第78期名人戦 七番勝負第1局 4月8日開幕
同日、山口恵梨子女流二段による、オンライン指導対局配信があるんだが・・・
2020年4月2日 5時00分
豊島将之名人(29)=竜王とあわせ二冠=に渡辺明三冠(35)が挑戦する第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)が8日に開幕する。渡辺は初の名人位が、豊島は連覇がかかる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って今シリーズは規模を縮小して行われるが、頂上決戦であることには変わりない。制するのはどちらか。(村瀬信也、村上耕司)
■自分の力が試されている 豊島将之名人
昨年、名人を獲得した後、棋聖戦と王位戦の防衛戦で負けてしまいましたが、竜王を奪取して二冠に戻ることができました。まずまずの1年だったかなと思います。
今回は渡辺三冠が相手ということで、自分の力が試されていると考えています。タイトル戦の勝率が非常に高い方なので、かなり難しい戦いになるでしょう。自分がいいものを出したらいい勝負になると思いますが、失敗すると一気に持っていかれてしまう。挑戦する気持ちで戦います。
2月の叡王戦挑戦者決定三番勝負で対戦した時は(2勝1敗で)勝ちましたが、その時期は相手だけ忙しいスケジュールでした。(1勝3敗で敗れた)昨年の棋聖戦五番勝負の結果が実力を反映していると思います。
渡辺さんの将棋を見て感じるのは、作戦の準備に時間をかけているということです。細かい工夫をして、相手が先に意表をつかれることが多い印象を受けます。番勝負になると、作戦の精度が一段階上がるイメージがあります。
4月からは、名人戦と並行して叡王戦七番勝負も戦います。日程的に大変ですし、相手の永瀬拓矢叡王は渡辺三冠と違うタイプなので、そういう点でも難しいなと。不安はありますが、こういったことを経験すると成長できるのでは、とも考えています。(2年前に)王将戦七番勝負と、A級順位戦のプレーオフ4局が重なるという経験をして、だいぶ鍛えられましたので。
棋士の全盛期は一般的に25~35歳と言われていますが、自分も今が一番いい時期だと思います。ただ、タイトルを防衛したことがないので、まだ安定してやっていけるという確信は持てていません。今回、防衛して自信にできればと考えています。
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とよしま・まさゆき 1990年4月、愛知県一宮市生まれ。2007年4月に16歳でプロ四段。11年、王将戦でタイトル戦初挑戦。18年、棋聖戦で初タイトルを獲得。19年、名人戦初登場でタイトル獲得。同年、竜王を獲得して史上4人目の「名人・竜王」に。A級順位戦は名人1期を含めて通算3期。
■相手の長所を消す戦いを 渡辺明三冠
A級順位戦は鬼門でした。後輩に先を越されるようになって、自分には縁がないのかなと思い始め、2018年にB級1組に降級したときはもう名人戦に出ることもないだろうなと思いました。
今期はA級に戻っての再スタート。4戦目で羽生(善治九段)さんに勝てたのが大きかった。20代で挑戦者になれなかったのは羽生さんにいつも負けていたから。B級1組から2期連続の全勝は満足できる結果かなと思います。
豊島さんは将棋の組み立て方が自分と近い。相居飛車で最新形を序盤から詰めていって中終盤はしっかり指して逃げ切る。藤井聡太七段しかり永瀬拓矢二冠もそう。勝っている人はみんなそのパターンです。序盤から用意の作戦をぶつけられるので気が抜けない。そこで持ちこたえられるかがポイントです。ただ僕も注文をつけることが多いので、相手も同じですが……。
豊島さんには19年度は4勝6敗と負け越していますけど、誤差の範囲。タイトル戦では勝てているので、実力伯仲の力関係かなという気はしています。6回も負けているので、豊島さんの勝ちパターンはたぶんいちばんよく分かっている。簡単じゃないけど、向こうの長所を消すような戦い方をしたい。
名人戦は持ち時間が9時間で経験のある8時間との違いは大きい。一晩かけて把握しつくした状況で2日目が始まるので、中終盤のミスが減る。駒がぶつかってから終盤に入るあたりの内容の濃さが2日制の醍醐(だいご)味です。最終盤への競り合いで力を発揮できればいいなと思っています。
豊島さんと戦うことで、技術的には最高クラスの将棋は指せると思う。勝敗の分かれ目となる、その攻防を見てもらいたいですね。
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わたなべ・あきら 1984年4月、東京都葛飾区生まれ。2000年4月に15歳でプロ四段。04年に20歳8カ月で初タイトルとなる竜王を獲得。竜王9連覇、棋王8連覇。永世竜王、永世棋王の資格を持つ。3月に棋王、王将を防衛し、棋聖とあわせ三冠。A級順位戦は第69期から通算9期。
■対戦成績は渡辺16勝、豊島11勝
対戦成績は渡辺の16勝に豊島の11勝。18年度までは渡辺が12勝5敗と圧倒していたが、19年度は豊島が6勝4敗と勝ち越した。
タイトル戦で戦ったのは過去1回。昨年6~7月の第90期棋聖戦五番勝負で、当時棋聖の豊島に挑戦した渡辺が通算3勝1敗でタイトルを奪取している。
一方、昨年8月の第27期銀河戦決勝では豊島が勝って初優勝。今年2月の第5期叡王戦挑戦者決定三番勝負も豊島が2勝1敗で制し、永瀬拓矢叡王への挑戦権を獲得した。豊島は名人戦と並行して叡王戦七番勝負を戦う。
■両者粘り強く、ねじりあいに 羽生善治九段
名人を9期獲得し、十九世名人を名乗る資格も持つ羽生善治九段(49)に、今回の七番勝負の見どころを聞いた。
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豊島さんは名人を獲得した後も活躍を続けていて、いい状態を維持していると思います。渡辺さんは順位戦を全勝しましたし、勝率もすごい。2人とも出来不出来の差が小さいタイプなので、どの将棋も熱戦になる気がします。
渡辺さんは対戦相手への対策の立て方が洗練されていて、毎回細かい工夫をしているんだなと感じます。豊島さんは対戦相手を意識するというよりも、自分が課題としている局面をいっぱい持った状態で対局に臨んでいる印象を受けます。作戦面では、豊島さんは角換わりや矢倉を目指すと思いますが、渡辺さんは「雁木(がんぎ)」のように進めるなど変化球を投げるかもしれません。新しいアイデアを披露してくれるのではないでしょうか。
渡辺さんは今年に入って過密日程でしたが、4月以降は少し解消されるので、将棋のクオリティーをさらに上げるでしょう。豊島さんは、4月から叡王戦七番勝負も始まります。タイトル戦を二つ同時に戦うのはずっと緊張感が続くので大変ですが、だんだんなじんでくると思いますし、「集中するしかない」というところもあるでしょう。
名人戦の持ち時間は9時間。夕方の休憩もありますし、2日目が長丁場になります。2人とも粘り強いので、ねじりあいになるでしょう。
■新型コロナ、規模縮小して開催
例年、名人戦七番勝負の際には、両対局者とファンが交流できる前夜祭や、棋士による大盤解説会が開かれます。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年は規模を縮小して行います。
第1局と第2局の前夜祭、大盤解説会は中止します。今後も、感染の拡大状況によって、対局の場所やイベントの内容などが変更になる可能性があります。詳しくは、日本将棋連盟のホームページ(https://www.shogi.or.jp/別ウインドウで開きます)をご確認ください。
■七番勝負の日程(どちらかの4勝で決着)
第1局 4月8、9日 ホテル椿山荘東京(東京都文京区)
第2局 4月25、26日 八幡総本宮・宇佐神宮(大分県宇佐市)
第3局 5月7、8日 戸田家(三重県鳥羽市)
第4局 5月19、20日 緑霞山宿・藤井荘(長野県高山村)
第5局 5月27、28日 倉敷市芸文館(岡山県倉敷市)
第6局 6月10、11日 常磐ホテル(甲府市)
第7局 6月18、19日 天童ホテル(山形県天童市)
※持ち時間は各9時間(2日制)。4月1日時点の予定
◆熱戦の模様は、紙面のほか朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/shougi/)でもお伝えします。棋譜は名人戦棋譜速報(http://www.meijinsen.jp/別ウインドウで開きます)でも見られます。
情報源:初名人か初防衛か、いざ対決 豊島将之名人×渡辺明三冠 第78期将棋名人戦七番勝負、8日開幕:朝日新聞デジタル
村)今日の朝刊に、名人戦の開幕特集の記事が載っています。豊島名人と渡辺三冠にインタビューしたほか、羽生九段にも見どころを聞きました。
初名人か初防衛か、いざ対決 豊島将之名人×渡辺明三冠 第78期将棋名人戦七番勝負、8日開幕:朝日新聞デジタル https://t.co/dY294ypYnZ— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) April 1, 2020
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
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- 第77期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
- 名人戦・順位戦 – 毎日新聞
まずは先後がどうなるか・・・