第69期王将戦 二次予選決勝 谷川浩司九段 vs 藤井聡太七段
9月1日、朝10時より対局開始、将棋プレミアムで生中継
2019年8月31日08時00分
将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(17)が9月1日、永世名人の資格を持つ谷川浩司九段(57)と公式戦で初めて対局する。勝者は、将棋界に八つあるタイトル戦の一つ、王将戦の挑戦者を決めるリーグ戦入りが決まる。最年少でのタイトル挑戦、さらに奪取の記録更新が期待される藤井七段にとって重要な対局だ。一方、通算1324勝の谷川九段にとっては、勝てば通算勝利数歴代単独3位達成となる節目の対局だ。
戦いの舞台は「第69期大阪王将杯王将戦」(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)二次予選の決勝。
王将戦には全棋士が参加。一次予選と二次予選がトーナメントで行われる。二次予選を突破した棋士3人にシード棋士4人が加わり、挑戦者決定リーグ戦(いわゆる「王将リーグ」)が行われる。シード棋士は前「王将」の久保利明九段(44)、糸谷(いとだに)哲郎八段(30)、広瀬章人(あきひと)竜王(32)、豊島将之(とよしままさゆき)名人(29)=王位と合わせて二冠=という豪華な顔ぶれだ。王将リーグの優勝者は、来年1~3月に予定される七番勝負で渡辺明王将(35)=棋王、棋聖と合わせて三冠=に挑戦する。
藤井七段、最年少記録更新か?
将棋界のタイトル挑戦の最年少記録は17歳10カ月、タイトル獲得の最年少記録は18歳6カ月。いずれも屋敷伸之九段(47)の記録だ。7月19日に17歳の誕生日を迎えたばかりの藤井七段が今期の王将戦で挑戦、奪取を果たせば、屋敷九段の持つ二つの最年少記録を塗り替えることになる。王将挑戦者に決まった場合、1989年11月27日に屋敷九段が棋聖戦の挑戦者決定戦で勝って以来、約30年ぶりの記録更新となる。
さらに、挑戦だけでなく、王将位の奪取まで成し遂げた場合は、1990年8月1日に屋敷九段が棋聖戦五番勝負第5局を制して3勝目を挙げ、棋聖位を奪取以来の記録更新となる。
谷川九段も「記録」達成?
タイトル戦登場57回、獲得27期という「歴戦の雄」谷川九段にとっては、プロデビューから積み重ねた通算勝利数で歴代単独3位に躍り出るチャンスだ。
谷川九段は8月17日、高見泰地(たいち)七段(26)に勝ち、通算1324勝を達成。加藤一二三(ひふみ)・九段(79)=2017年6月に引退=の通算1324勝に並んだ。高見七段は今年5月まで「叡王(えいおう)」のタイトルを保持していた、関東の実力者。谷川九段は、記念の白星を、タイトル獲得経験がある若手強豪から挙げたわけだ。
あと1勝で、歴代1位の羽生善治九段(48)の1441勝(8月29日の対局分まで、日本将棋連盟のホームページによる)、歴代2位の大山康晴十五世名人(故人)の1433勝に続く歴代単独3位となる。偉大な記録が、新しいスター棋士の藤井七段との対局で達成されれば、ますます話題となりそうだ。
谷川九段が勝った場合、もう一つ、記録が生まれる。「藤井七段に勝った最年長の棋士」という記録だ。これまでのところは、当時54歳だった井上慶太九段(現在は55)が2018年3月28日、第68期王将戦の一次予選で勝利したのが最年長記録だ。谷川九段と井上九段は兄弟弟子で、親しい間柄。2人は関西将棋会館でのトークショーで共演した際、藤井七段の話題になり、弟弟子の井上九段が「私の『最年長記録』を破りそうなのは、谷川先生だと思っていますが……。でも、出来るかなあ?」とジョークを飛ばしたこともある。
「中学生棋士」同士の激突
将棋界には「中学生棋士」という言葉がある。中学在学中にプロ入りを果たした「超早咲き」、良い意味で「規格外」の棋士たちへの敬意がこもる表現といえる。
中学生棋士は、たった5人しか、いない。
プロ入りした順に、加藤一二三・九段、谷川浩司九段、羽生善治九段、渡辺明三冠、藤井聡太七段。まだ高校生で、プロ棋士としての歴史が浅い藤井七段を除く4人は、いずれも名人か竜王に就いたことがある、超一流の棋士たちだ。
藤井七段と谷川九段の対局は、新旧「中学生棋士」決戦でもある。
実は、藤井七段はこれまで、節目の対局で、「中学生棋士」の先輩たちと対局してきた。
藤井七段のプロデビュー戦の相手は加藤九段で、プロ初勝利を挙げた(2016年12月24日、第30期竜王戦ランキング戦6組)。
羽生九段とは2018年2月17日、第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で対戦し、勝利。直後の決勝も制し、史上最年少の15歳6カ月で棋戦優勝を成し遂げた藤井七段にとって、重要な一局だった。
渡辺三冠とは2019年2月16日、第12回朝日杯将棋オープン戦の決勝で対局。藤井七段が勝って、朝日杯連覇を決めた。
藤井七段にとって、自分以外の「中学生棋士」4人のうち、谷川九段を除く3人とは公式戦で対戦済み。今回の谷川九段戦を終えれば、全員と公式戦で対局したことになる。
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注目の藤井―谷川戦は9月1日午前10時、大阪市福島区の関西将棋会館で始まる。持ち時間は各3時間。終局は夕方以降になりそうだ。(佐藤圭司)
情報源:藤井七段、谷川九段と初の公式戦 記録更新へ重要な対局:朝日新聞デジタル
9月1日(日)、谷川浩司九段と藤井聡太七段の初手合が王将リーグ入りを懸けた大一番で実現する。谷川浩司九段と言えば中学生棋士の1人で史上最年少名人のほか、タイトル通算27期を誇る歴史に名を残すトップ棋士。代名詞の「光速の寄せ」は、当時の将棋界の終盤の概念を覆したほどだ。中学生棋士は谷川と藤井の他、加藤一二三九段、羽生善治九段、渡辺明三冠がいるが、藤井は他の3人とは公式戦で対戦しており(いずれも勝利)、谷川との初手合で歴代中学生棋士すべてと対戦したことになる。
谷川はトップ棋士でもあるが、詰将棋作家としての側面も持つ。江戸時代の将棋の名人は詰将棋作品集を上梓するのが習わしだった時期もあるが、実力制名人となってからは谷川が初めて図式集(詰将棋作品集)を出版した。
藤井と谷川と言えば、藤井が奨励会に入る前にイベントで指導対局を受けたそうだ。手合は谷川の二枚落ちで、谷川の玉が寄らない形になったので引き分けを提案したところ、大泣きして拒否したという。藤井の負けず嫌いがうかがえるエピソードだが、そこからわずか9年で対等の立場で盤を挟む機会が来た。
戦型の本命は両者が得意とする角換わりだが、谷川が振り飛車を選択する可能性もあるだろう。現在のタイトルホルダーは渡辺明王将。その挑戦権を争える挑戦者決定リーグに名を連ねるのはわずか7人。豊島将之名人、広瀬章人竜王、久保利明九段、糸谷哲郎八段と4人のトップ棋士が前期残留を決めており、新規にリーグ入りできるのは谷川─藤井戦の勝者の他2名。藤井にとっては初のタイトル戦登場が狙える上に、トップ棋士6人との総当たりリーグは更に強くなる糧となるだろう。
生放送もされる注目の二次予選決勝(谷川浩司九段─藤井聡太七段)は9月1日(日)に関西将棋会館で行われる。将棋ファンならずとも絶対に見逃せない、天才棋士同士の記念すべき初対局だ。
文=渡部壮大
放送情報
(生放送)第69期 大阪王将杯 王将戦 二次予選 谷川浩司九段 VS 藤井聡太七段
放送日時:2019年9月1日(日)9:58~、14:00~
※対局終了まで延長・無料放送
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
情報源:藤井聡太七段が谷川浩司九段と初対局!「第69期 大阪王将杯 王将戦 二次予選」|文化人・その他|ホミニス
2019年8月30日 18時59分(最終更新 8月30日 20時00分)
将棋の現役最年少棋士、藤井聡太七段(17)と十七世名人の資格を持つ谷川浩司九段(57)による第69期大阪王将杯王将戦(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、大阪王将特別協賛)の2次予選決勝が9月1日、大阪市福島区の関西将棋会館で指される。藤井は、勝てば初の挑戦者決定リーグ入り。一方の谷川には通算1325勝の勝利数歴代単独3位の記録も懸かる。注目の一番は、2人の公式戦初対局でもある。
共に中学2年でプロ棋士になった早熟の天才。谷川は藤井にとって子どもの頃のあこがれの棋士で、最初の接点は藤井が小学2年のとき。谷川側の飛車と角を盤から取り除く「2枚落ち」で指導を受け、劣勢の局面で終了時間となった。谷川が「引き分けにしようか」と持ちかけると、藤井が将棋盤に覆いかぶさって泣きじゃくったというエピソードが残っている。
2016年10月のプロ入り後、既に朝日杯連覇と新人王戦優勝の実績を上げた藤井にとって、最大の目標はタイトルの獲得だ。タイトル挑戦の最年少記録は屋敷伸之九段(47)が四段時代に棋聖戦に挑戦した17歳10カ月。獲得の最年少記録も五段時代の屋敷で、18歳6カ月で前期敗れた棋聖を奪取した。現在17歳1カ月の藤井は、両方の記録を更新する可能性を持っている。
一方、これまで王将在位4期の谷川は、勝てば6期ぶりのリーグ復帰。さらに通算1324勝で並ぶ加藤一二三九段(引退)を抜いて勝利数単独3位となる。
藤井七段は8月26日の2次予選準決勝後、「谷川先生とは公式戦初対局になるが、対戦できることはうれしい。すぐ対局があるので、コンディションを整えて臨みたい」と話し、谷川九段は「いつ対戦になるかとずっと思っていた。リーグ入りと勝利数単独3位が懸かり、注目される中で指せることはうれしい」と対局を心待ちにしている。【新土居仁昌】
情報源:1日に王将戦2次予選決勝、藤井聡太七段が谷川九段と公式戦初対局 新旧「早熟の天才対決」 – 毎日新聞
2019/08/28 11:15
将棋の最年少棋士、藤井聡太七段が26日に行われた第69期大阪王将杯王将戦2次予選準決勝で中村太地七段に勝利しました。
藤井聡太七段、初のリーグ入りなるか
大阪王将杯王将戦は、全棋士が参加するタイトル戦です。1次予選・2次予選をトーナメントで行い、その勝ち上がり者にシード棋士を加えた7人でリーグ戦を行います。リーグ優勝者と現タイトルホルダーの渡辺明王将が、1月から3月にかけて七番勝負を行います。
藤井七段は本棋戦に第67期から参加しましたが、その期は1次予選準決勝敗退。第68期は1次予選3回戦敗退と悔しい結果となりました。今期は元タイトルホルダー2人を含む強豪棋士達を破って2次予選決勝に駒を進めました。
決勝の相手、谷川浩司九段はタイトル獲得合計27期、永世名人の資格を持つ一流棋士で、歴代2人目の中学生棋士でもあります。本棋戦の今期は飛ぶ鳥を落とす勢いの20代、30代の若手精鋭達を相手に勝ち進みました。また今月17日には通算1324勝を挙げて加藤一二三九段の歴代3位の勝数記録と並びました。
両者は公式戦初の対戦となります。谷川九段は通算1325勝という単独3位の大記録の樹立、藤井七段はデビュー初のリーグ入りを懸けた重要な一局となります。両者の想いが激突する2次予選決勝戦は9月1日、大阪・関西将棋会館で行われます。
情報源:藤井聡太七段が2次予選で勝利 決勝の相手は谷川浩司九段 第69期王将戦(マイナビニュース) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:藤井聡太七段が2次予選で勝利 決勝の相手は谷川浩司九段 第69期王将戦 | マイナビニュース
2019年8月27日 05:30
将棋の藤井聡太七段(17)は26日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)2次予選3組準決勝で中村太地七段(31)を下し、決勝進出を決めた。自身初の挑戦者決定リーグ(9月下旬開幕予定)入りを懸けて対戦するのは重鎮・谷川浩司九段(57)。9月1日、大阪市の関西将棋会館で夢カードが実現する。
王座経験を持つ強豪を藤井は91手で退けた。振り駒で先手となり、得意の角換わりへ誘導。40手目で駒がぶつかる早い開戦に「こちらの王が常に危ない形になって形勢は分からなかった」と明かしながらも、その自王を銀3枚、金2枚でがっちりガードして中盤から着々と優位を築いていく。攻めては2枚の角と桂馬の3枚を有効に絡ませ、あっという間に寄せの形に。「(73手目の)4一角打ちで良くなったと思います」と落ち着いた声で勝因を示した。
プロとなってから1次予選での敗退が続き、相性の悪さもささやかれた王将戦。満を持して臨んだ今期は鬼門を軽々と突破し、初登場となった2次予選も2連勝で決勝へとたどり着いた。「将棋界で最も過酷」といわれる挑戦者決定リーグ入りまで1勝と迫り、最後に乗り越えなければならないのが「憧れの棋士」と公言している棋界のレジェンドだ。
有名な逸話がある。藤井が小2時代に参加した指導対局で谷川と対決。大敗寸前となり「引き分けにしよう」と優しい言葉をかけられたにもかかわらず、将棋盤を抱え込んで号泣した伝説の一戦だ。
「谷川先生とは公式戦初の対局。今回対戦できることはうれしく思います」。その谷川は現時点で通算1324勝。藤井戦は歴代単独3位の1325勝目を懸けた戦いとなる。昨年2月に藤井が朝日杯を史上最年少で制した際、中堅棋士に対し「君たち、悔しくないのか」と異例の辛口コメントを残していたのも何かの因縁か。
背筋をすっと伸ばした藤井は「次局はすぐにあるので、コンディションを整えて指せればと思います」と谷川戦に思いをはせた。令和の将棋史に残るはずの激突は次の日曜だ。 (我満 晴朗)
情報源:藤井聡太七段、王将戦二次予選決勝進出!「憧れのレジェンド」谷川九段と初対局へ(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:藤井聡太七段、王将戦二次予選決勝進出!「憧れのレジェンド」谷川九段と初対局へ― スポニチ Sponichi Annex 芸能
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