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アメリカでは人口の3分の1が性教育を受ける前にセックス経験しており、「アメリカは性教育に失敗している」といわれています。性の健康のために禁欲プログラムを主張する国会議員もいますが、新たなメタアナリシスでは禁欲主義が早期の出産や感染症を防ぐどころか、逆に増やす結果になっていることが示されています。
Funding for Abstinence-Only Education and Adolescent Pregnancy Prevention: Does State Ideology Affect Outcomes? | AJPH | Vol. 109 Issue 3
https://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2018.304896Meta-Analysis Over Almost 20 Years Has Declared Its Verdict on Abstinence-Only Sex Ed
https://www.sciencealert.com/abstinence-only-education-is-more-of-a-hindrance-than-a-help-in-the-us
このメタアナリシスで研究者は、1998年から2016年の間における「性教育に対する連邦政府の補助金」と「15~19歳の女性1000人あたりの出生率」を比較しました。この結果、禁欲主義に対してのみ支払われた補助金は、若者の出生率に影響しないことが示されたとのこと。それどころか、州ごとのデータを比較したところ、政治的に保守的な地域では禁欲主義への補助金は若者の出生率の高さと関係していることが示されたそうです。研究者は例として、2008年に7100万ドル(約78億円)の補助金を受け取った保守派の州は1080件も若者の出産が多かったことを挙げています。禁欲主義が若者の出産率を低下させることにいい影響を及ぼさないということは、これまでもたびたび主張されてきました。
2017年に禁欲主義の影響についての研究を行ったJohn Santelli氏は「禁欲主義は理論的には効果がありますが、現実の『性行為を断つ』という意図はしばしば失敗します」「このプログラムは望まない妊娠や性感染症に対する若者の準備にはなりません」とコメントしました。禁欲主義のみの性教育は火に油を注ぐようなものであり、それに対して「安全な性行為」の教育は「消火栓」になり得るとのこと。2014年には保守派の州が妊娠予防の補助金として1300万ドル(約14億円)を得ましたが、この比較的少ない額でも「安全な性行為」の教育が10代の出産を減らす効果がみられたそうです。
by sasint
また、セクシュアリティや避妊、中絶といったことのウソ偽りない実際的な情報を10代の若者に伝えることが、性行為の頻度を増やしたり早期の性行為につながったりするという(PDFファイル)証拠はありません。
公衆衛生の専門家の多くは禁欲主義のみの性教育をやめ、避妊法といったより実際的な方法を取ることに賛成していますが、アメリカの政策決定機関がこの声に耳を傾けないという現状もあります。トランプ政権は禁欲主義の教育に対する補助金額を増加させており、若者の妊娠予防プログラムの予算をカットしました。この政策の影響は全てではないとしても、保守的な州に有害な影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
情報源:禁欲的な教育は思春期の出産を減らさないどころか増加させる – GIGAZINE
はぁ・・・