記者から家族への思いを聞かれ、涙をぬぐう木村一基新王位=9月26日、東京都千代田区、伊藤進之介撮影

木村、辛抱実った新王位 46歳で初タイトル「たまたま」 将棋:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年10月7日16時30分

記者から家族への思いを聞かれ、涙をぬぐう木村一基新王位=9月26日、東京都千代田区、伊藤進之介撮影
記者から家族への思いを聞かれ、涙をぬぐう木村一基新王位=9月26日、東京都千代田区、伊藤進之介撮影

7度目のタイトル戦で悲願達成――。豊島将之王位に木村一基九段が挑戦する第60期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)は、木村が4勝3敗で制し、王位を奪取した。46歳3カ月での初タイトル獲得は最年長記録。持ち前の辛抱強い指し回しを実らせて手にした栄冠だった。

7月に開幕したシリーズは豊島が第1局から2連勝したが、木村が巻き返し、決着は9月25、26日の第7局に持ち越された。

戦型は、先手の豊島が得意とする角換わり。今年の名人獲得の原動力になった十八番だ。序盤は豊島がハイペースで手を進め、木村が慎重に対応する展開に。1日目午後は、木村が豊島より3時間以上多く消費している時もあった。

だが、2日目は流れが変わる。豊島が苦慮する場面が目立ち、消費時間はついに逆転。午後に入ると、反撃を開始した木村の優位が明らかになった。最後は、守りのために自陣に打った桂馬を跳ねる「4五桂」が厳しい決め手となり、午後6時44分に110手で木村の勝利が決まった。

終局直後、木村は「押さえ込まれそうになって、失敗したと思った。4五桂と跳ねて、ペースを握れたと思った」と語った。

今シリーズは、「千駄ケ谷の受け師」の異名もある木村の辛抱強さが随所で光った。第3局と第6局は、守勢に立たされた後に反撃を決めて、勝利。相手の攻めの切っ先を冷静にかわす場面が目立ち、充実ぶりがうかがえた。

木村は2005年の竜王戦以降、タイトル戦に6度登場したが、いずれも敗れていた。挑戦者になったのは3年ぶりだったが、初タイトル獲得の最年長記録を更新する結果となった。

感想戦後のインタビューで木村は、「結果が出せて大変うれしい」と喜ぶ一方、今回タイトルを取れた理由を問われ、「わからない。たまたまだと思う」と述べた。年齢を重ねることについては、「いいイメージは一つもない。3年ぶりの2日制だったが、やっぱり疲れる。ちょっと戸惑いながらやっていたところもあった」。不安を抱えながらも、無我夢中でつかみ取った勝利だった。

近年、タイトル戦で活躍しているのは20代、30代が中心だ。「40代半ばになって、どんどんきつくなっているのを感じている。自分なりに研究の時間を増やして頑張っていくしかない」

■豊島「実力不足の結果」 竜王戦の挑戦権争いは制す

豊島は第5局を制して3勝2敗としながら、タイトル初防衛を逃した。開幕時は名人、棋聖と併せて三冠だったが、これでタイトルは名人のみになった。「実力不足。仕方がない結果だと思う」と振り返った。

木村とは、王位戦と並行して竜王戦の挑戦者決定三番勝負でも顔が合った。こちらは2勝1敗で豊島が制し、広瀬章人竜王への挑戦権を獲得した。豊島と広瀬はタイトル戦では初対戦。「名人VS竜王」となった七番勝負は、11日に開幕する。(村瀬信也)

情報源:木村、辛抱実った新王位 46歳で初タイトル「たまたま」 将棋:朝日新聞デジタル



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