〈記者の目〉藤井聡太七段 「楽」の一字こそ飛躍へのパスポート あす羽生九段と王位リーグで対戦:中日スポーツ

第61期 王位戦 挑戦者決定リーグ 羽生善治九段 対 藤井聡太七段
先後はリーグ抽選時に決まっており、藤井七段の先手


2020年2月17日 11時26分

第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝の対局後、インタビューを受ける羽生善治九段(左)と藤井聡太七段=2018年2月17日
第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝の対局後、インタビューを受ける羽生善治九段(左)と藤井聡太七段=2018年2月17日

いよいよその日がやって来る―。藤井聡太七段(17)が羽生善治九段(49)と対戦する18日の王位戦挑戦者決定リーグ(中日新聞社主催)白組初戦だ。

最年少タイトル獲得を目指す高校生棋士と、空前絶後のタイトル100期に王手をかけている永世七冠。2020年のタイトル戦線に待ち受けるドラマとは。それを占う意味でも注目の一戦となりそうだ。

何より頼もしく思えたコメントがある。昨年11月30日のインタビューでのものだ。この時、中日新聞・岡村淳司記者の「昔のように将棋を楽しめてますか」との質問に、藤井七段はこうきっぱり答えていた。「そうですね、はい。一局ごとに新しい局面に出合いますし、新しい発見がたくさんあるので」

この日は王将リーグ最終戦から11日後。タイトル挑戦にあと一歩まで迫りながら、大魚を逸したあの広瀬章人八段(33)戦だ。それこそが最大の財産とはいえ、トップ棋士に揉まれる試練に直面するなか、それでも変わらない“将棋が楽しい”との思い。それさえあれば、道はきっと開けていくからだ。

「将は楽しむべくして憂うべからず」と説いたのは、中国古代の兵法書「三略」。論語の「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」との一節も有名だ。棋士もそう。将棋の奥深さに感動し、それを一歩ずつでも極めようとすることに無上の楽しみを覚える。この「楽」の一字こそが、真の頂に到達するためのパスポートなのだ。

言うまでもなく、それを棋界で最もたゆまず実践し続けてきた人こそが羽生九段。藤井七段にとっては最高の鑑、追うべき背中だ。レジェンドとは32歳差。それを思うと、盤を挟んでじかに薫陶を受けられるこれからの一局一局はかけがえのない機会に。公式戦3度目の対戦は18日午前10時、東京・千駄ケ谷の将棋会館で始まる。(海老原秀夫)

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藤井聡太七段 vs △羽生善治九段

先後はリーグ抽選時に決まっており、藤井七段の先手