(大志 藤井聡太のいる時代)激闘編:8 「解説付きで見たい」新人では異例の全局集:朝日新聞デジタル

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2019年9月1日05時00分

東京・将棋会館の書籍売り場に並ぶ「藤井聡太全局集」
東京・将棋会館の書籍売り場に並ぶ「藤井聡太全局集」

「全局を解説付きで見たいという要望が多く寄せられた。タイトルも取ってないし、タイトルに近いところにも行っていない棋士としては異例です」

2018年6月発売の「藤井聡太全局集 平成28・29年度版」(税込み2657円)を手がけたマイナビ出版の島田修二・書籍編集2課長(40)はこう話す。全局集は、16年12月のプロデビュー戦(対加藤一二三九段)から18年3月の順位戦C級2組10回戦まで、藤井聡太七段(17)が指した公式戦全59局の棋譜を解説つきで紹介した実戦集だ。

空前の「藤井ブーム」の追い風を受けて、17年から18年にかけて藤井自身を紹介する本が数多く出版された。だが、解説が主な内容の「全局集」や「名局集」は、タイトルを数多く取るなど実績を重ねた大棋士が出すものだ。「大山康晴全集」が有名で、谷川浩司九段(57)の年度別の全棋譜を収録した「谷川浩司全集」もある。羽生善治九段(48)も節目節目で全局集を出してきた。

藤井の全局集は、将棋関連の書籍を多く出している同社の将棋書籍全体で1、2位を争う売れ行きだ。今年6月に出た平成30年度版も好評で、発売2週間で増刷が決まった。価格が税込み5千円を超える「愛蔵版」もよく売れていて、購入者の3割近くが女性だという。島田は「普通は10%もないのが当たり前で、突出している」と話す。

人気では既に歴史に残る名棋士と肩を並べた藤井だが、全局集が売れているのはそれだけが理由ではない。羽生の場合、特に15歳のプロ入りから19歳の初タイトル獲得までのものが今でも売れているという。「デビュー時の羽生さんはすごい粗削りで、序盤ですぐに悪くなるけど終盤で才気が爆発というか、並べていて面白い将棋が多い」と島田。「将棋自体に面白さや華やかさといった魅力があることが大事で、そういう意味で藤井聡太さんの将棋には華があるんです」=敬称略(村上耕司)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)激闘編:8 「解説付きで見たい」新人では異例の全局集:朝日新聞デジタル


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