昇級と昇段のお祝いで、藤井聡太七段(左)から花束を受け取る杉本昌隆八段=2019年6月9日午後6時32分、名古屋市中区、滝沢隆史撮影

昨年、大活躍の藤井七段 今年も師弟での昇級争いが目標:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2020年1月7日17時00分

昇級と昇段のお祝いで、藤井聡太七段(左)から花束を受け取る杉本昌隆八段=2019年6月9日午後6時32分、名古屋市中区、滝沢隆史撮影
昇級と昇段のお祝いで、藤井聡太七段(左)から花束を受け取る杉本昌隆八段=2019年6月9日午後6時32分、名古屋市中区、滝沢隆史撮影

杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

あけましておめでとうございます。昨年の将棋界は色々な記録が生まれました。

タイトル戦では挑戦者の「奪取」が相次ぎました。タイトルが目まぐるしく変わったのが、愛知県一宮市出身の豊島将之竜王・名人です。棋聖、王位の失冠もありましたが、5月に名人、12月には竜王を獲得。最高峰のタイトルである竜王と名人を同時に保持した棋士は過去に3人しかなく、史上4人目の快挙です。

「挑戦者になればタイトルを取る」雰囲気すらあり、現在4回連続で奪取に成功。現在の将棋界の「奪取」の立役者でもあります。

無敵の強さを誇ったのは渡辺明三冠(棋王、王将、棋聖)。棋聖戦の豊島戦は「最強者決定戦」の様相でした。奪取が続く今年の将棋界で唯一、防衛にも成功しました。前期の名人戦順位戦では12戦全勝でA級に復帰を決め、そのA級順位戦でも現在5連勝(12月20日現在)と首位を走ります。

永瀬拓矢二冠の躍進は将棋界の新しい風。叡王と王座を獲得して一気に二冠になりました。もはや押しも押されもせぬトップ棋士の一人です。藤井聡太七段と研究会を行っていることでも知られ、研究熱心な2人。私も現場を見たことがありますが、顔を合わせるとあいさつもそこそこにすぐに将棋盤に向かい、夜までずっと研究している姿には圧倒されます。

その藤井七段は昨年も大活躍でした。やはり朝日杯将棋オープン戦での勝ちっぷりが光ります。決勝で渡辺三冠に勝って連覇を果たしました。

朝日杯は羽生善治九段が相性の良いことで知られていましたが、現在は藤井七段。この棋戦は藤井七段のためにあるのでは?と思えるほどです。藤井七段はデビューして約3年ですが、驚くことに朝日杯はまだ無敗なのです。

4月に発表された第46回将棋大賞では、藤井七段の「7七同飛成」がAIですら気が付かないような鋭い一着で升田幸三賞を受賞。テレビの情報番組が何度も取り上げたほどでした。改めて将棋の話題が当たり前のようになったこの時代、藤井七段の功績であることは間違いありません。

8月には和服を着て初の公式戦対局もありました。11月は王将戦で挑戦者まであと一歩に迫りました。今春には高校3年生になる藤井七段。どんな活躍をするのか楽しみです。

若い人だけではありません。木村一基王位も素晴らしい。46歳にして初タイトルは驚愕です。若手実力者がひしめく将棋界で、木村王位の活躍はベテラン世代に勇気を与えてくれます。

私自身も記憶に残る1年でした。3月に順位戦でB級2組に昇級。このクラスへ復帰した例は平成以来初で、33年ぶりの記録とのことでした。藤井七段と師弟で昇級を争ったことは、私の棋士生活の中でも生涯の記念です。

藤井七段は現在、C級1組で7連勝と首位。今春にまた藤井七段と同じクラスになることがあれば、再び昇級争いをすることが今年の目標です。

〈すぎもと・まさたか〉 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:昨年、大活躍の藤井七段 今年も師弟での昇級争いが目標:朝日新聞デジタル



ほぉ・・・