3つ子の母への実刑判決 執行猶予求める署名2万5000件超

3つ子の母への実刑判決 執行猶予求める署名2万5000件超 | NHKニュース

ふむ・・・


2019年3月22日 20時25分

愛知県豊田市で生後11か月の3つ子の1人を死亡させた罪に問われた母親の裁判で、先週、実刑判決が言い渡されたことに対して、2審では執行猶予をつけるよう求める署名活動がネット上で始まり、22日、2万5000件を超えました。

愛知県豊田市の松下園理被告(30)は去年1月、自宅で、生後11か月の3つ子のうち次男を床にたたきつけて死亡させたとして傷害致死の罪に問われ、弁護側は「周囲の支援がなく重度のうつ病だった」として執行猶予のついた判決を求めました。

これに対して名古屋地方裁判所岡崎支部は、今月15日、「3つ子の育児を懸命に行ったことに同情はできる」とした一方、「執行猶予をつけるほど軽い事案ではない」として、懲役3年6か月の判決を言い渡しました。

弁護側は、刑が重すぎるとして、名古屋高等裁判所に控訴することにしています。この判決を知った子育て中の母親の間で同情する声が高まり、2審では執行猶予をつけるよう求める署名活動がネット上で始まりました。

署名活動を始めたのは、大阪市に住む直島美佳さん(51)です。

事件の当事者の母親とは面識はありませんが、直島さんも、不妊治療をして3つ子を出産した経験があります。

豊田市の事件が起きたときにニュースを見て自分と同じ境遇だと感じ、実刑判決が出たことを知って、署名活動を始めたということです。

直島さんは、「3つ子を育てることの大変さが理解されていないのではないかと感じた」といいます。「1日におむつを3人合わせて30回かえる、ミルクも24回あげる、しかも3人バラバラに起きて泣くので、私は24時間起きているような感じです。

子どもが1歳になるまで、記憶がほとんどありません」。直島さんも子どもが生後11か月のころが1番つらかったということで、そのころに子どもが保育園に入ることができなければ、自分も事件を起こしていたかもしれないと振り返っています。

署名の呼びかけ文では、「虐待死は許されることではありません。でも、3年6か月は長すぎます。服役を終えて出てきた時、2人のお子さんは5歳半です。11か月から5歳半まで母親に会えずに過ごすことになります。2人の子どもに向き合って育てながら罪を償うほうがいいと思います」と訴えました。

ネット上では、母親がすぐに子育てに戻るとまた疲弊してしまうといった慎重な意見も見られましたが、直島さんは、本人に子育ての意欲があり、今後は周囲のサポートを受けられるということを支援団体から聞いているということです。

母親は、22日保釈され、ネット上でコメントを発表しました。

この中で、署名活動について、「多くのみなさまが、3つ子育児の大変さに共感して声をあげてくださったこと、減刑の署名をしてくださったことを弁護士の先生から聞きました。1人ではないと感じ、次男と残された2人の子どもたちへの思いや、孤独と絶望に押しつぶされそうな拘置所での生活の大きな心の支えになりました。本当にありがとうございました」と感謝のことばを述べています。

事件については、「毎日次男を思い出し、胸が張り裂けそうな思いです。次男の命を奪ったことは決して許されることではなく、私の命をかけても償いきれないことだと思いますが、これからの一生をかけて償なっていきたいと思っています」と述べています。

そのうえで、今後のことについては、「残る2人の子どもたちの母でもあることを考えると、1日も早く子どもたちとともに生活していきたいと思います。その際には、児童相談所にご指導いただき、また、家族、病院、カウンセラー、多胎支援や地域の方々など、多くのみなさまの助けを借りながら、しっかりと子どもたちに向き合っていくつもりです」とつづっています。

直島さんは、3つ子の場合、支援を受けるための行動を起こすことすら難しいと話しています。

直島さんは、3人の子を自分1人で外に連れ出すのが体力的に難しいため、自治体の集団健診にも行けなかったという実体験があり、相談窓口にたどりつくことすら難しい現状を知ってほしいと考えています。

3つ子の親として何よりも助かるのは、周囲の人たちや外出先で出会った人たちのさりげない手助けだといいます。

「優しい店員さんがいるコンビニが近くにあって、子どもが走り回っても怒らずに見守ってくれて、それだけでありがたいです。外出先で子どもが走り回っているとき、一瞬、『このまま子どもを置いて、私1人で家に帰れば楽になれる』という考えがよぎるときがあります。事件を起こしたお母さんも、子どもを置いて家出したりしなかったと考えると、よく11か月の間、頑張ったなと思います」(直島さん)

直島さんは事件の担当の弁護士と相談しながら、今後も署名活動を続けていくということです。

ネット上で広がる同情の声

ネット上では、同じように子育てに追われる母親たちから、実刑判決を受けたことに同情する声や、支援制度の充実を求める声が相次いでいます。

ツイッターなどでは、子育てをする母親たちから、今回の実刑判決について、
「つらい。私は双子でも限界だったのに。泣きながら自治体に電話したけど、なんにも助けてくれなかった」とか、「誰にも頼れず、24時間寝る間もなく育児をしていた母親だけが、この事件を起こしてしまったわけではないのでは」、「母として涙なしでは見られない。子どもはかわいいです。とても大切です。だからこそ孤独の中、子育てに行き詰まる苦しみもよくわかります。渦中にいる人なら皆、自分は運がよかったのだと思えるのではないでしょうか。この方もお子さんもかわいそうでなりません」といった同情する声が相次いで投稿されています。

一方で、「すぐに子育てに戻るのは危険だと思います。うつの治療と周りのサポート体制が整うことを大前提にするべき」とか、「さまざまな分野の専門家によって、時間をかけてきちんと検討されてほしい」などと母親が社会に戻る前に支援の在り方を考えるべきだという慎重な意見も見られました。

また、今回、事件が起きたのが、双子や3つ子を育てている「多胎家庭」だったことについては、「この母子を救うサポート体制がない社会全体の責任だと思う」、「この事件をきっかけに多胎児の母が子育てしやすい体制づくりを(求めます)」などと、早急に社会全体で支援の体制づくりを進めるべきだと訴える投稿も相次いでいます。

情報源:3つ子の母への実刑判決 執行猶予求める署名2万5000件超 | NHKニュース



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