豊島、「名人・竜王」の重み 将棋・二大タイトル獲得の快挙:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年12月16日16時30分

将棋の豊島将之(とよしままさゆき)名人(29)が7日、第32期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)を制して史上4人目の名人・竜王になった。将棋界の二大タイトルとされており、これらを同時に獲得した3人はいずれも永世名人資格保持者。レジェンドに肩を並べる快挙を成し遂げた。

竜王位を奪取した豊島将之名人=いずれも7日、島根県津和野町の藩校養老館
竜王位を奪取した豊島将之名人=いずれも7日、島根県津和野町の藩校養老館

■際どい勝負「幸運だった」

豊島が挑戦していたのは広瀬章人竜王(32)。昨年に羽生善治九段(49)からタイトルを奪って無冠に追いやり、11月19日にあった王将戦挑戦者決定リーグ戦の最終戦では藤井聡太七段(17)を破って王将挑戦権を獲得している。

一方、豊島は5月に名人を獲得して三冠になったものの、7月から9月にかけて棋聖と王位を失冠。開幕前は「続けてタイトル戦で負けていたので流れはあまりよくなかったが、気持ちを切り替えて一局一局頑張っていこうと思っていた」と振り返る。

竜王戦七番勝負は10月、東京で開幕。振り駒の結果、第1局は豊島が先手番となった。この局を制した豊島は、後手番となった第2局も接戦の末、勝利した。「第1局は非常に際どい将棋だったが先勝できて悪い流れを払拭(ふっしょく)して竜王戦に入っていくことができた」と言う。

第3局は終盤戦で優勢だった広瀬にミスが出て逆転勝ち。第4局は広瀬が接戦を勝ちきり、豊島の3勝1敗で6、7日の第5局を迎えた。

対局場は島根県津和野町の「藩校養老館」。先手は豊島。第1局、第3局と同じ角換わりの戦型になった。リードを奪ったのは広瀬。終盤戦になり、控室では「もう逆転はないだろう」という声も上がった。だが、「はっきり悪いという自覚があったが、あきらめずにチャンスを探していた」という豊島が肉薄して勝負はもつれた。最終盤では、広瀬にもう1歩あれば勝ちという局面が出現したが、豊島はぎりぎりで耐えた。結局、広瀬の受け間違いに乗じて最後は豊島が相手玉を詰まし、決着した。

シリーズを振り返って豊島は「終盤の際どい将棋が多くて、結果が出せたのは幸運だった」。広瀬は「難しい将棋が多かったが、最後の最後で勝ちきれなかった。中盤から終盤あたりで、こちらからミスしてしまい、そこが勝敗を分けたと思う」と話した。

■「防衛が目標、一層頑張らねば」

将棋界の二大タイトルである名人と竜王を同時に保持するのは、羽生、谷川浩司九段(57)、森内俊之九段(49)に次いで4人目となる。過去3人はいずれも名人を通算5期以上務めた永世名人の資格を持つ棋士たちだ。記者会見で感想を聞かれた豊島は「竜王・名人になられた方は偉大な棋士ばかり。自分がここまでできるとは思いませんでした」と話した。

今回の竜王位の移動で、タイトル保持者は豊島を含め、棋王・王将・棋聖を持つ渡辺明三冠(35)、叡王・王座を持つ永瀬拓矢二冠(27)、木村一基王位(46)の4人となった。ただ豊島は、ビッグタイトル二つを取ったとはいえ頂点に立ったとは思っていない。「内容的にも際どい将棋が多く、偶然勝てているのか実力で勝てているのか、自分でもよく分からない。渡辺三冠は非常に充実した内容で指されているので、より一層頑張っていかないと厳しい」と話す。

名人への挑戦者を決めるA級順位戦は、その渡辺が5戦全勝で首位、広瀬が4勝1敗で追う。過去の例から、名人・竜王は維持するのが大変で、最長の羽生でも約2年で崩れている。来年の目標について豊島は「まだタイトルを防衛したことがないので、防衛を目標に頑張っていきたい」と話した。

(村上耕司)

情報源:豊島、「名人・竜王」の重み 将棋・二大タイトル獲得の快挙:朝日新聞デジタル



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