朝日杯将棋オープン戦決勝の大盤解説に登場した藤井聡太七段(右)。左は師匠の杉本昌隆八段=2020年2月11日午後3時21分、東京都千代田区の有楽町朝日ホール、遠藤啓生撮影

朝日杯敗退の藤井七段 木村王位の突っ込みにたじたじ?:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2020年3月3日 16時00分

朝日杯将棋オープン戦決勝の大盤解説に登場した藤井聡太七段(右)。左は師匠の杉本昌隆八段=2020年2月11日午後3時21分、東京都千代田区の有楽町朝日ホール、遠藤啓生撮影
朝日杯将棋オープン戦決勝の大盤解説に登場した藤井聡太七段(右)。左は師匠の杉本昌隆八段=2020年2月11日午後3時21分、東京都千代田区の有楽町朝日ホール、遠藤啓生撮影

杉本昌隆八段の棋道愛楽

千田翔太七段が初優勝した第13回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)。惜しくも藤井聡太七段の3連覇はなりませんでしたが、東京で指された公開対局は今年もたくさんのファンが集まり、大盛り上がりでした。

770人が集まった会場で、私も何人ものファンに声を掛けられました。遠方から来られた方も多く、やはり注目は藤井七段の戦いぶりです。

準決勝の相手は、強敵の千田七段。振り駒で後手となり、角換わりの最新形に。中盤、千田七段の新手が出ます。藤井七段も強く切り返しますが、角の打ち場所でミスがあり、それを的確に突かれてしまいました。

藤井七段が40分の持ち時間を使い切ったとき、千田七段の消費時間はわずか4分。形勢、時間ともに差をつけられ、事実上ここで勝負ありました。

何とか食らいつこうとする藤井七段でしたが、千田七段の落ち着いた指しまわしは正確無比です。そのまま押し切られ、準決勝敗退。会場のあちこちから「あー」とため息に近い声が漏れたのが印象的でした。

終局後のコメントや感想戦は敗者には辛いものですが、悔しさを胸に淡々と答える藤井七段。あらためて大した17歳です。控室で関係者と一緒にご飯を食べているときにはすでに気持ちを切り替えているようでした。午後の永瀬拓矢二冠と千田七段の決勝戦を控室で検討する姿は、将棋の真理を追究する棋士の姿になっていました。

切り替えはファンも同じ。会場のグッズ売り場で親子連れに声を掛けられました。お子さんは藤井七段とほぼ同世代。藤井七段の準決勝敗退にちょっと残念そうでしたが、「強い人は負けた後の切り替えも早いもの。またこれからの藤井七段を応援して」と私が話すと、晴れ晴れと帰られました。

決勝戦では大盤解説会に私とともにゲスト出演した藤井七段。午前の敗戦に落ち込んでいるのではないか、と心配するファンも多かったようですが、元気な顔を見られて安心したことでしょう。大きな拍手が起こりました。

木村一基王位の解説もさえわたります。「藤井君はベテラン相手だと、最後は自分が勝つと思って指しているの?」

軽妙かつ鋭いつっこみに、ちょっと困りながら笑って答える藤井七段。対局中では見られない表情です。こんな光景が見られるのも解説会ならではでしょう。3連覇を期待していたファンからすると、ちょっとほろ苦い1日だったかもしれませんが、一緒の時間を共有できて満足そうでした。

帰りの新幹線では藤井七段と一緒でした。話題は今日の朝日杯。敗因が見つかったようで、別れ際には納得の表情をしていました。

対局者にとって命を懸けた戦いですが、やはりファンにとっては大盤解説会は一種のお祭り。来年の藤井七段の朝日杯に注目しましょう。

〈すぎもと・まさたか〉 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:朝日杯敗退の藤井七段 木村王位の突っ込みにたじたじ?:朝日新聞デジタル



へぇ・・・