離れるため人間的にはリスクが高いと思われ、なかなか指しづらい。藤井七段が事前研究しリスクを恐れずに大舞台で試したと考えられる。
昼食休憩明け、渡辺棋聖が選んだのは45手目▲5七銀左だった。このとき後手陣は「玉飛接近の悪形」。戦いになった時、王手飛車取りなどのリスクがある。渡辺棋聖は「何かあるかも」と疑っての常識的な一手だったが、結果として踏み込むべきだった。
この一手でソフトの評価は後手に+150点前後となり、主導権が後手に移った。この後、先手にチャンスが訪れることはなかった。50手目△4五銀で桂を取り、ついに決戦だ。
角交換から先手は銀を取り返し、手筋の歩打ちで後手陣を乱して57手目▲6六角までが攻めの後続手段。後手がどう受けるか難しいところだが、人間の第一感は玉のそばに守りの金を寄せる△3二金で、ソフトの解析でも有力。ただし先手に馬を作られるなどし、逆転の可能性も出てくる。ほかに示されたのが実戦の58手目△3一銀。貴重な持ち駒を手放すだけに指しづらく感じるが、守りが堅く先手から後続の攻めが難しい。激しい戦いの最中にも藤井七段は冷静に彼我の間合いを見切っていた。
満を持して後手は62手目△8六歩から攻撃開始。先手は守りの手を続けるよりなく、反撃のターンが回ってこない。一手進むごとにソフトの評価値も後手有利に振れていく。70手目△7五桂と急所に桂を打った局面での評価値は後手にほぼ+1000点。こうなってはトッププロ同士の対局で逆転の余地はほぼない。以下も攻め続けて藤井七段の快勝譜が生まれた。(寄稿)
情報源:△5四金「リスク恐れず大舞台で試した」 ヒューリック杯棋聖戦第2局AI分析(1/2ページ) – 産経ニュース
▲藤井聡太七段 vs △渡辺明棋聖(棋譜を見る)
藤井聡太七段の先手
- この日将棋界の歴史が動くか!藤井聡太七段最年少タイトル獲得なるか!?対渡辺明棋聖 | ABEMA
- ヒューリック杯棋聖戦 |棋戦|日本将棋連盟
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- 2020年7月9日 五番勝負 第3局 渡辺明棋聖 対 藤井聡太七段|第91期ヒューリック杯棋聖戦
このまま、ストレート勝ちなるか?