頭ハネだったからなぁ・・・
2020年3月8日 5時00分
32年ぶりの師弟同時昇級なるか――。第77期名人戦・C級1組順位戦の最終11回戦は、2019年3月5日午前10時、東京と大阪の将棋会館で19局が一斉に始まった。
B級2組への昇級の有力候補は8勝1敗の4人。前期成績に基づく順位が6位の近藤誠也(せいや)六段(23)、7位の杉本昌隆八段(51)、14位の船江恒平六段(32)、31位の藤井聡太七段(17)だ。昇級枠は2で、近藤と杉本は自分が勝てば昇級が決まる。杉本と藤井の師弟は、共に勝ち、他の2人が敗れた時のみ一緒に昇級できる。
午後10時24分、東京で杉本が勝利。若手の台頭が目立つ中、50代での順位戦昇級は快挙だ。残る昇級枠は一つになった。
そして午後10時33分、大阪で船江が勝ち、藤井の昇級の可能性が消えた。同じ9勝1敗で並んでも、順位が上の杉本と船江が優先されるためだ。テレビの報道番組で「師弟同時昇級はならず」と報じられるほど注目度は高かったが、対局中の藤井は自らの状況を知るよしもない。
午後11時14分、大阪で藤井が勝った。60人の報道陣を前に、昇級できなかったことを告げられた藤井は「9戦目で負けてしまったので仕方ないかなと思います」。落胆した様子はなく、淡々と語った。そして、日付が変わり、近藤が勝って昇級を決める。1敗の藤井と船江が昇級を逃す、厳しい戦いだった。
杉本は感想戦を終えた後、藤井が昇級に届かなかったことを知らされた。取材に対し、杉本は「棋士としては最高の気持ちだが、師匠としては複雑な思いがある」。そして、緊張感をにじませながら、こう語った。
「藤井七段が近いうちに昇級するのは間違いない。Bクラスで共に戦える日を待っている」
弟子への信頼と愛情がこもったエールだった。=敬称略
(佐藤圭司、村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)鮮烈編:11 逃した同時昇級、師匠はエール「待っている」:朝日新聞デジタル
あ
それでも、今期はキッチリ全勝昇級決めるんだからなぁ。