昇級は目前、白熱の争い 将棋・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


近藤誠也五段(左)が藤井聡太七段に勝ち、順位の差で1番手になった=いずれも大阪市福島区
近藤誠也五段(左)が藤井聡太七段に勝ち、順位の差で1番手になった=いずれも大阪市福島区

第77期将棋名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の昇級争いが白熱している。無敗だった杉本昌隆七段(50)、藤井聡太七段(16)の師弟コンビが10回戦で共に敗れ、4人が8勝1敗で並んだ。B級2組への切符を勝ち取るのは誰か。

今期のC級1組に参加したのは39人。それぞれ10局を戦い、成績上位2人がB級2組に昇級する。

今月5日の10回戦は、いつも以上の注目を集めた。杉本と藤井が共に勝てば、2人のB級2組昇級が決まるからだ。ここまで抜け番が1局ずつあり、8勝0敗。師弟が同じクラスでそろって昇級となれば、32年ぶりの快挙だ。

■藤井、辛抱を欠く

図・△9八歩まで
図・△9八歩まで

連続昇級を狙う藤井は、1敗の近藤誠也五段(22)と対戦した。近藤の通算勝率は7割を超える。先手の藤井が角換わり腰掛け銀で攻め、近藤が△9八歩と打った図の局面がポイントだった。

藤井は残り42分の持ち時間のうち約30分を使って、▲2二歩成を決断。△同銀▲3五桂△9九歩成▲2四飛と進んだが、△2三歩と受けられて先手の攻めは続かない。この後は、近藤が藤井の追撃をかわし、勝ちきった。終局は午後11時37分だった。

図の局面では、▲9八同香がまさったとされた。藤井は、後で△9七歩と打たれる手が残り、相手の読み筋通りの展開になると考えて歩を取らなかったが、ここは辛抱が必要だった。攻める手を選んだのは、形勢に自信が持てなかったことも背景にあったようだ。

藤井は対局後、「昇級を目指す上で痛い敗戦になった」。昨年から続いていた順位戦の連勝も18で止まった。近藤は後日の取材に対し、「(注目されたが)周りの事は気にせず、盤上に集中して指そうと思っていた。最終戦も強敵だが、普段通り頑張りたい」と答えた。

■杉本「自爆した」

昇級がかかる一局に和服で臨んだ杉本昌隆七段
昇級がかかる一局に和服で臨んだ杉本昌隆七段

杉本は、1敗の船江恒平六段(31)と当たった。勝てば、自身の昇級が決まる状況だったが、午後11時12分に敗れた。得意の四間飛車を採用したが、夕食休憩前に仕掛けた手が「自爆になってしまった」という。

杉本はこの日、和服を着て対局に臨んだ。「自分が勝てば藤井七段の昇級も近づく大きな一番なので、和服にした」。対局で和服を着たのは、2002年に朝日オープン将棋選手権の五番勝負を戦ったとき以来だという。最終局については、「今まで通り全力で指すだけで、気持ちは何ら変わりません」。船江は取材に対し、「悔いの残らないように、しっかりと準備をして臨みたい」と答えた。

■「順位」もカギに

10回戦を終え、全勝が消えた。1敗の4人が昇級争いの主役だが、ここで重要になるのが、前期の成績に基づく「順位」だ。勝敗が並んだ場合は、順位が上の棋士が昇級となる。

1番手の近藤と2番手の杉本は、勝てば昇級が決まり、敗れても昇級の目がある。3番手の船江は自身が勝ち、近藤と杉本のいずれかが敗れれば昇級だ。

C級1組初参加で順位が低い藤井は4番手で、「他力」の状況になった。自身が勝ち、近藤、杉本、船江の3人のうち2人が敗れた場合に昇級となる。7勝2敗の高崎一生六段(32)にも昇級の可能性がある。最終11回戦は3月5日に、東京と大阪の将棋会館で指される。(村瀬信也)

情報源:昇級は目前、白熱の争い 将棋・C級1組順位戦:朝日新聞デジタル



最終局、どうなるか・・・