(月刊将棋)新作戦と定跡、せめぎ合い 郷田九段に軍配 第78期将棋名人戦・B級1組順位戦:朝日新聞デジタル

2019/6/27 第78期 順位戦 B級1組 2回戦
郷田真隆九段 vs 永瀬拓矢叡王
150手まで、郷田九段が勝った一局


2019年7月6日16時30分

対局を振り返る郷田真隆九段(右)と永瀬拓矢叡王=6月28日午前0時55分、東京都渋谷区
対局を振り返る郷田真隆九段(右)と永瀬拓矢叡王=6月28日午前0時55分、東京都渋谷区

将棋の戦術は日進月歩だ。盤上では日々、従来の常識と新しいアイデアがぶつかり合っている。第78期将棋名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の永瀬拓矢叡王(えいおう)(26)―郷田真隆九段(48)戦は、まさにそのせめぎ合いが繰り広げられ、日付をまたぐ熱戦になった。

永瀬は前期、B級2組で10戦全勝を果たした。5月には初タイトルの叡王を獲得したが、その後の公式戦は4勝5敗とやや振るわない。上から二つ目のクラスであるB級1組には、今期が初参加。1回戦は菅井竜也七段(27)に敗れた。

名人戦で2度挑戦の経験がある郷田は、棋聖戦で挑戦者決定戦に進出するなど、第一線での活躍を続けている。B級1組は第75期から在籍しており、今期1回戦は松尾歩八段(39)に敗れた。

共に黒星スタートの両者の一戦は、6月27日に東京都渋谷区の将棋会館で指された。過去の対戦成績は3勝3敗だ。

永瀬は、様々な戦法を使いこなす作戦家で知られる。先手番の本局は矢倉を選んだ。郷田が長年得意としている戦法で、真っ向から戦いを挑んだ形だ。

図1・▲4八金まで
図1・▲4八金まで

図1のように、定位置の8八ではなく7八に玉を囲い、4八金型に構えたのが永瀬の新工夫。堅さよりもバランスを重視している点が今風と言える。対する郷田は、「飛車+角+銀+桂」の4枚で攻めを狙う陣形を築いた。矢倉の定跡書に載っている典型的な理想型で後手が作戦勝ちに成功したかと思われたが、郷田は苦悩していた。思いの外、攻め方が難しいのだ。

47分の考慮で△9五歩と仕掛け、▲同歩△8六歩▲同銀△8五銀と進んだが、▲7七銀と引かれてみると、一気に攻めつぶす手段はない。2九の飛車が左辺まで利いており、先手からは▲4五歩の反撃が厳しい。永瀬の新構想は成立していたようだ。

この後、何度も攻守が入れ替わる攻防が続いたが、永瀬が好機を逃し、郷田が優位に立った。双方、1分将棋の中、永瀬は打った歩の成り捨てを2回繰り返して時間を稼ぐが、逆転の妙手は見つからない。クライマックスは図2。郷田が打った△3七銀がトドメの一手で、以下は▲同角△5七竜▲同玉△4五桂打と進んで、先手玉は即詰みだ。終局は28日午前0時49分。激闘だった。

図2・▲5七同金まで
図2・▲5七同金まで

感想戦では、図1の前後の手順が熱心に調べられた。「難しいな」「一番普通にやったけれど」。十分な態勢を築いたはずの郷田は、しきりに首をかしげていた。永瀬は「作戦負けなのかどうか、判断が難しい。守勢だとは思ったんですが」。控えめな言葉ながら、深い研究に裏打ちされた自信を感じさせた。

永瀬は前期最終戦まで順位戦で19連勝していたが、開幕2連敗となった。「まだまだたくさん教えていただける。また勉強して頑張りたい」と前を向いた。(村瀬信也)

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情報源:(月刊将棋)新作戦と定跡、せめぎ合い 郷田九段に軍配 第78期将棋名人戦・B級1組順位戦:朝日新聞デジタル


第78期B級1組順位戦で、永瀬拓矢叡王VS郷田真隆九段の対局が6月27日に行われ、郷田九段が150手で永瀬叡王に勝ち、1勝1敗としました。

郷田九段は第49期より本棋戦に参加しており、本棋戦の通算成績は187勝119敗(0.611)です。

次戦は、郷田九段は深浦康市九段と、永瀬叡王は斎藤慎太郎王座と対局します。

情報源:郷田真隆九段が永瀬拓矢叡王に勝ち1勝1敗に 第78期B級1組順位戦|棋戦トピックス|日本将棋連盟


永瀬拓矢叡王 vs △郷田真隆九段(棋譜を見る

150手まで、郷田九段の勝ち。




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