公開対局に臨む藤井聡太七段(左)と木村一基・現王位

(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:3 受けの名手・木村へ、宣言通りの鋭い攻め:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2020年4月19日 5時00分

公開対局に臨む藤井聡太七段(左)と木村一基・現王位
公開対局に臨む藤井聡太七段(左)と木村一基・現王位

「会場のみなさま、盛大な拍手でお迎えください」

司会者がそう呼びかけると、場内は拍手に包まれた。藤井聡太七段(17)は4番目に登場し、客席に向かって頭を下げた。

2019年5月25日。藤井の地元である愛知県瀬戸市で「瀬戸将棋まつり」が開かれた。市文化センターのホールに集まった来場者は約1300人。北海道や鹿児島県など、全国から約2400人の観覧申し込みがあったという。将棋グッズの販売コーナーでは、藤井の扇子や人形などが飛ぶように売れた。

この日の目玉は、藤井が地元で初めて臨む公開対局。相手は、まだ公式戦で対戦がない木村一基・現王位(46)だ。トップ棋士の木村でも、これだけ多くの人が見守る中で対局する機会は少ない。「『将棋の日』みたいでした」。日本将棋連盟が毎年、各地で開くビッグイベントを思わせる盛り上がりだった。

対局前、藤井はこう語った。「(木村は)受けの名手として知られていますが、鋭い攻めをお見せできれば」。実際には木村に先攻を許したが、反撃し、的確な攻めで押し切った。インタビューに対し、「『鋭い攻め』を宣言したので、攻め込まれた時は不安だった。その後は攻める展開に持ち込めた」と分析。「地元ということで、緊張せずに臨めたかな」と話した。

木村は「『かかってきなさい』とやったら、つぶされてしまった」と振り返る。そして、「リードを奪ってからの指し方はさすが。強いとはわかっていたが、実際に指して再認識した」と語った。

この約4カ月後、木村は初タイトルの「王位」を獲得する。藤井は現在、王位戦の挑戦権争いを演じている。両者が大舞台で戦う日は遠くないかもしれない。=敬称略(村瀬信也)

◆次週は「名人戦ニュース」です。次回の「大志」は5月3日に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鍛錬編:3 受けの名手・木村へ、宣言通りの鋭い攻め:朝日新聞デジタル



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