へぇ・・・
2019年3月18日 19時14分
びわ湖でのみ生息が確認されている日本固有のコイについて、国立環境研究所などがコイに直接カメラを取り付ける最新の調査手法を使って水中での行動を撮影することに初めて成功し、生態を解明する手がかりになると期待されています。
日本には養殖されているコイとは別に体が細長く、背びれの形が異なる日本固有のコイがいますが、現在はびわ湖でしか生息が確認されておらず、絶滅のおそれがあるとされています。
国立環境研究所琵琶湖分室などのグループはコイの保護につなげようとコイの背中にカメラや記録計を直接取り付けて、びわ湖での生態や行動範囲などを調べる調査を進めています。
その結果、これまでに合わせて9匹分の水中での行動を撮影することに成功したということです。
映像には、水深8メートルでびわ湖固有のフナ、ゲンゴロウブナの大群とすれ違う場面やじっとしているコイにオオクチバス、いわゆるブラックバスが近づいていくる様子など自然界でのありのままの姿が写っています。
また、映像から、これらのコイが群れを作らずに生活していることが分かったということです。
びわ湖の日本固有のコイでこうした調査が行われたのは初めてです。
グループでは今後、記録計のデータからコイの泳いだ場所や時間を解析するなどして詳しい生態を調べることにしています。
調査を行った吉田誠特別研究員は、「コイの生態を知るうえで非常に大事なデータがとれた。こうしたデータから保全につながるような取り組みにつなげたい」と話していました。
グループでは来月初めにも専用サイトを立ち上げて集まった貴重な映像を公開するということです。
「バイオロギング」とは
こうした調査方法は、「生物」という意味の「bio(バイオ)」と「記録」という意味の「log(ログ)」を組み合わせて「バイオロギング」と呼ばれています。
生き物に小型のビデオカメラや記録計を直接取り付けて行動を記録することで、人の手が届かない場所で、詳細な生態を解明することができるとして、注目されています。
グループによりますと、今回、コイに取り付けたカメラは3日ほどたってから電源が入る設定になっていて、5時間から10時間ほど録画したあと、自動的に切り離されて水面に浮かび上がるということで、発信器の信号をたどって回収するということです。
これまではペンギンやサメ、ウミガメなど、比較的、体が大きくて、数が多い生き物で使われることが多かったそうですが、今回のコイのように小さくて希少な生き物でバイオロギングに成功したのは珍しいということです。
びわ湖に生息 日本固有のコイ
びわ湖にはユーラシア大陸から伝わった一般的に見られるコイに混じって、日本固有のコイが生息しています。
固有のコイは体が細長く、背びれの形が異なっているのが特徴で、養殖されているコイとは遺伝子にも違いがありますが、これまでのところ、同じ「コイ」として分類されているということです。
かつては各地に生息していたとされていますが、現在はびわ湖でしか確認されていません。
環境省のレッドリストでも「絶滅のおそれのある地域個体群」に登録され、保護が必要となっていますが、詳しい生態や、なぜ、びわ湖にだけ生き残っているのかなどは謎に包まれています。
グループでは今回の調査などで日本固有のコイの生態を解明し、保護する有効な方法につなげることを目指しています。
情報源:“コイ目線”の映像 撮影成功 固有種の生態解明手がかりに | NHKニュース
ほぉ・・・