藤井聡太七段、師匠から贈られた誕生日プレゼントとは?:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年11月21日16時30分

贈り物の色違いのそろいのネクタイでイベントに登場する杉本昌隆八段(右)と藤井聡太七段(中央)。左は佐藤天彦九段=2018年12月9日、名古屋市中区、滝沢隆史撮影
贈り物の色違いのそろいのネクタイでイベントに登場する杉本昌隆八段(右)と藤井聡太七段(中央)。左は佐藤天彦九段=2018年12月9日、名古屋市中区、滝沢隆史撮影

杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

最近の棋士は、ファンの方からプレゼントをいただくことが増えました。ネクタイやハンカチなどが多く、対局に使えるので重宝します。

将棋会館に届くプレゼントは、やはり藤井聡太七段が圧倒的に多いようです。バレンタインデーには段ボールいっぱいのチョコレートが届くとか。持って帰るのが大変ですね。

私も藤井七段の師匠ということで、プレゼントをいただく機会が増えました。正直なところ、20代の頃よりはるかに増えています。こんなとき、返す返すも素晴らしい弟子だと感心……いや、普段から思っていますが、よりそれを感じます。

多いのは、私宛てに藤井七段と2人分のプレゼントが届くケース。もちろん責任をもってちゃんと渡します。ときに、おそろいのネクタイをいただきます。さすがに同じ日に使うと気恥ずかしいので、お互いの柄を確認するようにしています。

喜び過ぎると落とし穴もあります。私宛てに届いた小包の中に、贈り物が一つと2通の手紙。1通は藤井七段宛てで、自分宛ての手紙には「このネクタイを藤井七段に渡してください」。うん、これも師匠の大事な役目ですが、ちょっと複雑な気分でした。

基本的に師匠は弟子にプレゼントをしませんが、節目の勝利などで誕生日近くに会った時は「この前の勝利も兼ねて」と何かを渡すこともあります。

一昨年は学生の藤井七段にピッタリだろうと、都道府県の形で視力検査ができるちょっと珍しいノートやペンを渡しました。取材で話したところ、その日の晩、そのメーカーからお礼のメールが届いてビックリしたものです。

昨年は、かつおの生節でした。なぜ、かつお? 直前に高知で仕事があり、お土産を兼ねていたからです。脳の働きに良い栄養素が豊富で、我ながら抜群のセンスだと自負しましたが、さすがの藤井七段も意表を突かれた様子でした。今年は鉄道ファンの藤井七段に似合うだろうと、新幹線型のネクタイピンを贈りました。

イベント会場でお菓子などの差し入れをいただくことも多く、うれしいものです。ぬいぐるみや地元でとれた野菜など思わぬものもあり、驚いたことも。甘納豆と浜納豆を一つずついただいた際は、違いを私が説明して藤井七段と分けました。

棋士にとっての最高のプレゼントは公式戦の勝利であり、これは自分で勝ち取るしかありません。しかし、弟子から大きな「プレゼント」をもらうこともあります。

11月の私の誕生日の翌日、藤井七段は王将戦の挑戦者決定リーグ戦で久保利明九段に勝利。タイトル挑戦の最年少記録まで、あと一歩に迫りました。もちろん偶然ですが、師匠としては最高の贈り物をもらった気分です。

すぎもと・まさたか 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:藤井聡太七段、師匠から贈られた誕生日プレゼントとは?:朝日新聞デジタル



ほぉ・・・