ムカデやゲジゲジ「自然の魅力」 ガイド本100冊超:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


2019年1月29日09時29分

シリーズ累計101冊となる自然ガイド本の展示コーナーと、著者で学芸員の川野敬介さん。この裏には、川野さんが採集し、ガイド本に掲載した動植物や鉱石の実物標本がある=山口県下関市豊田町
シリーズ累計101冊となる自然ガイド本の展示コーナーと、著者で学芸員の川野敬介さん。この裏には、川野さんが採集し、ガイド本に掲載した動植物や鉱石の実物標本がある=山口県下関市豊田町

ムカデやアリジゴク、オオゲジにダンゴムシ――。身近にいるのに、注目されない生き物や自然を紹介するガイド本を、山口県下関市の自然史博物館の学芸員が1人で発行し続けている。2007年の第1号から累計100を超え、昨年12月に101冊に達した。

豊田ホタルの里ミュージアムで唯一の学芸員、川野敬介さん(40)。本はすべて手作りだ。「地元の自然の魅力に、もっと触れてほしい」との思いが詰まっている。1冊ずつテーマがあり、下関市内で観察できる虫や植物、化石、岩石を詳しく解説している。

シリーズ72作目の「下関のミミズ」では、体のしくみや繁殖、育ち方、生息環境のほか、市内で観察できる16種の生息場所や、発見できる「レア度」まで紹介している。

川野さんは昆虫行動学が専門。2004年の開館時に着任したが、「当時は出来たばかりで、収蔵品はゼロ」。展示物をほかの博物館から借りてきて、企画展を開いていた。

地元に生息するゲンジボタルは国の天然記念物に指定されており、ミュージアムの外観もホタルを模している。だが、もっと興味の裾野を広げてもらおうと、川野さん自ら、虫や植物、岩石の標本を集めた企画展を開くことにした。

シリーズ37作目に掲載した「ザトウムシ」の調査では、市内の山「華山(げざん)」で10種ほどのザトウムシを見つけた。「1カ所でこれだけ見つかるのは珍しい。下関は本州の西端で、九州や朝鮮半島と近く、自然が多様なんです」と川野さん。

本は、企画展で展示したパネルを1冊にまとめた。ミュージアムの入り口には、A5判の「自然ガイド」シリーズ全101冊がずらりと並んでいる。

地域に根ざす博物館として、地元の自然を紹介するのが使命と考え、本には、ティラノサウルスなど有名な恐竜の化石や、海外の珍しい動植物などはほとんど取り上げていない。掲載した標本は、本のコーナーの近くにすべて展示しており、「実物と照らし合わせ、観察する力も養える」と川野さん。

ミュージアムが開いている観察会のテキストとして配っているが、電子書籍版もあり、来館すれば1冊100円(税込み)でダウンロードできる。40冊分をまとめたCD(税込み4千円、送料別)も販売している。問い合わせはミュージアム(083・767・0350)。(山田菜の花)

情報源:ムカデやゲジゲジ「自然の魅力」 ガイド本100冊超:朝日新聞デジタル


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すげぇ・・・