(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:4 序盤から腰据える姿、広瀬も好感:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


朝日杯将棋オープン戦の決勝後、記者会見に臨んだ広瀬章人八段(右)と藤井聡太六段(肩書はいずれも当時)=2018年2月
朝日杯将棋オープン戦の決勝後、記者会見に臨んだ広瀬章人八段(右)と藤井聡太六段(肩書はいずれも当時)=2018年2月

2019年6月9日05時00分

将棋の作戦のトレンドは、ファッションなどと同様に移り変わりがある。近年、プロの間で流行している戦法が「角換わり」だ。

2018年の第11回朝日杯将棋オープン戦決勝。先手の藤井聡太七段(16)は、この角換わりを採用した。広瀬章人竜王(32)は相手の攻めを警戒しながら想定内の局面を迎えたが、藤井の仕掛けが機敏だった。「やりづらいだろう、と思っていた攻めをいきなりやられてしまった。若いだけあって、発想が柔軟だと感じました」

棋士は、事前に作戦を入念に練って対局に臨む。局面の分岐点ごとに、双方の指し手を深く掘り下げる。共に得意とする戦型だったが、藤井の研究の深さが光る形となった。

近年は著しい進化を遂げた人工知能(AI)の登場に伴い、研究が効率的にできるようになった。未知の局面になった時にじっくり考えられるよう、序盤は持ち時間をあまり使わずに指し進める棋士も多い。

そんな中、藤井は序盤から腰を据えて考える場面が目立つ。広瀬はこう分析する。

「実戦の場での対応力を身につけようとしているのでは。将来性を考えると、そうしたスタイルの方が好感を持てます」

広瀬と藤井の2人は、鋭い終盤力の持ち主という共通点がある。藤井は、詰将棋を解く速さと正確さを競う「詰将棋解答選手権」で5連覇中だが、広瀬も成績上位の常連だ。

ただ、朝日杯決勝で対戦した時は、リードを奪った藤井がそのまま押し切り、広瀬が終盤力を発揮する場面がなかった。

広瀬はこう言う。「もし藤井君を追い込んだら、きっとこちらの読みにない手がたくさん飛んでくるはず。その時、逃げ切れるのかどうか。藤井君の本気を引き出した上で、勝ちたい」

藤井は今年5月末、竜王戦の決勝トーナメント進出を果たした。広瀬への挑戦権を懸けた戦いが、まもなく幕を開ける。=敬称略(村瀬信也)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:4 序盤から腰据える姿、広瀬も好感:朝日新聞デジタル



へぇ・・・