ふむ・・・
2019年12月23日16時30分
「心が折れそうになった時もあったが、支えてくださる方、応援してくださる方のおかげで努力を続けられた」
将棋の第77期名人戦七番勝負で、平成生まれで初の名人になった豊島将之(29)は、7月の就位式でそう述べた。
長い道のりだった。順位戦はA級昇級までに10期を要し、A級初参加の76期は開幕から5連勝したものの、挑戦を逃した。
だが、初めての名人戦での戦いぶりは圧巻だった。3連覇中の佐藤天彦(31)に4連勝し、王位、棋聖と併せて三冠に。12月には、広瀬章人(32)を破って竜王を獲得した。「名人・竜王」の達成は史上4人目だ。
長年の努力で悲願をかなえたのは豊島だけではない。永瀬拓矢(27)は3回目のタイトル挑戦で叡王を獲得。秋には王座も奪取して、一気に二冠となった。
特に多くの人の脳裏に刻まれたのが、木村一基(46)の快挙だ。7回目のタイトル戦だった王位戦で豊島を破り、ついに栄冠を手にした。46歳3カ月での初タイトル獲得は史上最年長記録。座右の銘の「百折不撓(ひゃくせつふとう)」の通り、幾度もの挫折にめげずに続けた鍛錬が実った。対局直後に「(タイトルは)縁がもうないもんだと思っていました」と語り、家族への思いを問われて見せた涙が印象的だった。
八つのタイトル戦のうち、七つで保持者が入れ替わる目まぐるしい1年だった。そんな中、最も安定感のある強さを見せたのが渡辺明(35)だ。棋王に加え、王将、棋聖を奪取して6年ぶりに三冠に。今年度の勝率は8割を超えている。来年1月から、王将戦の防衛戦で広瀬と戦う。
昨年末に無冠になった羽生善治(49)は、31年ぶりにタイトル戦出場がない1年となった。それでも、6月には史上最多勝となる通算1434勝を達成。巻き返しを狙う。
高校生棋士の藤井聡太(17)は成長を感じさせる活躍を見せた。2月、朝日杯将棋オープン戦の決勝で渡辺を破り、2連覇を達成。王将戦では挑戦権獲得まで「あと1勝」に迫り、将来のタイトル挑戦を予感させた。
女流将棋界でも大きな動きがあった。七つ目の女流タイトル戦として新設された清麗戦で、里見香奈(27)が頂点に立ち、史上初の女流六冠を達成した。一方、「里見1強」の状況を突き崩したのが西山朋佳(ともか)(24)だ。奨励会の三段リーグ戦で「棋士」を目指す傍ら、女流王将、女流王座を立て続けに里見から奪取。女王と併せて女流三冠になった。2020年、「2強」に割って入る女流棋士は現れるだろうか。(村瀬信也)
情報源:(回顧2019)将棋 努力を重ね、手にした栄冠 豊島・永瀬・木村、不屈のタイトル奪取:朝日新聞デジタル
村)今日の夕刊の記事です。「ついに」「ようやく」。そんな言葉を添えたくなるような「悲願達成」が相次いだ一年でした。
(回顧2019)将棋 努力を重ね、手にした栄冠 豊島・永瀬・木村、不屈のタイトル奪取:朝日新聞デジタル https://t.co/nd8eiNLa5Z— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) December 23, 2019
ほぉ・・・