「将棋の秋」イベント多彩 藤井七段はいつでも全力投球:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2019年11月7日15時00分

子どもたちを相手に指導対局をする藤井聡太七段=2019年5月25日午後、愛知県瀬戸市、戸村登撮影
子どもたちを相手に指導対局をする藤井聡太七段=2019年5月25日午後、愛知県瀬戸市、戸村登撮影

杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

秋は将棋のイベントが多彩です。11月最初の週末には、世界遺産の姫路城で40人の中学生が将棋の駒になり、東軍と西軍に分かれて対局する「人間将棋」がありました。

私は武将の指揮官となり、大石直嗣七段と対戦。「7六歩じゃ」「大石殿、お主もやるのう」などと武将になりきって盛り上げます。

駒役の中学生も甲冑(かっちゅう)に身を包み、戦の雰囲気満点。観客が見えやすいように大きな駒が付いた棒を持ち、椅子と一緒に移動します。対局者の暗黙の目標は「40枚すべての駒を1回は動かすこと」。駒役として集まってくれた人たちへの配慮です。動きの大きい飛車や角、また持ち駒になったときは移動が大変ですが、むしろたくさん動いたほうが駒冥利(みょうり)?に尽きるようです。

勝負は、私が率いる西軍の勝ち。終了後、控室で駒役の中学生が「歩の役で2回しか動きませんでした」と残念そうでした。たくさん動く飛車や角、玉になりたかったのでしょうね。でも、1回しか動かない駒も多く、2回なら良いほうです。ちなみに、通常の将棋では不動駒が何枚もあるほうが普通。すべての駒が動いた将棋は、かなりの名局と言われます。

高校生の藤井聡太七段はイベント出演を制限しており、出演時の人気は相当なものです。有料イベントでは高額な指定席が一瞬で完売するとか。まるで一流アーティストのようです。

女性ファンが増えた影響でしょうか。藤井七段が出演する会場には、ネクタイなどの贈り物が頻繁に届きます。段ボールいっぱいのプレゼントが届いたこともありました。その中には私の分まであることも。ファンのありがたさが身にしみます。

子どもたちと多面指しをすることもあります。時間に制限があるので、棋士はある程度早指しで飛ばすのが普通ですが、藤井七段はこんなときも常に全力です。「思わず考えてしまうんです」と言っていましたが、いかにも藤井七段らしいです。

普段は難しい顔をして対局している棋士が、非常ににこやかだったり、冗舌だったり。いつもと違う顔を見られるのが将棋イベントの醍醐(だいご)味です。

さて、11月9日には「全国将棋サミット2019」が名古屋能楽堂で開催されます。佐藤康光九段ら9人の棋士も出演。私は「弟子について語る」と題して講演します。中村太地七段や高見泰地七段らのトークショーや、公開対局もある盛りだくさんのイベント。ぜひお越しください。

〈すぎもと・まさたか〉 1968年、名古屋市生まれ。90年に四段に昇段し、2019年2月に八段。第20回朝日オープン将棋選手権準優勝。藤井聡太七段の師匠でもある。

情報源:「将棋の秋」イベント多彩 藤井七段はいつでも全力投球:朝日新聞デジタル



へぇ・・・