ほぉ・・・
2020年5月10日 5時00分
この日の主役は、人気者を陰ひなたで支えてきた師匠の方だった。和服姿の杉本昌隆八段(51)に、藤井聡太七段(17)が花束を手渡すと、盛大な拍手が鳴り響いた。2019年6月9日、名古屋市内のホテルで「杉本昌隆八段の昇段・昇級を祝う会」が開かれた。
会に先立つ記者会見で、杉本は「いつもは藤井七段が取材を受ける時に、私も横にいて、という図式が多かったと思いますが、今日は逆。私のコメントをなるべく載せて欲しい」と自虐気味のジョークを飛ばした。
杉本は温和な人柄で話せばユーモアたっぷりだが、内心には熱い思いがある。この会の謝辞でも「今回、八段昇段だけだったら祝賀会は辞退しようと思っていました」と言って、出席者を驚かせた。杉本の言い分は、こうだ。「七段昇段後に190勝しての八段昇段は年数を重ねればいつかは達成出来る。藤井七段ら若くて勢いがある棋士が多いC級1組での昇級の方がはるかに価値がありうれしい」
会場がドッと沸いたのは、冒頭の花束贈呈の直後だ。藤井が「自分が成長出来たのも師匠のおかげ。この舞台で花束を贈ることが出来て、大変うれしく思います」と笑顔で話すと、杉本は「お世辞がうまくなったなあ」とまぜっ返し、すぐに「大変うれしく思います」と続けた。日頃の師弟の仲の良さは、誰の目にも明らかだった。
この日、杉本は「弟子を一人でも多くプロに育てあげることが自分の役目」とも話した。自分が主役の会でも、将棋界の将来を担う若者への思いがあふれ出る。対局の合間を縫って、各地で師弟関係などをテーマに講演し、将棋の普及にも尽くす。学業との両立のためなかなかイベントに出演できない藤井の分を少しでも補えたら――。そんな思いが透けてみえる。=敬称略(佐藤圭司)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:5 師匠の祝賀会、将棋以外もうまくなった?:朝日新聞デジタル
村)昨年開かれた「杉本昌隆八段の昇段・昇級を祝う会」。おめでたいこの席で本人は「今回、八段昇段だけだったら祝賀会は辞退しようと思っていました」。その理由とは?
(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:5 師匠の祝賀会、将棋以外もうまくなった?:朝日新聞デジタル https://t.co/cOyz1fxbMU— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 9, 2020
へぇ・・・