(大志 藤井聡太のいる時代)挑戦編:8 「指す」から「観る」へ、人柄知る楽しみも:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年4月7日05時00分

佐藤天彦名人に勝った藤井聡太四段(当時)は、観戦したファンから拍手で祝福された=2018年1月、名古屋市東区
佐藤天彦名人に勝った藤井聡太四段(当時)は、観戦したファンから拍手で祝福された=2018年1月、名古屋市東区

対局室で将棋盤を挟み、駒を並べる当時四段の藤井聡太七段(16)と佐藤天彦名人(31)に、ファン約200人の視線が一斉に注がれた。

2018年1月14日に名古屋市で行われた、第11回朝日杯将棋オープン戦の本戦。東京と大阪の将棋会館で指される通常の対局とは違い、ファンが観戦を楽しめるように公開された。

藤井が公式戦の公開対局に登場するのは初めて。4千~6900円の観戦チケットは前年末に発売され、即日完売した。

日本将棋連盟の常務理事を務める鈴木大介九段(44)は、対局当日の光景に目を見張った。「東北や九州などから来た人もいた。そして、女性ファンの割合が高い。以前の将棋イベントでは、こんなことはなかった」

将棋ファンは従来、「自分が指して楽しむ人」がほとんどだったが、近年は、棋士のライバル関係や人柄などに魅力を感じる「観(み)て楽しむ」ファンが増えている。年上の棋士たちを次々と破る中学生の藤井の活躍は、その傾向に拍車をかけた。

愛知県長久手市の野口知里(34)は、藤井がデビュー戦から連勝を伸ばしている頃、将棋に興味を持った。AbemaTVやニコニコ生放送で、対局のネット中継を見るようになった。「棋士の解説がわかりやすくて、楽しいなと思った」

18年の名古屋対局では、初めて大盤解説会に足を運んだ。対局後に感想を述べる壇上の藤井は、緊張しているように見えた。「対局中の気迫あふれる姿とギャップがあって、ますますファンになった」

今年の朝日杯・名古屋対局では、対局室で観戦した。藤井がタイトル戦に出る時は、現地に駆けつけるつもりだ。

鈴木は言う。「超初心者も含めて、幅広い層が楽しめるイベントの開催を増やしたい」

=敬称略

(村瀬信也)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)挑戦編:8 「指す」から「観る」へ、人柄知る楽しみも:朝日新聞デジタル


へぇ・・・