目隠しで詰将棋、藤井七段が挑戦 朝日おやこ将棋フェス:朝日新聞デジタル

へぇ・・・


2019年3月17日22時18分

目隠しをして詰将棋に挑戦するため、アイマスクをする藤井聡太七段=2019年3月17日午後、大阪市中央区、加藤諒撮影
目隠しをして詰将棋に挑戦するため、アイマスクをする藤井聡太七段=2019年3月17日午後、大阪市中央区、加藤諒撮影

第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)で2月16日に優勝し、2連覇を達成した高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)らが3月17日、大阪市中央区の「なんばスカイオ コンベンションホール」で開かれた「朝日おやこ将棋フェスティバル」(朝日新聞社、日本将棋連盟主催、和食麺処サガミ協賛)に登場。事前に申し込んだ親子ら103組245人の前で、目隠しした状態での詰将棋(つめしょうぎ)の早解き競争に挑戦したり、朝日杯の決勝戦の自戦解説をしたり。読みの早さと深さを披露し、会場を沸かせた。

藤井七段のほかに出演したのは、史上最年少の21歳で名人に就き、名人5期獲得も達成し、引退後に永世名人を名乗る資格を保持する谷川浩司九段(56)▽優れた詰将棋を創作した人に贈られる「看寿賞(かんじゅしょう)」を二度受賞し、詰将棋の達人とされる浦野真彦八段(55)▽谷川九段の唯一の弟子で新人王戦で優勝経験もある都成竜馬(となりりゅうま)五段(29)▽藤井七段の姉弟子にあたる室田伊緒(いお)女流二段(29)。5人とも日本将棋連盟関西本部(大阪市)所属の、いわゆる「関西棋士」。しかも、詰将棋が得意という共通点がある人気棋士がそろった。

詰将棋は、玉将を捕まえる手順を考えるパズルのようなもので、将棋の終盤で勝ちを決める力を養うのに役立つとされる。盲点に入りがちな、意外な正解手順を探す楽しさや、手順の美しさを愛(め)でるなど、いろいろな楽しみ方がある。

今回イベントのテーマの一つが、この詰将棋だった。まず、谷川九段が「詰将棋の魅力」と題して基調講演し、「初心者の人にとっては、簡単な詰将棋を解くことで、駒の動き方を覚えられるし、玉を捕まえる楽しさも分かるはず」と切り出した。詰将棋の歴史にも触れ、江戸時代の詰将棋づくりの達人、伊藤看寿の詰将棋作品を紹介。「今の目で見ても素晴らしい作品を多く残されています」と述べ、奥深い詰将棋の世界を紹介した。

続いて、浦野八段が、基本となる1手詰などの6題を参加者に出題。参加者が考えている間、出演棋士が会場を巡回して、参加者からの質問に答えたり、ヒントを出したり。楽しそうな笑い声が会場に響いた。

浦野八段の解説を聞き、納得した後は、若手棋士によるアトラクション。藤井七段、都成五段、室田女流二段が目隠しをして、詰将棋の早解きに挑んだ。浦野八段作の詰将棋が盤に並べられ、谷川九段が駒の配置を符号で読み上げて出題。早解きに挑戦する3棋士は頭の中で考える。計3題が出題された。

写真1は、3題目の問題図。谷川九段が「玉方(ぎょくがた)、1三歩、2一飛、2二玉、4四飛。攻(せ)め方(かた)、2四角。持ち駒は金3枚です」と出題すると、数秒して藤井七段が挙手。「解けました」のサインだ。会場から驚きの声があがった。藤井七段が「▲3二金△1二玉▲1一金△同玉▲3三角成△2二金▲2一金△同玉▲3二金△同金▲1一飛まで11手詰め」と答えると、この詰将棋の作者の浦野八段は「正解です」。大きな拍手が沸いた。藤井七段は「駒の配置を聴きながら、手順を予想していました」と明かした。

詰将棋コーナーの最後は、谷川九段が語る「美しい詰将棋」。

写真2は、谷川九段が示した自作の詰将棋の問題図。「最後は『えっ! こんなことになるんだ!』と感じていただけたら」と言って、正解手順を紹介し始めた。

写真3は、その問題の詰め上がり図。攻め方は銀4枚がタテに並ぶ、美しい詰め上がりとなった。会場から拍手、拍手。

谷川九段は「詰将棋は、(将棋が)強くなるために解くということもありますし、解いて楽しむということもあります」と締めくくり、参加者を詰将棋の世界に誘った。

藤井七段、将棋「家で」

この日の、もう一つのテーマは、「次の一手」クイズ。盤上の好手、妙手を探す問題に、参加者が挑戦した。

藤井七段の実戦譜のうち、朝日杯の準決勝の行方尚史八段(45)戦から2題、決勝の渡辺明棋王(34)=その後、王将も合わせて二冠=戦から1題が出題された。最後の問題は、藤井七段自ら、丁寧に解説し、深い読みの一端を示した。

最後は、棋士への質問コーナー。

「将棋と学校の勉強を、どう両立しますか」という質問に、藤井七段は「学校では授業に集中して、家では将棋の勉強に取り組んでいます」などと答えていた。

豊中市の鉾之原(ほこのはら)瞳さん(40)は、将棋が大好きな長男で小学1年生の和真(かずま)くん(7)と一緒に参加した。和真くんは「目隠しして詰将棋を解くのが、すごかった」、瞳さんは「将棋が親子で共通の趣味になったら楽しい」と話した。

イベント終了後、谷川九段は「今日のことを通じて、ご家庭の中で将棋の話題で盛り上がることになれば、私たち棋士にとって一番の喜びです」と話した。

日本将棋連盟常務理事の立場で、このイベントの実現に尽力した井上慶太九段(55)は「親子が一緒に盤を囲んで、和やかに問題に取り組む姿は、ほほえましくて、良かったな、と思いました。ご参加いただいた方からは、大変な好評をいただいたと思います。藤井さんの人気は関西でも、すごかったですね。藤井さんが入場した時の歓声は、すごかった」などと話した。(佐藤圭司)

情報源:目隠しで詰将棋、藤井七段が挑戦 朝日おやこ将棋フェス:朝日新聞デジタル



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