3年前に作られたポスター(左)と、下水流の移籍が決まり作られたポスター(右)

広島市下水道局、楽天選手を激励?球場に意外なポスター:朝日新聞デジタル

下水流(しもずる)か・・・


2019年8月4日18時00分

3年前に作られたポスター(左)と、下水流の移籍が決まり作られたポスター(右)
3年前に作られたポスター(左)と、下水流の移籍が決まり作られたポスター(右)

7月、マツダスタジアムそばに1枚のポスターが張り出された。

「ありがとう下水流 仙台での活躍を祈る!」の文字。右下には、広島市下水道局と入っている。

下水流(しもずる)といえば、7月2日に交換トレードで楽天に移籍したばかり。広島を去った選手に広島市の一部署が一体なぜこんなポスターを? 気になって探ってみた。

「まさか名前に…」

「下水道の広報の一翼を担ってくれた下水流選手にエールを送りたかった」と話す倉本局長
「下水道の広報の一翼を担ってくれた下水流選手にエールを送りたかった」と話す倉本局長

ポスターを作製したのは、市下水道局の倉本喜文局長だった。

市役所に勤めだして30年以上、下水道局で働く。生まれも育ちも広島でカープファンの局長は、2013年、社会人野球のホンダから入団してきた下水流に驚いた。「名前の響きを聞いても、まさか「下」と「水」という文字が入っているとは思わなかった」。縁を感じ、彼を応援しようと心に決めた。

16年、下水流が1軍で活躍するようになると「ここだ、チャンスが来たと思った」。実は、カープの本拠マツダスタジアムの真下には、JR広島駅周辺地区を浸水から守る「大州雨水貯留池」がある。その存在を世間に知らせるには、下水流はうってつけ。ポスターへの起用を球団に提案すると、快く受け入れてもらった。

その時に作ったのが「広島の外野は下水流が守る 広島の浸水は下水道が守る」という文言のポスターだ。16年はカープが25年ぶりに優勝した年。全国的にも赤ヘルが話題になったこともあり、このポスターも注目された。倉本局長が下水道局の人たちが集まる全国会議に出向いたときには、「どこの代理店に頼んで作ってもらったんですか」と尋ねられるほどの出来だった。

3年前に作製したポスターを手にする倉本局長
3年前に作製したポスターを手にする倉本局長

17年には、下水道の価値を伝える団体の広報のコンクールでグランプリを受賞。取材も多く受けた。

「下水道は見えないところで活躍する。広報で盛り上げて知ってもらわないといろいろな協力を得られない中、下水流選手のおかげで広く知ってもらえるようになった」

だが、今年の5月だ。倉本局長はマツダスタジアムに観戦に行った際に、所有していた下水流のユニホームをなくしてしまった。「悪い予感がした」。7月にトレードが発表になった。「気持ちがあって、一発の魅力もあった選手。大好きだった。ショックだった」

トレード翌朝にポスター

2016年の日本シリーズでプレーする元広島の下水流
2016年の日本シリーズでプレーする元広島の下水流

何より、もうポスターを貼れなくなってしまう。これまでの感謝とエールを送るために、トレード発表の翌朝、ポスターを作った。デザインは3年前のものを活用。そのため、ポスターの下部には、下水道の宣伝も忘れていない。「広島のこのグランドで再び輝くことを浸水を防ぎながら待っている!」

「日本シリーズで再会できるように」との思いをこめたが、下水流本人には知らせていないという。「おとなしめに作らせてもらいました」。見えないところで活躍する下水道マンらしさが満載だった。

マツダスタジアムの下にある「大州雨水貯留池」は事前申し込みをすれば月、水、金に見学可能。見学すると、カープ坊やのデザインされたマンホールのカードがもらえる。問い合わせは市下水道局管理部維持課(082・241・9223)へ。(藤田絢子)

情報源:広島市下水道局、楽天選手を激励?球場に意外なポスター:朝日新聞デジタル




ふむ・・・