渡辺棋王、朝日杯4強入り 公式戦連勝記録は「14」に:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


2019年1月25日10時48分

朝日杯本戦2回戦を戦う渡辺明棋王(左)と深浦康市九段=2019年1月24日午後7時0分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影
朝日杯本戦2回戦を戦う渡辺明棋王(左)と深浦康市九段=2019年1月24日午後7時0分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影

第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が24日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、渡辺明棋王が1回戦2回戦に連勝して、準決勝に進出した。勝負どころでの的確な判断力が光り、今年度1位タイの公式戦14連勝。第6回以来、2回目の優勝を目指す。

広瀬章人竜王と深浦康市九段が当たった1回戦は、広瀬の先手で午前10時に始まった。ふたりの対戦成績は広瀬が13勝、深浦が5勝と広瀬がリード。昨年の竜王戦挑戦者決定戦三番勝負では広瀬が2勝1敗で深浦を下して挑戦権を獲得し、七番勝負で羽生善治九段を破ってタイトルを獲得している。

先手だけが飛車先の歩を交換した変則的な角換わりの形で、深浦が右玉に組み替え、2二に自陣角を打って攻勢に出た。深浦が攻めきれるか、広瀬が受けきって反撃に転じることができるかという終盤戦になった。

A図・広瀬―深浦戦・△5八銀まで
A図・広瀬―深浦戦・△5八銀まで

A図は広瀬が▲7五香と打って反撃含みで受けたところ。ここで深浦が打った△5八銀がこのタイミングしかないという絶好の一手だった。以下▲7九飛△7五角▲同歩△同飛▲7六歩△同飛▲8七歩としたが、△8六歩からの玉頭攻めが厳しく、そのまま深浦が138手で押し切った。終局は午後0時13分。「手があまりいいところに行ってなかったですね」と広瀬。前回準優勝だったが、今回は1回戦で姿を消した。

本戦1回戦の渡辺―佐藤康光九段戦は午後2時から行われた。これまでの対戦成績は渡辺が24勝に佐藤が21勝とほぼ互角。だが直近では渡辺が6連勝している。後手番となった佐藤が角交換振り飛車から仕掛け、力戦調に。両者の飛車が働かないまま戦いが始まり、攻め合いとなった。

B図・渡辺―佐藤戦・▲7六同玉まで
B図・渡辺―佐藤戦・▲7六同玉まで

B図は終盤、渡辺が歩を取って▲7六同玉としたところ。ここで佐藤は△8七銀▲同玉△6七銀と先手玉に詰めろをかけたが、渡辺の▲7九飛がぴったりの受けだった。後手に1歩でもあれば△7八歩と打てるが、あいにく歩切れ。佐藤は△4五角▲同金と角を切って手に入れた歩で△7八歩と打ったが、▲4二桂成△同玉▲3四桂から後手玉が詰まされてしまった。終局は午後3時40分だった。

B図では△7八銀と打てば、双方秒読みの中、勝敗はどちらに転ぶか分からなかった。渡辺は▲3三歩とするつもりだったが、「詰めろとしては細い」(渡辺)。佐藤は「その手はちょっと見えなかったですね」と悔しそうだった。

渡辺はこれで11月から公式戦13連勝を達成した。

渡辺明棋王に敗れ、本戦2回戦で敗退した深浦康市九段=2019年1月24日午後8時39分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影
渡辺明棋王に敗れ、本戦2回戦で敗退した深浦康市九段=2019年1月24日午後8時39分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影

2回戦の渡辺―深浦戦は、午後7時に始まった。これまでの対戦成績は深浦17勝に対し、渡辺14勝となっている。

流行している角換わりに渡辺が誘導したが、深浦がそれを拒否。双方、金と銀をジグザグに配置する「雁木」に構えた。

4年ぶりに朝日杯準決勝進出を決めた渡辺明棋王=2019年1月24日午後8時41分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影
4年ぶりに朝日杯準決勝進出を決めた渡辺明棋王=2019年1月24日午後8時41分、東京・千駄ケ谷の将棋会館、村上耕司撮影

先に攻めたのは深浦。しかし、その方向性を誤ったため、渡辺が好機をつかむ。うまく攻め込み、C図を迎えた。

C図・△3三同角まで
C図・△3三同角まで

渡辺は、残りの持ち時間12分のうち約6分を投入して▲4六桂と打ったが、これが決め手になった。先手にとっては△6六歩や△4八となどの攻めが怖いが、放置して▲3四桂と銀を取った手が4二の金取りになるため、攻めのスピードでまさる。渡辺は「4二の金を取った後にガチャガチャ攻めれば、先手が1手勝てます」と言う。深浦は△7六銀と迫ったが、▲同銀△同飛に、やはり▲3四桂が厳しく、以下20手で渡辺の勝利が決まった。終局は午後8時36分だった。

渡辺はこの日の2連勝で、佐藤天彦名人が昨年5~9月に記録した今年度の連勝記録「14」に並んだ。全員が順位戦のB級1組以上という強敵ぞろいで、昨年11月以降、負けなしだ。感想戦の後、取材に対して「そろそろ止まるかな、と思ってやっているんですけど。でも、(連勝記録)1位タイに並べたのは良かったと思います」と話した。

今回の本戦は、行方尚史八段と藤井聡太七段が既に4強入りを決めている。最後の1枠を巡る戦いは28日にある。羽生善治九段―千田翔太六段戦と中村太地七段―渡辺大夢五段戦があり、その勝者同士が4強入りを争う。

朝日新聞デジタルの将棋ページ(http://www.asahi.com/shougi/)で棋譜を中継する(有料会員が対象)。(村上耕司、村瀬信也)

情報源:渡辺棋王、朝日杯4強入り 公式戦連勝記録は「14」に:朝日新聞デジタル




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