ストリーミングに移行していくのかね・・・
by Dwayne Bent
世界的な家電メーカーのSamsungは、通常のBlu-rayの4倍の解像度を誇る「4K ULTRA HD」対応Blu-rayプレイヤーの生産を終了したと経済紙のフォーブスが報じています。また、海外メディアのCNETがSamsungにコンタクトを取ったところ、少なくとも一部の地域ではフルHD(1080p)および4K対応のBlu-rayプレイヤーが販売終了となることが明らかになっており、いよいよBlu-rayも製品ライフサイクルの衰退期を迎えつつあるのではと報じられています。
Samsung Quits 4K Blu-ray Player Market
https://www.forbes.com/sites/johnarcher/2019/02/15/samsung-quits-4k-blu-ray-player-market/Samsung to stop making Blu-ray players – CNET
https://www.cnet.com/news/samsung-to-stop-making-4k-blu-ray-players-report-says/Samsung quits making new Blu-ray players – The Verge
https://www.theverge.com/2019/2/17/18228584/samsung-stops-producing-blu-ray-playersフォーブスが独自に入手した情報によると、Samsungは4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーの生産を終了する意向であるそうで、既に発表されている2019年後半に発売予定の「M9500」が、Samsung製の4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーとしては最後の製品となる見込みです。フォーブスは4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーの生産終了について具体的な理由を知ることはできなかったとしながら、生産を正当化するのに十分なマーケットシェアを得ることができないと判断したためだろうと記しています。
同時に、CNETがコンタクトを取ったSamsungの広報担当者は、「Samsungはもはやアメリカ市場には新しいBlu-rayプレイヤーや、4K対応Blu-rayプレイヤーを導入することはないでしょう」と語っており、アメリカなどの一部の国と地域では早々にフルHDおよび4K対応のBlu-rayプレイヤーの取り扱いが終了となることも明らかになっています。Samsungは記事作成時点でもかなり多くの種類のBlu-rayプレイヤーを製品ラインナップに抱えており、厳密には今後数カ月から数年間にわたってBlu-rayプレイヤーが生産され続けることになることは明らかです。しかし、アメリカなどの一部の地域では早々にBlu-rayプレイヤーの取り扱いを終了することとなる見込みで、一部の国と地域でのみBlu-rayプレイヤーが販売されることとなります。
Samsungは他のどのメーカーよりも早く4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーをリリースしましたが、同分野に他のメーカーよりも早く見切りをつけ、いち早くBlu-ray事業そのものから撤退する可能性も十分に考えられると海外メディアのThe Vergeは記しています。その理由は単純にBlu-rayディスクの販売数が全世界的に減少傾向にあるからです。
調査会社のNielsenは一般ユーザーがどのようなメディア上で時間を過ごしているのかを調査したレポートを公開しており、そこには「ストリーミングデバイスが人気を得るにつれ、DVDやBlu-rayプレイヤーなどの一部の製品は、その製品ライフサイクルの衰退期を迎えつつある」と記されています。
以下の画像は「アメリカの18歳以上の成人が1日にどのようなメディアを使っているのか?」をまとめたグラフ。TV・ラジオ・ゲーム・コンピューター・スマートフォン・タブレットといったものが並ぶ中、最も少ない1日平均でわずか5分しか使用されていないというのがBlu-rayプレイヤーおよびDVDプレイヤーです。このグラフからも、NetflixやHuluといったストリーミングサービスが人気を博す先進国では特に、今後Blu-rayプレイヤーの需要が縮小していくことは明らかです。
これに加えて、ストリーミングサービスが4K対応のサービスに注力し、より安価に4K対応コンテンツが視聴できるようになっているという点もDVDおよびBlu-rayプレイヤーにとっては逆風となっています。AppleとGoogleは共にフルHD(1080p)と同じ価格で4K対応の映画コンテンツを販売しており、Amazonも4Kコンテンツの販売価格を下げています。
今までもこれからも「物理ディスクでの映像体験こそ至高」という層は一定数いるはずですが、ストリーミングサービスの台頭と、4K映画が必ずしも4Kであるとは限らず低解像度でマスターされるケースが多いことを考えると、Samsungが生産を終了したと報じられている4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーは、「もはやビジネスとして十分に魅力的ではないのかもしれない」とThe Vergeは指摘しています。
なお、The Vergeは「ソニーがPS4 Proに4K ULTRA HD対応Blu-rayプレイヤーとしての機能を搭載しなかった判断は、おそらく賢い判断といえるだろう」としています。
情報源:SamsungがBlu-rayプレーヤーの生産を終了し始めていると報じられる – GIGAZINE
そうなると、サービス提供が終わらない保証もないわけで、そもそもアニメ業界なんかは円盤の売り上げで制作費の回収してるんじゃなかったっけ?