簡単じゃないよな。
2019年3月17日05時00分
「いつタイトル戦に出てもおかしくない」。多くの棋士仲間からそう言われながら、藤井聡太七段(16)は2017年度、タイトル挑戦に届かなかった。
将棋界には八つのタイトルがあり、いずれも予選、本戦を勝ち抜いて1位になった棋士がタイトル保持者に挑む仕組みだ。五番か七番勝負の長丁場で、限られた棋士しか立つことのできないひのき舞台でもある。
デビュー1年目、破竹の勢いで勝っていた藤井は竜王戦と棋王戦で本戦入りした。しかし竜王戦は30連勝がかかった2回戦で佐々木勇気七段(24)との勝負に負け、棋王戦では初戦で豊島将之二冠(28)に敗れた。
次に肉薄したのがタイトル戦に昇格したばかりの叡王(えいおう)戦だった。16人の本戦トーナメントに進出。あと三つ勝てば初代叡王を決める決勝七番勝負に出られる。本戦1回戦は17年12月23日、東京・将棋会館で行われた。相手は深浦康市九段(47)。王位のタイトルを3期獲得したトップ棋士だ。
将棋は藤井が序盤で作戦勝ちから優位を築き終盤へ。深浦は「少し変化球ぎみの作戦をやったら、うまく対応されて苦しくなった」と振り返る。絶体絶命に陥った深浦は、丸裸の玉将のまわりに歩を3枚打ちつけ、攻めを紙一重で受け止めようとする。その頑強な抵抗に藤井が攻めあぐね、ミスが出た。最後はするりと体が入れ替わるように藤井の玉将が詰まされた。「いくつか勝ち筋があったと思うが逃してしまったのは残念」。対局後、絞り出すように語った。
「タイトルに近づける一年にしたい」。藤井の今年の目標だ。タイトル挑戦の最年少記録は屋敷伸之九段(47)の17歳10カ月。羽生善治九段(48)の初挑戦は19歳だった。記録更新の期限は来年5月。あと五つのタイトル戦で挑戦の可能性が残っている。
=敬称略(村上耕司)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)挑戦編:5 近づけど、なかなか届かぬタイトル戦:朝日新聞デジタル
村)今日の朝刊の記事です。当時中学3年だった藤井現七段。トーナメントで勝ち進むものの、タイトル挑戦とまではいきませんでした。ある対局では痛い逆転負けを喫しました。
(大志 藤井聡太のいる時代)挑戦編:5 近づけど、なかなか届かぬタイトル戦:朝日新聞デジタル https://t.co/C8ZhErZI9Y— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) March 17, 2019
屋敷九段の最年少タイトル獲得は、棋聖戦が年間2回開催されていたころの記録だし、条件が違うからなぁ。
現在、一番タイトル挑戦に近づいたいたのは、前期の王座戦でのベスト4。