B級2組への昇級を決め、対局を振り返る佐々木勇気七段=3日、東京都渋谷区

(月刊将棋)佐々木七段が昇級「ホッとした」 第78期将棋名人戦・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル

ようやくだよなぁ・・・


2020年3月7日 16時30分

B級2組への昇級を決め、対局を振り返る佐々木勇気七段=3日、東京都渋谷区
B級2組への昇級を決め、対局を振り返る佐々木勇気七段=3日、東京都渋谷区

第78期将棋名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終10回戦一斉対局が3日、東京と大阪の将棋会館で行われた。ハイレベルな争いの末、佐々木勇気七段(25)がB級2組への昇級をつかみ取った。

■6期目で悲願達成「長かった」

残り1戦の段階で9勝0敗の藤井聡太七段(17)の昇級が決定。他に昇級の目があるのは8勝1敗の3人で、佐々木と及川拓馬六段(32)、石井健太郎五段(27)。同じ勝敗の場合、前期成績に基づく順位で上下が決まる。その順位が最も上の佐々木が有利な立場だ。

佐々木は宮田敦史七段(38)と対戦。矢倉の出だしから力戦になり、夕食休憩後に勝負どころを迎えた。佐々木が△2五飛と打った図の局面で、宮田は▲7三歩成と攻め合ったが、△2九飛成▲2八金△9九竜▲8九金打△同竜▲同金△7七歩成▲同銀△2五桂と進むと、先手は角の逃げ方が難しい。△8七角成と馬を作る手もある後手が指しやすくなった。

図・△2五飛まで
図・△2五飛まで

感想戦で宮田は「(図では)▲2七歩が良かった」と振り返った。以下△8五飛▲7三歩成△5五桂なら、じっと▲7四とと活用し、まだ難しい戦いだ。佐々木が102手で勝ち、悲願の昇級を果たした。「振り返ってみると厳しい戦いだったなと思う。うれしいというより、ホッとした」

佐々木は2010年に16歳でプロ入りした俊英。若手棋戦で優勝の経験があり、17年には藤井の公式戦連勝を「29」で止めたことでも注目された。

今年度の勝率は5割台だが、順位戦では前半から強さを見せた。2、3回戦は、持ち時間6時間のうち消費が1時間8分、1時間47分という快勝。「今期は序盤の研究に力を入れた。2回戦は、投了の10手ぐらい前まで研究通りだった」。入念な準備が白星、そして昇級につながった。

C級1組は今期が6期目だった。「数えたくないぐらい長かった。ここしばらく勝負強さがなくなり、大一番に勝てなかった。今回負けていたら、どうなっていたかわからない」。意識する棋士は、少年時代から競い合ってきた永瀬拓矢二冠(27)だという。「永瀬さんはB級1組。早く対戦できるように上がっていきたい」

藤井は最終戦も勝ち、10戦全勝となった。及川と石井は勝って9勝1敗としたものの、昇級は逃した。C級1組の昇級枠は、来期から3に増える。

■残留巡り森下・豊川が同学年対局

感想戦の後、笑みがこぼれる森下卓九段(左)と豊川孝弘七段=3日、東京都渋谷区
感想戦の後、笑みがこぼれる森下卓九段(左)と豊川孝弘七段=3日、東京都渋谷区

順位戦は残留を巡る戦いも注目される。10回戦では、共に2勝7敗の森下卓九段(53)と豊川孝弘七段(53)が対戦した。豊川は本局を迎えた時点で、既に一つ目の降級点が確定している。

森下の雁木(がんぎ)に豊川が急戦を仕掛け、熱戦になった。結果は134手で森下の勝利。終局は午後11時25分で、他のもう1局と共に、この日の18局の中で最も遅かった。

28歳で名人挑戦を果たした森下と、42歳でB級1組に昇級した豊川。歩みは大きく異なるが、同学年だ。感想戦の後、「いやいや、ひどかった」などと笑顔で言葉を交わしながら駒を片付けていた。森下は勝ったものの、一つ目の降級点がついた。(村瀬信也)

■C級1組順位戦の上位勢

(3)藤井聡太七段  10勝0敗=昇級

(14)佐々木勇気七段  9勝1敗=昇級

(32)及川拓馬六段   9勝1敗

(34)石井健太郎五段  9勝1敗

※カッコ内数字は前期成績に基づく順位

情報源:(月刊将棋)佐々木七段が昇級「ホッとした」 第78期将棋名人戦・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル


宮田敦史七段 vs △佐々木勇気七段

102手 6七香成まで、△佐々木勇気七段 の勝ち




 



来期はB級2組、頑張れよ。